心が折れる職場(見波利幸、日経プレミアシリーズ)

なぜ心は折れるのか。
そのヒントを得るために本書”心が折れる職場”を読んでみた。
結論的には、今一歩踏み込みが足りないと思う。

もし、今、心が辛い方が居られれば、躊躇なくクリニックを受診されることをお勧めしたい。

以下は「心が折れる」事に関する私見である。

「心が折れる」という現象を分解すると、個人的な要因と環境的な要因の両方がある。

個人的要因としては、

「かなりの努力するも中々、成果が目に見えない、」

あるいは「不得意な事、無意味な事を“無理に“やり続ける」

事による、自分をすり減らす様な疲労の蓄積。   

環境要因としては、

「自分が、置かれている環境で、どこに向かっているのか分からない」

さらに、

「自分にとって辛く、不快な刺激が継続的に続く」 

などがその原因だと思う。

こうした状況に陥ると、脳が緊張し続けることで、交感神経優位の状況が続き、防衛本能がバグってくる。

仕事や勉強にモチベーションを感じなくなり、やがて、起き上がれないほどの疲労に襲われるようになるだろう。

私は、それがいわば「心が折れる」状態だと思う。

心が折れるのみならず、パニックなどの急性的で、深刻な身体症状も出てくると、電車やバスに乗るのもままならない、あるいは生活に支障を来すほどの”塗炭の苦しみ”を味わう事になる。

その治療となると、とにかく主治医を見つけて医学的にアプローチする事が第一となる。

仕事や学業も、「不快な刺激を遮断する」しつつ、「臥褥」して過ごさねばならない。

軽い症状なら、「騙し騙し」でもどうにかなるかもしれないが、ガチで心が折れたら、相応の治療が必要。

それにしても、これだけ社会にウツで苦しむ方が多い社会というのは、どこかに歪みが生じているんじゃないかと思わざるを得ないし、社会的な損失も大きい。

折れた心はすぐには戻るものではない。
この、「折れた心の回復に至るまでの時間の長さ」もまた大変な苦しみとなる。

それでは「心が折れないための対策」はあるのか。

専門医の受診(薬物療法)から、認知行動療法などの昔からある手法から、最近では栄養の観点からアプローチする手法も非常に注目されている。
あとは回復してきたら、焦ることはないが、引きこもらないこと。

朝の光をしっかり浴びながら、規則正しい生活を繰り返す。






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