うそグラフにだまされるな
●茨城オーガニック給食プロジェクト要望書にツッコむ
このグラフの問題点は、先日も指摘したとおり、
以下の点です。
日本や韓国よりも農薬使用量が多い国が、
たくさんあるのに、
日本や韓国がトップとみえるように
切り取ってある。
単位面積当たりの全農薬の重さ比較である。
重さと、毒性の強さ、作物残留値とは比例しない。
日本の順位は、2010年11位、2016年16位、2019年26位と
下がり続けているが、
発達障害は増えている。
グラフのもとはTBSとなっているが、
その元は、ネオニコ悪説を唱える木村ー黒田博士だ。
TBSのアナウンスは以下の通り流れる。
農地面積当たりの農薬使用量が突出して多いのが韓国と日本。
ほかの国と比較すると自閉症、広汎性発達障害の有病率と相関関係がみられたという。
この番組のこの部分は、ネオニコチノイド系農薬が、
発達障害に影響するという話の中で、
なぜか、このグラフだけが全農薬の使用量となっていて、
説得力に乏しい。
せめて、ネオニコチノイド系農薬のグラフを使ってほしい。
文句ばっかり言ってもしょうがないので、
ちょっと調べてみた。
・ADHD「注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害」の子どもの割合
1%以上が岐阜、長崎、東京、
ついで京都、山口、新潟、佐賀、島根、宮城、宮崎
・発達障害児出現率 4%超えるのは滋賀、京都、鳥取、
ついで山形、新潟、和歌山、兵庫、徳島、愛媛と続きます。
いずれも、上位は、
いわゆる農業県とは違っているように見えます。
農薬会社30年の私から見て、
農薬たくさん売れる県ではありません。ネオニコも。
一方で、ネオニコチノイド系農薬の出荷量の多い道県は以下の通りです。
2014年
北海道、青森、宮城、新潟、茨城、長野、和歌山、愛媛
いわゆる農業県です。
それぞれに特産の農産物がひとつずつくらいは
頭に浮かぶ人も多いと思います。
データの出所によるバラツキはあるとしても、
発達障害やADHDの多い県と、
ネオニコチノイド系農薬の出荷量の
多い県があんまり重なりません。
ネオニコチノイド系農薬を使った作物を、
食べた量の多い県のデータなんてないので、
なんともいえませんが、
それでも、全農薬の使用量のデータ国際比較よりは
マシだと思いますが、
いかがでしょう?
せめて、このくらいのデータを準備して、
ネオニコが悪いと思うならそれらしく、
地域と発生率、年次推移など、
グラフ化してほしいものです。