孤独の太陽（桑田佳祐）

桑田佳祐ソロの孤独の太陽（1994）は歴史に残る名盤であろう。

桑田ソロのギターのコード譜を、味わっている。改めて歌詞が神がかっている。
サザンの中の桑田と、ソロの桑田を完全に演じ分けているようにすら見える。

私が好きなのは「飛べないモスキート」「鏡」など。

もちろん「真夜中のダンディ」や、「月」で歌われるような、ダンディズムも非常に味わいがあり、好きなのだが。

このアルバムの楽曲は、桑田佳祐が、どこか「永遠性」に想いを馳せているような気がする。

刹那的な感情の発露として恋だの愛だのと歌う軽薄さがない。

さらに、永遠性をポップというジャンルの中で軽快に、美しく表現するのが、本作「孤独の太陽」の真骨頂だと思う。

実際、「鏡」の歌詞には、

俺が死んだら　
闇の銀河に　
誰を招待する
光の中じゃ永遠に
嘘はつけない

という歌詞がある。
「俺が死んだら」と言う歌詞を極めて自然に歌える桑田の表現力、歌唱力よ。

長渕剛を怒らせたとされる「すべての歌に懺悔しな」にしても、「全ての人に恋をしな」と言っているあたりに、ぶっきらぼうに聴こえながら、桑田佳祐の慈愛とも言えるほどの優しさを感じるのだ。

あと、「エロスで殺して」という、かなりキワどい歌詞の曲もある。

私の知りうる範囲で、永遠という歌詞が出るのはCharaの「Crazy for you」という曲。

イントロの後、

永遠普遍の愛は約束したいけど、

と歌詞が始まる、これまた名曲。

J popに見る永遠の概念について

という命題は面白い。

別途、Charaの素晴らしさについても項を設けて考察したい。