「顧客」を作るな。「ファン」を作れ。 byキンコン西野
このnoteは2020年8月3日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:ペットを治せる飼い主になりたいと傷つきながらも頑張る人を応援する しるしの魔術師なか さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「『顧客』を作るな。『ファン』を作れ。 」
というテーマでお話しします。
今年の2月3月……つまり、「コロナの感染拡大がいよいよくるぞ」という時期にオンラインサロンメンバーさんに、「顧客」と「ファン」をそれぞれ明確に定義し、そして「とにかくファンを作れ」とかなり口酸っぱくなんども言ったんですね。
「現代、ファンの獲得こそが最強の生存戦略である」と。
サロンの中身は「口外禁止」が原則なので、ここでは上辺だけをサラッと説明します。
気になる方はオンラインサロンを覗いてください。
まずは、「顧客」と「ファン」って、どちらも「自分のサービスのお客さん」っぽいけど何が違うのか?
ここから整理してみます。
人によって定義は様々ですが、僕はこう定義しています。
「顧客」=「サービスを愛してくれる人」
「ファン」=「サービス提供者を愛してくれる人」
たぶん、これに尽きます。
「顧客」の目というのは「サービス内容」に向いているので、競合がより良いサービスを出したらそっちに流れちゃうんです。
典型的な例が商店街なんですけども、商店街って、基本、「商品」を売っているじゃないですか?
なので、近所に大型のショッピングモールができて、そこで、商店街に並んでいるのと同じ商品がより安く売られていたら、顧客は、そっちに流れちゃう。
顧客が愛しているのは「サービス」なので。
しかし、大型のショッピングモールができようが、人気の居酒屋チェーンができようが、商店街の片隅にある【スナック】って、全然、潰れないんです。
なぜなら、スナックに通っている人は、お酒の味やツマミの味といった「サービス」を買っているわけではなくて、そこにいる「人」とのコミュニケーションを買っているからです。
ビールが他所より100円高かろうが、「畜生、ボッタくりやがって」とか言いながら、笑ってお金を出すんです。
場合によっちゃ、お店の手伝いとかさせられます(笑)
スナックが掴んでいるのは、「顧客」じゃなくて、「ファン」なんです。
コロナで明らかになったと思うのですが、いろんなお店がSOSのクラウドファンディングをやりましたが、たとえば、普段利用している近所のコンビニがクラウドファンディングをしたとしても支援しないでしょ?
それは、貴方がそのコンビニの「顧客」であって、「ファン」ではないからです。
受けたサービス以上のお金を払おうとは思わないんですね。
もっというと、そこで職を失うかもしれないコンビニ店員さんの人生に興味がない。
コロナ時代を乗り切るには「ファン」の存在は絶対に無視できないところではあるのですが、これはコロナ時代だけの問題じゃありません。
現在、こと日本においては人口は減り続けてるじゃないですか?
これまで、サービス提供者は「高品質、低価格」を競ってきたのですが、それって、人口が多いから成立するモデルで、そもそもの人口が減っちゃっている中「低価格」競争をしてしまうと、いずれ立ち行かなくなってしまうんですね。
もう「薄利多売」の時代じゃないんです。
「いかに、価格を上がるか?」…言いかえると、「いかにブランドになるか?」「いかにファンを作るか?」という勝負になってくる。
これは未来予想とかじゃなくて、確実に来る未来の話です。
ていうか、もう来ています。
「ファンを作る」って、これまでは芸人とかアーティストだけの話かと思っていましたが、どうやら、これからは、家具屋さんも、美容室も、八百屋さんも、サービス提供者全員の課題になってきた。
というわけで「どうやってファンを作るのか?」という話をしようと思うのですが、だいたいこういう話になったら「STPマーケティング」が持ち出される。
「STP」というのは、それぞれ「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の頭文字ですね。
「セグメンテーション」というのは、「市場の細分化」のことです。
たとえば、「スニーカー」といっても、機能に特化したスニーカーなのか、ファッショナブルなスニーカーなのか、高価格なのか、低価格なのか、いろいろありますよね。
で、「ターゲティング」というのは、細分化した市場のどこを狙うか?
「ポジショニング」というのは、競合他社との位置関係の決定ですね。
…とまぁ、マーケティングの世界だと、こういうことが言われるんですが、ちょっと頭が混乱しちゃいますよね。
こんなに横文字を並べられると、「うっ」となっちゃいません?
それに、STPは、どちらかというと「顧客の作り方」かもしれません。
もちろん一概には言えませんが。
そこで今日は、ファンを作る為の考え方をお伝えしたいと思います。
結論を言っちゃいますが、答えは「どういう人が自分を応援するのか?」を常に問い続けることです。
ポイントは「どういう人に届けるのか?」じゃなくて、「お客さん側から自分を見てファンになるか(ファンでい続けるか?)」という点ですね。
「どういう人に届けるか?」という考え方だとね、無駄なものまで発信しちゃっているんです。
たとえば、「『イケてると思われたい人』が、私のファンになるには、私のこの服装は合っているのか?」とか、
たとえば、「『世の中いいこと一つもない!と悲観している人』が、私のファンになるには、私がインスタグラムに投稿している私の生活レベルはこれでいいのか?」とか。
そういった感じで、向こう側からコッチを見て、答え合わせをする。
そうすると、だいたい自分のアプローチの辻褄が合わないところが浮き彫りになってくる。
「インスタグラムにはリア充な写真を投稿しているのに、『世の中いいこと一つもないと思っている人』にも応援されようとしている」…みたいな。
そうすると、次にやる作業としては、「インスタグラムからリア充投稿を削除」ですね。
ここを削らない限り、彼らからの共感は生まれない。
ファンを作る為にやらなきゃいけないのは、足し算じゃないんです。むしろ引き算なんです。
又吉直樹君がDJイベントのゲストDJで、フロアを沸かしていたら、新規ファンを獲得するどころか、既存のファンを失ってしまうじゃないですか?
「できることを足せばイイ」ということじゃないんです。
ファンになってもらうには、「やること」と「やらないこと」を明確にして、理念やキャラクターに一貫性を持たせることが大事です。
人間、やれることがあるとやっちゃうから、自分目線でコントロールするんじゃなくて、常に、「どういう人が自分を応援するのか?」という目線を持って、それに合わせて判断していくといいと思います。
というわけで、
「『顧客』を作るな。『ファン』を作れ。 」
というテーマでお話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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