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「ダウンタウン」と「劇場」が生んだ村社会【キンコン西野】
このnoteは2025年1月4日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。
当時、ダウンタウンさんの影響は大きかった
土曜日なので、昨日配信された『BackStory』(密着ドキュメンタリー)の振り返り&裏話をしたいと思います。
バッチバチにネタバレを含みますので、まだ昨日の最新話をご覧になられていない方は、先にコチラをご覧ください。
【芸人からの凄絶な嫌がらせ】「相当キツかった…」
昨日は、去年、吉本興業を退所したエハラマサヒロ回でした。
「当時のエハラがどんな目に遭っていたか?」、また、「当時の若手お笑い芸人業界がどれだけ陰湿だったか?」は、昨夜の動画でも、昨日のVoicyでもお話しした通りなのですが、「陰湿」という言葉で片付けてしまうと少し安っぽい気がしていて…どちらかというと、当時は「ダウンタウンさんみたいなことをしている芸人はOK! ダウンタウンさんみたいなことをしていない芸人はアウト!」みたいな感じでした。
(注:「なかやまきんに君」を除く)
なので、たとえばロンブーの淳さんのビジュアル系バンドとかに対しても、淳さんよりも芸歴が上の芸人は陰でガタガタ言ってました。
「アイツ、イタイなぁ」みたいな感じで。
繰り返しますが、それが当時の僕にはもう本当に不思議で仕方なくて、自分と違うアプローチをする人が目の前にいたら、「それもいいよね」「なるほど、そういう面白がり方もあるんだ」と(芸人は皆)なるもんだと思っていたら、皆、口を揃えて「イタイわぁ〜」と言っていて…でも、それぐらいダウンタウンさんの影響というのは大きかったのだと思います。
「劇場」というシステムが芸人の「右にならえ」を加速させていた
今、このラジオを聴いてくださっている方は、「自分の人生だし、好きなようにやればイイじゃん」「芸人さんなんだから好きにやればイイじゃん」「いろんな人がいてイイじゃん」と思われているかもしれませんが、そうはいかないのが当時の若手芸人業界で、まず、当時の若手芸人って活動の場所が「劇場」しか無いんです。
YouTubeとかTikTokとか無いんですね。
そして、100〜200キャパの劇場を一人で埋められるほどの人気もない。
そのサイズの劇場でライブをするには、10組〜20組の芸人が出演することになるんです。
なんとなくイメージがつきますよね。
全芸人が1組ずつ「ネタ」をやっていって、途中や最後に全員参加のゲームコーナーやトークコーナーがある。
ここが本当に厄介で、「ネタ」に関しては自己完結でいけるのですが、ゲームコーナーやトークコーナーは団体芸でして、まず、先輩に嫌われていると話を振ってもらえないんです。
話を振ってもらえないから、仕方ないので自分からグイグイ出ていったら、それはそれで今度は「MCの先輩にスカされる」みたいなことがある。
エピソードトークを途中で潰されることもある。
そこは団体芸なので、そこと馴染まないと生きていけなくて、「先輩のコンパをセッティングするところまでが芸人の仕事」みたいな世界で、ここは心底クダラナイと思いました。
今だったら「そんなことしなきゃいけないぐらいなら、劇場なんか出ずにYouTubeやるわ」という選択肢がありますが、当時は、無かったんですね。
なので、今考えると、あの「劇場」というシステムが芸人の「右にならえ」を加速させていたのだと思います。
その類の傷は、表現者を色っぽい場所に連れていってくれる
エハラマサヒロはちょうどその時代に生まれた芸人だから、昨日の動画でも「思い出したら泣きそうになってくる」と言っていましたが、今でも消えない傷はあるのだと思います。
でも、本人はそれを望んでいないかもしれませんが、幸か不幸か、その類の傷は表現者にとっては「才能」で、それこそ例えでよく言っていますが、『えんとつ町のプペル』という作品が生まれたのは僕が日本中から石を投げられた経験をしたからであって、もし僕が悠々自適に今まで生きていたら、あんな作品は生まれませんでした。
プペルが生まれなければ生まれなかったで、別の世界線があったと思いますが、でもそれは、今日のような「海外で活動できるような世界」ではなかったように思います。
『もののけ姫』に登場した主人公のアシタカも「呪い」みたいなものを受けてしまうから、村を出ざるをえなくなり、冒険が始まり、他の誰とも違う人生を歩んだじゃないですか?
あんな感じで、「傷」や「呪い」や「追いやられる」というのは、結果的には、表現者をとても色っぽい場所に連れていってくれるなぁと思います。
エハラも追いやられた先で、しぶとく生きていたら、宮本亜門さんに見つかったわけで。
そう考えると今の時代の芸人さんは「村から弾かれる」とか「追いやられる」というのはあまりなくて、全部、自分達で活動内容を決められてしまうから(今の自分ができそうなことをやってしまうから)、それはそれで、当時の芸人には無い次の「苦しさ」は待っていそうですね。
いずれにせよ、あの痛みを耐えてくれて、今、いろんなエンタメを作ってくれているエハラマサヒロには感謝と尊敬しかないし、今年の夏、彼が3万人の前で活躍する姿が楽しみでなりません。
ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の第3弾チケットは来月発売開始です。お見逃しなく!
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