知名度0からのYouTube登録者数1000万人を目指す戦い㉖新しい表現とソフト
特別な制作環境に、まず驚く
先日、見逃した庵野秀明監督のNHKのプロフェッショナルをようやく見た。クリエイターとしての至極真っ当な、それでいて簡単にマネできるレベルではないストイックさを目の当たりにする。それはまた、取材に同行したNHKのスタッフにも当てはまるのだがいずれにしろ、「金」がなくては成り立たない話ではある。それは言い換えれば、庵野秀明監督でなければ許されないような制作環境(今日のニュースで興行収入80億円突破)であり、他方、4年間に渡る密着ドキュメンタリーという日本の民放がマネのできないNHKにしかできない環境のドキュメンタリーであった。
新しい発見にしか、新しい表現はない
ドキュメントの中での象徴は「俺はアイディアはないよ」と言い放つ庵野監督だ。スタッフを追い込み、まだ見ぬ面白いアングルを探る作業をひたすらに続ける。映画作りにおける絵コンテという想像の世界では戦わないという宣言は、既存の物は相手にしない、新しい発見にしか、新しい表現はないというスタイルは、いやが上にも刺激を受ける。自分はこれでいいのか?計算できる世界でしか、戦ってないのではないか?少なくとも「Planet of Food」における演出は完成している。「あとはPR勝負だ!」と思っていたがあのドキュメントを見た後では自分の言動が恥ずかしい思いすらある。
「MugLife」の持つ可能性
とはいえ、私なりに新しい表現はテクノロジーと共にあると思っている。今、アプリの機能が充実し、以前なら数十万円~数百万の機材がなくては実現しなかったものがいとも簡単に出来る時代になった。だとしたら使わない手はない。そこで、今回の再スタートの際に、圧倒的なインパクトを与えるものはないか?と思って閃いたのは、写真一枚から動画に変換できるアプリ「MugLife」である。
番組ではかねてより、出演者の一人であるCydonieさんが憧れの役所広司さんにラブメッセージを送っていた。そこでこの「MugLife」を使えば、役所さんからメッセージを作れると画策した。その動画これだ。
実際の配信した動画はこちらである。どのように編集され、どのようにリアクション、驚きを以って見られたのか、確認してもらいたい。
いつの時代だって映像とテクノロジーは密接に関わっている。私はかつて日本テレビの深夜に「マスクマン」という番組をやっていた。「異人たちの夏」という企画において、そこでは会えるはずない昔の自分や死んだはずのおふくろなど、異次元のトークショーを繰り広げた、あの頃は随分と高価なシステムであったが、今はアプリで出来る。ならば使わない手はないと使った次第だ。
庵野秀明監督の足元にも及ばないのは分かっているが、あのドキュメントを見て私なりに新たなアングルも必要だ!新たな画が必要だと思って早速、実験をしてみた。ちょっとだけ、公開しよう。
同じ写真、同じキャラクターだが印象は大分違うはずだ。使えるもの、使えないもの、いろいろあるが実験しないと分からない。そこぐらいは庵野秀明監督と一緒でもあるwww。
ちなみに4隅のパターンは俯瞰でのぞき込んでいるという意味で新たなアングルだと思っている、今後、どこかで使おうと考えている。
もちろん、明らかにダメなものもあるwww。
そんなわけで、最新のソフトを使い、新たな表現を取り入れることも随時、やっていきたいと思っている。少しでも視聴者に楽しんで欲しいのはもちろんだが、自分も同じことをやっていると飽きてくる。まだ、見ぬ表現を出していければとは思っている。
執筆者:島津秀泰(放送作家)
Twitter:@shimazujaoriya
Instagram:hideyasushimazu
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