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財政破綻を回避した町と、財政破綻した町【キンコン西野】

このnoteは2024年10月14日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。


 
 

力技で西野亮廣を離島まで呼び寄せる海士町の空気感

 
札幌国際短編映画祭』の授賞式の翌日は、札幌から飛行機を乗り継ぎ、船に乗り、10時間以上かけて島根県の「海士町(あまちょう)」に行ってまいりました。
 
ちなみに今日は『札幌国際短編映画祭』の登壇イベントが入っているので、この後、ふたたび札幌に飛びます。
 
「札幌→島根の離島→札幌」というトチ狂ったスケジュールです。
 
海士町に来た理由がまたユニークで、なんと地元の高校生がクラウドファンディングを立ち上げて『西野亮廣講演会』を主催する権利を購入して、力技で西野亮廣を離島まで呼び寄せたんです。
 
この高校生達の行動力もさることながら、この高校生をサポートする学校の先生方や島の大人達もどうやら最高な雰囲気がするじゃないですか?
 
日本の離島は、もっと閉鎖的(排他的)な雰囲気が漂っていたり、そもそも情報が行き届いていなかったりするのが相場だと思うのですが、海士町にはそんな雰囲気は無くて、「ニューヨークでもバキバキやっている日本人を呼んで、子供達と一緒に話を聞こう!」となっていました。
 
珍しい空気感ですよね。
 
「こりゃ、こういうノリが生まれた理由が何かあるな」と思ったので、地元の方に話を聞いてみることにしました。
 
まず、この高校の生徒は(たしか)100名ぐらいは『島留学』ということで、東京や大阪や福岡など、いろんな地域から集まっているみたいで、主催してくれた高校3年生の女の子は香川県から同じく『島留学』で、この海士町に来たそうです。
 
決して交通の便が良いとも言えないこの島で、『島留学』なるものが自然発生するハズがなく、そこには町の手厚いサポートがあったのは想像するに難くありません。
 
 

「財政破綻」リーチから「いけいけドンドン」のV字回復

 
そこで、さらに話を聞いてみると、なんとこの海士町は20年前に「財政破綻」にリーチがかかっていたんですって。
 
高齢化と人口減少に歯止めが効かず、返済の目処が立たない借金が100億円以上あり、「このままでは島が消える」というところまでいったそうです。
 
そこで立ち上がったのが当時の町長と役場職員さん。
 
まず最初にやった改革が「役場職員の給与カット」で、管理職、一般職の給料を30%カット、そして町長の給料を50%カット。
 
「町の皆さんに迷惑をかけるわけにはいかない」ということで、まずは自分達の給与を自分達でカットすることを決めちゃったんです。
 
これによって、その後、役場が仕掛けるアレやコレや(地元の海産資源の活用など)に町の人たちがメチャクチャ協力してくださったそう。
 
そこから新しいことをドンドン取り入れていって、若者支援も続け、ついには人口減少に歯止めがかかり、今では「いけいけドンドン」のV字回復に向かっています。
 
映画みたいな話ですが、本当にあった話です。
 
島に着いた瞬間から、「なんか、この島、雰囲気が違うぞ。なんか新しくない?」とスタッフと言っていたのですが、そこにはこんな裏話がありました。
 
町って、やりようによってはキチンと復活するんですね。
 
 

町民と行政が一枚岩にならないと町おこしはできない

 
一方で、札幌から海士町(あまちょう)に行く前に、なかなかシビアなニュースを耳にしました。
 
財政破綻をした町『夕張市』で10月24日〜27日に開催される『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』の後援を夕張市が見送った…というニュースです。
 
夕張市は本当に大変な目に遭っている町で、この『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』は「夕張の町を元気にするぞ!」ということで立ち上がった映画祭なのに、「『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』の新体制(新チーム)の実績やら全体像が不明」を理由に、市から後援を見送られたそう。
 
僕自身、実績のないチームに自分のIPを渡して大怪我をした過去があるので、夕張市側の言い分がメチャクチャ分かります。
 
と同時に、「町を盛り上げる為に動いている映画祭スタッフさんの気持ち」を考えると、ちょっとやりきれない…というか、今ごろ追い込まれていることが容易に想像できちゃう。
 
今の自分ができることは『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』を宣伝することぐらいで、もし、映画祭スタッフさんがSNS等で協力を仰いでおられたら、是非、手伝ってあげて欲しいです。
 
「町民と行政が一枚岩になる」というのは奇跡のような話ですが、その奇跡を起こさないと町おこしはできないのだと知った二日間でした。
 
 

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