『機会損失に気づかない』という恐怖
おはようございます。
男には「勃ちあがらなくていい時に勃ちあがってしまうこと」があるのですが、そんな時は梶原君の顔面を想像して“沈めている”キングコング西野です。
さて。
今日は「『機会損失に気づかない』という恐怖」というテーマで、お話ししたいと思います。
すべてのサービス提供者に関係してくるメチャクチャ重要な話です。
煩雑さに耐えられなくなってきている
「論より証拠」ということで、まずはコチラをご覧ください。
10月31日(ハロウィン当日)におこなう『映画 えんとつ町のプペル』の「舞台挨拶回」の券売状況です。
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《10月31日の舞台挨拶》
・T・ジョイPRINCE品川 【SOLD OUT】
・TOHOシネマズ 六本木ヒルズ 【残り僅か】
・渋谷HUMAXシネマ 【SOLD OUT】
・TOHOシネマズ 新宿 【SOLD OUT】
・TOHOシネマズ 池袋 【SOLD OUT】
・TOHOシネマズ 日比谷
①17:10~の回
②19:50~の回
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……ちなみに言うと、『TOHOシネマズ六本木ヒルズ』は今回の公開の中では最大キャパの劇場(スクリーン)で、それにしてもチケットは【残り僅か】。「残り約20席」といったところなので、今日中には【SOLD OUT】になるでしょう。
新宿も池袋も、かなり大きな劇場なのですが、都内の「舞台挨拶」は、どこも【SOLD OUT】。
劇場さんに恩返しができて、ちょっと嬉しいです。
#当日は張り切って仮装します
都内の劇場はどこも【SOLD OUT】なのですが、ところが『TOHOシネマズ日比谷』だけは、チケットがまだ買えちゃいます。
その他の「舞台挨拶」は朝から入っていたりして、なかなかシビアな時間である中、『TOHOシネマズ日比谷』は、日曜日の17時と20時というメチャクチャ行きやすい時間。……にも関わらず、チケットが残っているのです。
「一番売れる時間」で「売っている商品は同じ」という条件なのに、売れていない。
原因はものすこくシンプルで、『TOHOシネマズ日比谷』のチケットだけ、「売り方(買い方)」が違うんです。
TOHOシネマズ日比谷の舞台挨拶は『10万分の一秒の音響映画祭』という映画祭内での開催になるみたいで、チケットの販売方法が「劇場ホームページ」ではありません。
お客さんにキチンとご案内したいので、僕自身、いろいろと調べたのですが、検索をかけても『TOHOシネマズ日比谷の舞台挨拶回』の販売ページが出てこないんです。
それもそのハズ。
今回の『TOHOシネマズ日比谷』のチケットは、「劇場ホームページで販売」ではなく、
「『ぴあ』アプリで先行販売」
となっているのです。
つまり、『映画 えんとつ町のプペル』のTOHOシネマズ日比谷での舞台挨拶回のチケットを買おうと思ったら…
①劇場ホームページで売っていないことを知る。
②『ぴあ』のアプリをダウンロードする。
③スマホの要領がいっぱいだったら、何か他のアプリをアンインストールする。
④『ぴあ』アプリの『会員登録』をする。
⑤使ったことのないアプリ内で検索をする。
⑥チケットを買う
⑦コンビニでチケットを発行
…という手順を踏まなければなりません。
ちなみに、僕は②で躓きました。
アプリをダウンロードして、映画のタイトルや、映画祭の名前など…あの手この手で検索をかけても、『えんとつ町のプペル(舞台挨拶)』が出てこないんです。
それもそのハズ。
僕がダウンロードしたのは、『ぴあ』アプリではなくて、『チケットぴあ』アプリだったみたい。
ここにも落とし穴がありますね。
世間の人は「『ぴあ』アプリと、『チケットぴあ』アプリの二つがあることを知らない」という落とし穴です。
とにもかくにも、チケットを買うのがなかなか大変で、多くの方がチケット購入に挫折をしたことは想像に難くありません。
こんなことを言うのもアレですが、僕はそこまで機械オンチな人間ではありません。
#面倒臭がり屋ですが
そして、普段から、あの手この手でチケットをゲットしては、国内外の様々なエンタメを観に行っているので、「チケット購入」に対してのアレルギーもありません。
そんな人間でも、7つある手順のうちの、二つ目で躓いてしまっている有り様。
そして、今も言いましたが、自分自身、たくさんのエンタメに足を運ぶ人間なので、すっごーーくよく分かるのですが、チケット購入の手続きが煩雑だと、昔によりも遥かに速い段階で「だったら、いいや。他のものを観よう」という判断をしてしまいます。
あと、これも絶対にそうなのですが、「一度の目的の為にアプリをダウンロードしたくありません」。
「アプリをダウンロードしないとご利用できません」は、昔に比べてずっとずっとハードルが上がっていて、『ハレ(非日常)』と『ケ(日常)』でいえば、『ケ』の為じゃないと、なかなかそのハードルは越えられません。
去年、僕が大好きなチームラボのイベントに行ったのですが、アプリをダウンロードしないといけない仕様になっていて、これだけの大ファンをもってしても「面倒だな…行くのは辞めようかな」と思ったほど。
『ハレ』と『アプリ』の相性は、すこぶる悪いです。
「同じ商品」であろうと、やはり「買いにくい商品」は買いにくく、昔に比べて、消費者には「買いにくい商品を買うガッツ(理由)」が無くなってきている…ということを全てのサービス提供者はキチンと理解しておいた方が良さそうです。
「機会損失」には2種類あります。
「後で、機会損失に気づいたパターン」と、
「機会損失に気づかずにサービスを続けているパターン」です。
今回は、「機会損失に気づかずにサービスを続けているパターン」だと思うのですが、その中で、もう少し解像度を上げて、「購入方法の煩雑さをほったらかしにしたことで、何と何を取りこぼして(手放して)しまったのか?」をキチンと整理しておいた方が良さそう。
キングコング西野は、「消費者(エンタメオタク)」と「鬼インフルエンサー」の両刀使いでお届けしているので、よくよく分かります。
今回のパターンは、二つ取りこぼしていて、
一つ目は、「買うのが面倒だから、買うのを辞めとこう」。
そして、もう一つは(※ココ、とくに見落としがちですよっ!!!)……
「紹介するのが面倒だから、紹介するのを辞めとこう」です。
インフルエンサーには「自分の信用を使って、宣伝したからには…」という責任が伴います。
なので、「買いにくい商品」を紹介する時は、一度自分が「買いにくい商品」を買う手順を勉強しないといけないんですね。
西野はものすごーく丁寧で優しいから(だから女の子にもモテるよ)、まずは自分が『10万分の一秒の音響映画祭』内でおこなわれる「舞台挨拶」のチケットを取って、その「取り方」までを案内しようとしますが(※なんなら、その販売サイトの代表に連絡を入れて、「ここで躓く人がいるよ」とお伝えしたりしますが)、ほとんどのインフルエンサーは、これをやりません。
「商品を買いにくいようにしているのは、あなたでしょ」という自己責任論で片付けます。
基本的には、インフルエンサーには、プラットフォームの改善に付き合う義理がありません。
#友達のサービスならとことん付き合う
これらのことを分かっておかないと、機会損失is My wayでサービスを突っ走ってしまうので、そりゃあもう取り返しのつかないことになっちゃいます。
せっかく素晴らしい商品を作ったのに、
たった「買いにくい」という理由だけで、店を潰してしまうのはあまりにも勿体ないので、サービス提供者さんは今一度、見直してみてください。
昔以上に、お客さんは耐えられなくなってきています。
#ねばる力が無くなってきています
最後に、『ぴあ』のアプリのリンクを貼っておきますね。
TOHOシネマズ日比谷の「舞台挨拶」のチケットは、こちらのアプリをダウンロードして、お買い求めください。
#西野って優しいね
#抱いてくれてもいいよ
現場からは以上でーす。
【追伸】
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