見出し画像

毎週キングコングin日本人武道館のチケット発売の裏で起きていたこと

おはようございます。
堤下君のイメチェン(ヘアカラーを変えたよ)が完全に成功していることが悔しくて仕方がないキングコング西野です。
 
さて。
今日は『毎週キングコングin日本人武道館のチケット発売の裏で起きていたこと』という生々しいテーマでお話ししたいと思います。
#こういうのをリアルタイムで共有するの楽しいっす
 
最終的にはチームビルディングの話に着地しそうな気がしています。
 

チケット販売の裏で……
 

来年の2月28日に開催する『毎週キングコングin日本武道館』のチケットが、先週末に発売となりました。
 
★こちら→https://l-tike.com/play/mevent/?mid=621218

コロナ禍での大箱(5000席を超える会場)でのチケット販売&購入の煩雑さは、先日のVoicyで話した通りで、とにもかくにも大変です。
 
会場や時期によってルールはマチマチなのですが、今の日本武道館のルールだと「他人(一緒に来た人以外)とは一席空ける」や「並び席で買えるのは2席まで」というのがあったりします。
 
厄介なのが、このルールですら、コロナの状況で変わってしまう…というところ。
 
チケットを販売している途中に、「そこまでソーシャルディスタンスをとらなくてもイイっすよ」というお達しが政府からきたりします。
 
その時は、チケットを追加で販売することになるので、場合によっては、座席の並びをゼロから組み直さなきゃいけないこともあります。
 
とにかく「大変」なんです。
 
そんな中、『毎週キングコングin日本武道館』のチケットが(先週の土曜日に)発売されたわけですが、実は、チケット発売の裏で様々なゴタゴタがありました(笑)。
 
まずは「ローチケで『キングコング』と検索しても、販売ページが出てこない問題」。
 
これに関しては「オフィシャル先行(※まだ一般発売ではない)って、そういうものだよ」というところなのですが、その情報がチームに共有されておらず、少しだけワタワタ。
 
幸い、武道館イベントの告知は僕のVoicyとキングコングのYouTubeチャンネルでしかしていなかったので(=Voicyリスナーとキングコングのチャンネル登録者さんが見込み客なので)、VoicyとYouTubeチャンネルの方で、「オフィシャル先行のリンクを共有する」という形で切り抜けつつ、ローチケさんに対して、「オフィシャル先行だけど、一般の方も検索できるようにしてください。年末休みに入るまでに!」という鬼交渉。
 
「明日(日曜日)は営業はお休みで、明後日(月曜日)が年内最後の営業になるのですが…」と返ってきたので、「ならば月曜の朝イチで対応にあたっていただいて、月曜日中にシステムを変更し終えてください」とお願いする西野先生。
“問答無用”とはこのことです。
#嫌われろ
 
「検索問題」に関しては「なんとかする」という方向で話がまとまったのですが(無事成功したので、今は検索できます!)、もっと厄介だったのが、あらかじめ用意しておいた「一人席」と「二人席」の“割合”の問題です。
 
「他人とは一人席空けなきゃいけない」という武道館のルールだと、たとえば10個の椅子を「一人席」で埋めようと思ったら、合計5席しか販売できません。
 
だけど、10個の椅子を「二人席」で埋めるなら、「二人席×3枠」+「一人席×1枠」なので、合計7席販売することができるんですね。
 
10席で、二人分の差が出てくるんです。
単純計算すると、5000席だと、1000人分の差が出てきます。
仮にチケット代が1万円なら、売り上げに1000万円の違いが出るわけですね。
なので、運営からすると、なるべく「二人席」を売りたいところです。
#友達を誘って一緒に来てくれるのが嬉しい
 
…という様々な事情を踏まえた上で、チケットのアレやコレやに関してはイベント会社さんにお任せしていたのですが、蓋を開けて見ると、用意されていたのは「一人席」が2割で、「二人席」が8割。
 
このままだと、「一人席」が完売したら、「もうキングコングのライブは、一人では参加できない」ということになってしまいます……そして、「一人席」はソッコーで完売しました。
#秒殺でした
 
もちろんイベント会社さんは1ミリも悪くなくて、イベントのこと(主催である僕らの会社のこと)を考えてくださった上での「一人席=2割、二人席=8割」という判断だったのですが(ちなみに先月のサーカスは、もっと一人席が少なかったよ)、結果的に「一人席」はチケット販売開始直後に完売。
 
「キングコングの武道館ライブは、一人では参加できない」という状況になってしまいました。
「読みを誤った」といったところでしょうか。
#僕の責任です
 
しかし、ここからが腕の見せ所。
 
「一人席」のチケット完売の3分後に緊急のZOOM会議が開かれ、秒速で状況を確認します。
 
せっかくなので、こういう緊急時の僕らの「会議の進め方」を皆さんに共有します。
それはビックリするぐらいシンプルで、僕らが確認(会議に参加しているスタッフに共有)することは以下の二つ。
 
① 絶対に覆せないものは何か?
② 頑張れば覆せる可能性があるものは何か?
 
会議の無駄を省く時には、特に「1」の共有が大事です。
「1」に関しては、どれだけ話し合ったとことで変わらないので、もうこれ以上、話し合わないどころか、「1」に感情を使うこと(感情を奪われること)も全員で一斉に辞める。
「議論しない事柄を決める」といったところ。
 
今回の場合だと、「他人(一緒に来た人以外)とは一席空ける」や「並び席で買えるのは2席まで」といった条件は、ローチケさんや、イベント会社さんが設けたルールではなく、武道館が定めたルールなので、覆せません。
なので、会議では、その条件に対して「なんだよ、そのルール」みたいな文句タイムを1秒も設けない。
 
次に「頑張れば覆せる可能性があるもの」をリストアップ。
 
「用意していた『二人席』をバラして、『一人席』として売ることは可能なのか?」
「可能だとしたら、『一人席』の再販は月曜日中(年内)にやれるか?」
「運営の方で、二人席を“並び(二人席+空席+二人席)”で事前に確保しておいて、『4人席(間に一席の空席が入る)』を販売することは可能か?」
「可能だとしたら、どの販売サイトで販売できるのか?」
「それは、月曜日中(年内)にやれるか?」
 
…といったことを高速で詰めていきます。
この調子でやれば、会議は7〜8分で終わって、あとの時間は作業&交渉に充てます。
 
そうして、土曜日の夕方に発生したトラブルは、月曜日(年内)には無事に解決していました。
 
 
さて。
 
話は、ここからなのですが(今日は少し長くてごめんなさい!もうすぐ終わります!)…今、お話ししたことって、担当しているスタッフ(※今回は僕や田村P)次第では「ああ、そうなんですね。一人席を2割で出しちゃって完売しちゃったから、あとは、二人席を頑張って売るしかないんですね。一人席の機会損失に関しては、しょうがないんですね」で終わらせてしまうんです。
 
「いやいや、なんとか可能性があるだろう?」と、食い下がるスタッフと、食い下がらないスタッフがいる。
 
「食い下がるか否か」によって、チームの利益が大幅に変わってくるので、チームとしては当然「食い下がるスタッフ」がいた方がいいわけで、これに関しては、そのスタッフが、携わっているプロジェクトや、チームを愛しているかどうか?に尽きます。
 
生々しい言い方をすると、「チームの為に怒れるか?」という。
 
トップダウン型(これ自体は悪くない)で、スタッフを兵隊のように働かせているチームには、こういった緊急時の「ねばり」が生まれないので、どうしても弱くなる。
#リアルに売上が下がる
 
チームリーダーが「チームの利益を最優先に考える人」だというのならば、その仕事は、「スタッフに、チームや、プロジェクトを愛してもらうように持っていくこと」「怒りが生まれるほど愛してもらうこと」で、ここは絶対にサボっちゃダメだよなぁということを自戒を込めて記しておきます。

現場からは以上でーす。
 
【追伸】
オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、西野亮廣が手掛ける最新のエンタメビジネスに関する記事を毎日2000文字~3000文字投稿しております。興味がある方はInstagramのプロフィール欄から。
 

▼西野亮廣の最新のエンタメビジネスに関する記事(1記事=2000~3000文字)が毎朝読めるオンラインサロン(Facebook版)はコチラ↓

このnoteは2021年12月29日のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』への投稿をもとに作成しています。

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?