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【キンコン西野の仮説】「オリジナル映画はヒットしない」の壁を超える方法【キンコン西野】

このnoteは2025年2月19日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。


 
 

映画館に足を運んでもらうには?

 
僕は、これまで2本の映画を作ってきました。
 
えんとつ町のプペル』と『ボトルジョージ』です。
 
『えんとつ町のプペル』は原作がありますが、「連載されている漫画」でもなければ、「テレビで毎週放送されているドラマやアニメ」でもなければ、「NetflixやAmazonプライムで配信されているドラマやアニメ」でもないので、「オリジナル作品」という扱いで良い気はしていて、『ボトルジョージ』は問答無用で「オリジナル作品」です。
 
現在、3本目を作っているのですが、これも「オリジナル作品」です。
 
ちなみに、日本に限らず、世界的に「オリジナル作品」の興行成績はあまり芳(かんば)しくありません。
 
そういった状況の中で自分達のチームは「オリジナル作品をどう届けようか?」という危ない橋を渡っているので、日々、震えが止まりません。
 
映画館に足を運んでもらうにはどうすればいいのでしょうか?
 
1つの勝ちパターンとして「圧倒的に認知を獲得する」というのがあります。
 
「『少年ジャンプ』で連載されていて、テレビ放送もされている作品の映画化」はそりゃ強くて、その作品を認知している層の何割が映画館に足を運ぶかは分かりませんが、そもそも「作品を認知している人」が暴力的な数なので、パワープレイが成立しやすい。
 
かつて「テレビシリーズのドラマ化」はヒットの方程式として確立していましたが、近年はハズレることもあります。
 
「あの人気ドラマの映画化がコケた」というのがニュースタイトルとしてヒキがあるからニュースになりやすく、「テレビシリーズからの映画化」というヒットの方程式は終わりを迎えた感じがありますが…とはいえ、打率で言うと相変わらず高い。
 
『ミステリと言う勿れ』や、『TOKYO MER』や、『ドクターX』や、『グランメゾン・パリ』など。
 
作品としての面白さもさることながら、やっぱり「知られている」という強さは問答無用であるなぁという印象です。
 
そんな中、近年は「配信からの映画化」というアプローチも増えてきました。
 
YouTubeで話題の『ブレイキングダウン』が、『BLUE FIGHT』として映画化されたり、『推しの子』なんかはNetflixで話題を作った後に映画館で上映されたりしました。
 
自分のまわりにいる人間がYouTubeやNetflixを観ているから、『TOKYO MER』の映画化よりも、『BLUE FIGHT』や『推しの子』の方が耳には入ってくるのですが、Netflixの日本の登録者数が【1000万人】ということを考えると、やっぱり「認知」という点ではテレビが相変わらず強いイメージです。
 
『BLUE FIGHT』や『推しの子』は、そんなことは分かった上で、そこに風穴を開けようと奮闘しているわけですから、応援せずにはいられません。
 
 

大事なのは「ネットを使って、どの層に届けるか」

 
さて。
 
映画をヒットさせるには「普段、映画館に足繁く通っているわけではない層」にもリーチしなければいけないわけで、テレビ放送されたらそりゃ最高だけれど、そこは狭き門で、個人で仕掛けるとなるとやっぱり「ネットを駆使する」という選択になってくると思うのですが、大事なのは「ネットを使って、どの層に届けるか?」というような気がしています。
 
つまり、「ネットを使ってNetflixを観ている人に届ける」とか、「ネットを使ってYouTubeを観ている人に届ける」とかがあると思うのですが、その中で、個人的には「ここにアプローチするといいんじゃないかなぁ?」がありまして…それが「ネットを使ってイベントに足を運ぶ人に届ける」です。
 
「映像」という〝くくり〟のせいで、僕らは「映画」と「Netflix」や「YouTube」を同じカテゴリーに入れてしまっていますが、実は、「映画」と同じカテゴリーに入っているのは「イベント」や「ライブ」や「ミュージカル」なんじゃないかという仮説です。
 
今、『ボトルジョージ』というコマ撮り短編映画を『ボトルジョージ・シアター』という極めていかがわしい専用劇場だけで上映しているのですが(4ヶ月間毎日満席)、そこに足を運ばれる方は、「部屋で映像を観ている人」というよりも、「面白そうなイベントに参加する人」といった感じなんです。
 
『ボトルジョージシアター』では、「北海道から観に来ました」とか「韓国から観に来ました」という人がザラにいるんです。
 
映画館に足を運ぶ人ってコッチなんじゃないかと思っていて、テレビの場合は、そもそも視聴者の母数が多いから、「イベントに足を運ぶ人」を天然で獲得できているが、ネットの場合はターゲットを絞らなきゃいけないわけで…その時に「ネットを使って、イベントに参加する人」を狙うとか、あるいは、「ネットを使って、イベントに参加する文化を作る」というのが大事な気がしています。
 
映画は「映像コンテンツ」ではなくて、「劇場コンテンツ」で…たとえば、映画『えんとつ町のプペル』の続編の宣伝は、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の劇場や、幕張メッセの盆踊り会場で打つのが最も効果的なんじゃないか?という話です。
 
#映画のヒットに繋げる為には母数が少なすぎますが
 
 

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