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【必読】音楽業界人は絶対読んだ方がいい1冊【書評】

おはようございます。

エンタメ業界ではたらくサラリーマンです。

今回は、「音楽業界人は絶対読んだ方がいい1冊」をご紹介します。

この業界で15年以上仕事をしてきましたが、ここまで激しく音楽業界が
変わった時代はなかった
のではないでしょうか。
これまでの100年とは、全く違う変化です。

今、音楽業界で働いている人は、この先どうなっていくのか?と
不安を感じているかもしれません。

今回は、15年以上この業界で働いてきた私が共感した音楽業界の課題や、それを解決するヒントがたくさん得られるこの本をご紹介したいと思います。
結論をいうと、これからの音楽業界にも希望を感じさせてくれる本でした。

この記事を読んで「もっと中身を読みたい!」とか「参考になった!」と
思って頂けたら、買って読んで頂き、コメントで感想を教えてもらえると
嬉しいです!

オンラインライブについての意外な調査結果

さて、特に本書について書かせて頂こうと思ったきっかけがありました。

オンラインライブは答えにならなかった、という業界の方々にとって、
もしかしたらそうでもない、そんなデータについて紹介したいと思います。

『音楽の聴取方法は「インターネット動画配信サイト」が最多。
普段音楽を聴く人のうち、オンラインライブの利用経験は19.7%、
20代では3割超。』
音楽に関する調査(引用:楽天インサイト)

この調査の中で、「オンラインライブへの課金は増加」とあります。

「当たり前だよ、これまで普及していなかったんだから」と思いました。
しかし、ちゃんと数字を見ると面白いですね。

オンラインライブの今後の利用意向
①今後も利用したい
②ならではの魅力があるので会場開催と使い分けて利用したい
③なるべく会場に行きたいが条件によっては利用したい
④会場開催が復活したら利用しないと思う
⑤会場開催が復活するしないに関わらず今後は利用しない
⑥今はどちらとも考えられない

項目の項目のうち、ネガティブな意見④と⑤は、多い世代でも
15%ほどでした。
70%以上の人が、「(条件次第で)利用したい」という結果だったのです。

もしかしたら、
業界の人間と一般視聴者との間でギャップがあるかもしれないです。

確かに、収支を考えると主催者はあまり楽観視できないのですが、
意外と視聴者はメリットを感じているんだ、と感じました。

実は、これは意外な結果でした。

音楽業界にいる者からすれば、リアルライブの圧倒的な価値を
再認識して、元通りの市場が戻ってくる、と感じていました。

しかし、この調査結果を見て「新しい市場が創り出されているんだな」と
認識を改めました。「オンラインライブの魅力」という項目では、場所や時間の融通がきく、手軽に利用できる、という前回の記事で書いたライトなファンにとっては大きなメリットになりそうなことが挙げられています。

映像のアングルやオプション機能がよい、
会場で嫌なことを経験しなくていい、
といった、オンラインライブならでは魅力にプライオリティを
置いている人が結構いるのです。

確かに私は、オンラインライブはこれからの時代には必須、と
思っていました。
実際、自分でもオンラインライブを実施していました。
様々なアーティストがやってきたことも見ていました。

自分でもやった上で、確かに売り上げは出るものの、
そこまで旨味がないという実感でした。

青天井に売り上げが立つことを考えていたのですが、
そんなに簡単にうまく行くはずがありませんでした。

感染が落ち着いたタイミングで時々実施していたリアルのライブを
観ながら「やっぱり生だな」と思いながら過ごしてきましたし、
配信はビジネス的として成立するには、まだまだ時間が必要かも、と
感じてきました。

しかし、この調査結果を見て、実はそうでもないのかも、と
思い直しました。

結果から見れば、今の配信が十分に満足できるものではないにせよ、
それなりに楽しめている、ということです。

そもそもライトな層に向けて行なうのがライブ配信の醍醐味だと思っていたので、これでよかったのかもしれないのです。

これからもライブ配信の企画は続けていこうと思いました。

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絶対読んだ方がいい1冊

そう思うようになったきっかけがこの本なのです。

何故なら、これまでも音楽業界はトライ&エラーを繰り返してやってきたのだし、答えは顧客の反応を見るまでわからないからです。

音楽が未来を連れてくる 時代を創った音楽ビジネス百年の革新者たち

榎本幹朗さんの著書です。
Musicman-netというサイトでも連載されていた方で、当時むさぼるように記事を読ませて頂いていました。

数年前から、連載の中で、海外でSpotifyなどのサブスクリプションサービスが拡大していく様子をレポートしてくださっていました。

それだけではなく、音楽業界の市場の歴史と一緒に紹介することで、これからの音楽業界はサブスクリプションサービスを踏まえて、どう変わっていくべきかを提案してくださっていました。

先見の明のある方です。

本書は、最新刊なのですが、音楽ビジネスが出来上がったときから、
現代にいたるまでのビジネスの変遷を丁寧に分析されていて、大きな
歴史の流れの中で音楽ビジネスを捉えて描かれています。

技術の進歩から見た音楽の歴史であり、国ごとの文化的な違いにも言及し、時系列に沿った解説があります。

現在にいたる業界の歴史が、わかりやすく書かれていて面白い本です。
音楽業界の方は必読だと思います。

この中で紹介されている新しいビジネスの手法で面白い方法、ギフティングが現在中国で爆発的に伸びていることも紹介されています。

オンラインライブで稼ぐ、というものではなく、楽曲使用に制限をかけるのではなく開放しながら使用料をアーティストとプラットフォーマーに還元する仕組みを作るのはどうか、という提案になっています。

そして「YouTube上で音楽番組を作る」という提案もあり、さらに具体的な方法まで提案されています。

ヒントとなる情報が数多く盛り込まれているので、本書を読んでみてほしいです。

「リアルライブさえあれば良い」「音源で儲かれば良い」という
これまでのビジネスのフォーマットだけを土台にした話だけではなく、
それ以外に音楽業界が稼ぐ方法がないか、みんなで探しましょうという
提案になっています。

「ゼロベースで考えよう」「楽しい、ということを売ろう」というエンタメ
業界のビジネスの基本中の基本を伝えてくれています。

オンラインライブも見せ方次第で、メリットを感じている視聴者は
意外に多い、ということも先の調査結果からわかりましたし、「楽しい」を売ることを忘れなければ、まだまだできることはありそうだと、思わせてくれました。

音楽業界の方は全員読んでみて頂いて、一度それぞれのビジネスに活かす方法を考えてみてはいかがでしょうか?
すごくワクワクする本になっていますし、まだまだ音楽業界にチャンスがあるんだなと感じられると思います。

やっぱり今ならYouTube

私は、答えの一つがYouTubeだと考えています。
ずっと書き続けているのですが、YouTubeを主戦場として活動している
アーティストが少ない今だからこそ、チャンスだと思っています。

シンプルに自分だけの音楽番組が作る、という発想です。
ラジオで番組を持っているアーティストもいると思いますが、
似たようなものだと考えてはどうでしょうか?

YouTubeをやるというと、どうしても既存のYouTuberのイメージに
引っ張られるのか、アーティストがYouTuberっぽいことなんて出来ない!
という人がいますが、そうではありません。
アーティストとして伝えたいことを動画でやるだけです。
やり方はゼロベースで考えてみればいいと思います。

テレビでは話せない濃い内容を話す
インスパイアされた土地でのロケ番組
楽曲の歌詞についてファンから意見を聞く
作詞・作曲の過程の収録
同じ楽曲を複数パターンのアレンジで配信

などなど、音楽好きなら楽しめる内容は、いくらでも作れると思います。

スパチャやメンバーシップ限定公開で収益化してもいいと思います。

活動を見せ続けることが、何よりのプロモーションになりますし、
コンテンツそのものが収益機会を生みます。

音楽を中心として、もっと楽しみを提供する方法をゼロベースで
考え直して、変えていく必要があると思います。

そのための提案がドッサリ詰まっています。
音楽業界の人や、これから音楽業界を目指す人にとって、
想像を膨らませてくれるヒントがいっぱいです。

冒頭にも書きましたが、少しでも気になった方は、
是非買って読んでみてください!
感想をコメント欄で頂けるともっと喜びます(笑)
著者でもないけど(笑)

いかがでしたでしょうか?

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