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世界で唯一の短編映画専用劇場が登場!15人だけが味わえる贅沢な夜【キンコン西野】

このnoteは2024年10月21日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。


 
 

『移動時間』と『上演時間』のバランス

 
オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』のメンバーさんや、Voicyのプレミアムリスナーさんには少し前にご案内させていただいていたのですが、「表」では(世間一般的には)まだお話しできていなかったので、あらためて、ご案内&御説明させていただきたいと思います。
 
結論から先にお伝えすると、先の札幌国際短編映画祭で「アニメーション特別表彰」と「最優秀作曲賞」を受賞したコマ撮り短編映画『ボトルジョージ』が365日毎日上映される『ボトルジョージ・シアター』という常設小屋を作りました。
 
コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』を観るためだけの、いわゆる「専用劇場」というやつです。
 
※コチラ↓

「1本の短編映画の為だけに専用劇場を作る」というのは世界でも類を見ないアプローチだと思うのですが、僕としては「1本の短編映画の為だけに専用劇場を作らないと、短編映画を届けきれない」という考えがありまして……そんなわけで、ここからは「なんで、短編映画の専用劇場なんてものを作ったのか?」の説明をさせていただきます。
 
 
まず、「あらゆる劇場型エンターテイメントは『移動時間』と『上演時間』のバランスの上に成り立っている」という前提があります。
 
劇場まで片道8時間かかってしまうエンターテイメントの上演時間が10分しかなかったら、やっぱりお客さんは足を運ぼうとは思わない。
 
これ、ポイントは移動時間に対して、上演時間が短すぎてもダメだし、長すぎてもダメなんです。
 
これは密着ドキュメンタリー『BackStory』の最新回でもお話しさせていただきましたが、作品の「長さ」というのは本当に気をつけなきゃいけなくて、特に、東京や大阪やニューヨークといった観光地で仕掛けるエンタメで「時間が長い」は今はちょっと危なすぎる。
 
東京近郊にお住まいの方の中には、東京で展開されるエンタメの長さには少し麻痺されている方もいらっしゃるかもしれませんが、【兵庫県川西市の家族連れ】からすると「東京に行く」というのは一生に一度あるか無いかの大旅行で、せっかく東京に行くなら、東京タワーも登りたいし、浅草の浅草寺にだって行きたい。
 
そんな中、ミュージカルで「3時間〜4時間」とっちゃうと、東京タワーや浅草寺を諦めなきゃいけなくなる。
 
東京近郊にお住まいの方からすれば「また今度来りゃいいや」かもしれませんが、子供を3人連れて飛行機や新幹線に乗って、遠路はるばる東京に来られるご家族に「また今度」は(時間的にも、お金的にも)無いんです。
 
これはニューヨークでも同じようなことが起きていて、今「長い芝居」の客席には、地元の爺ちゃん婆ちゃんしかいないんです。
 
だって、せっかく観光でニューヨークに行ったら、とりあえずエンパイア・ステート・ビルに登って、タイムズスクエアの前で写真を撮って、セントラルパークをジョギングして、自由の女神とか観ときたくないっすか?
 
劇場型のエンターテイメントにお客さんを呼ぶ時に運営側がやらなきゃいけないことは「上演時間内の責任をとる」だけじゃなくて、「お客さんの1日をコーディネートしてあげること」で、「旅のスケジュールを乱してしまうようなエンタメ」は今かなり分が悪い。
 
あと、これはウチのスタッフに強く言っていることですが、現代日本で「長い芝居」をする時の最大のリスクは「膀胱問題」で、高齢化社会というのは「トイレが近くなる社会」のことなので、「オシッコ、我慢できるかしら…」という不安を与えてしまうエンタメは客足が遠退いて当然です。
 
これは僕の主観でもなく、流行り廃りの問題でもなく、避けて通ることができない物理的な問題です。
 
個人的には劇場型エンタメは80分〜100分が適当かなぁと思っていますが、最近だと58分の映画『ルックバック』のヒットもあって、「1時間ぐらいが嬉しい」という層も増えています。
 
ちなみに、ニューヨークで若者や観光客の取り込みに成功しているミュージカル『SIX』は一幕モノで、上演時間は80分です。
 
終演後にご飯に行く時間があるので、すっごく行きやすい作品です。
 
 

『ボトルジョージ』誕生の地を専用劇場に

 
「移動時間に対して、上演時間が長すぎてもダメだし、短すぎてもダメで、さらには時代によって、移動時間と上演時間の比率のニーズが変わってくる」といったところなのですが、「14分の短編映画」はどの時代であろうと、移動時間に対して上演時間が短すぎて、このまま既存の映画館で上演したところで、よっぽどのモノ好きだけが集まって、さして広がりを作らないままフェードアウトするなぁと思いました。
 
「せめて1時間ぐらいのパッケージにしないと」と思って、「後半45分は西野亮廣のトークショー」という手も考えたのですが、それだと「西野亮廣が稼働しないかぎりボトルジョージを届けられない」という地獄モードに突入しちゃうので、それはできない。
 
そんなこんなで本当に色々と考えた結果、辿り着いたのが『ボトルジョージ・シアター』で、これはどこに作ったかというと、都内某所(五反田)にあるスナック『CANDY』というお店のオープン前の時間を『ボトルジョージ・シアター』とさせてもらったんです。
 
これだけ聞くと「え? スナックで映画? なんか安っぽくない?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、スナック『CANDY』は、皆さんがイメージされている「いわゆるスナック」ではなくて、バカみたいに内装費をかけて、世界観からバキバキに作り込んだスナックでして、ここに夜な夜な時の起業家やクリエイターが集まって、あれやこれやと「よからぬ企み」をしている「あらゆるプロジェクトの始まりの場所」なんです。
 
実は『ボトルジョージ』の堤監督と初めて出会った時も、このスナック『CANDY』で語り合って、このスナック『CANDY』で「一緒に面白い作品を作りましょう」と約束をしたんです。
 
つまり『ボトルジョージ』誕生の地なんです。
 
堤監督との歴史がある場所であり、「酒瓶に入ってしまって、出られなくなってしまった変な生き物の物語」を見届けるには、この上ない場所で、しかも、「上映後にそのまま、そのスナックで2~3杯呑んで帰る」というエンタメがあれば、移動時間に対して、提供しているサービス時間がドンズバで合っていて、専用劇場を作るならここしかないと思い、『ボトルジョージ・シアター』を作りました。
 
『ボトルジョージ・シアター』は1年365日毎日18時半からやっていて、住所は非公開。
 
チケットを購入した人にだけ住所が送られてきます。
チケットは1000円で、定員は1日15名。
 
頑張ればもう少し入れることができるのですが、ゆったりハイボールでも呑みながら観て欲しいなぁと思いまして、1日15名を上限とさせていただきました。
 
「1日15人しか観ることができない映画で、どうやってマネタイズするの?」といった疑問に関しては、オンラインサロンやVoicyのプレミアム放送で話させてもらっているので、そちらでご確認ください。
 
そこにもオモロイ仕掛けを施してあります。
 
そんなこんなで本日より『ボトルジョージ・シアター』オープンです。
 
さすがに今日の分のチケットはもう売り切れちゃっているのですが、毎日やっているので、どこかで必ず観れます。
 
是非、『ボトルジョージ・シアター』で検索して、チケットと住所をゲットして、呑みがてらお越しください。
 
専用劇場でお待ちしております。
 
 
 
※コチラ↓

 
 

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