昭和16年夏の敗戦(猪瀬直樹、文春文庫)
昭和16年、総力戦研究所のシミュレーションだと、敗戦は不可避だった。
日本は、昭和16年に、対米戦で、負けていた。
石破さんの国会答弁(YouTubeを添付)で知った本書。
第二次世界大戦は、石油で始まり、石油で終わった。
人造石油の開発、多分、今で言うGTLとかCTLの開発、にも期待出来なかった。
山本七平さんの著作では、最初の仮想敵は、ソ連で、ある日いきなり対米に変わったらしい。
それまでは、ノモンハン事件みたいな衝突事件を想定してたとの事だ。
多分もう独ソ不可侵条約の時点で、理解不能な展開だったのだと思う。
ソ連対策として、ドイツと結んだ防共協定何だったん。あり得ない、驚天動地の事態に、時の平沼騏一郎首相は「欧州の天地は複雑怪奇」と言う有名な発言を残して総辞職した。
本書で言及されるように、原子爆弾は想定外中の想定外で、ポツダムでトルーマンが、スターリンを牽制する時に、その存在が示唆されたらしい。
(中公新書「スターリン」から類推)
そのレベルになると心理戦、悪く言うとチキンレースだ。
原子爆弾は外道中の外道の兵器である。想定出来るはずもない。これがどう言う経緯で開発され、投下されたのか。
余談だが、石破さんの社会保障論、増税論は賛同しかねる主張もある。