エンタメにデータが必要な3つの理由。
こんにちは。
エンタメをデジタルで盛り上げる会社、Ental代表取締役の平嶋です。
前回の記事では、自分の経歴と共に
「エンタメ×デジタル」を仕事にしようと思った背景をお伝えしました。
今回の記事では、そこにニーズの観点を加えて
「エンタメビジネスにデータが必要」だと考える理由を解説していこうと思います。
前提:事業の3要素
本題に入る前に。
前回の記事では、平嶋の
やりたいこと=エンタメ
得意なこと=デジタル
を熱烈にアピールしました。
ですが、当然その2つだけではお金は生まれません。
企業や個人が必要としているか、という
「市場から求められていること」
を満たしている必要があります。
「やりたいこと」「得意なこと」は
自己分析から答えが見つかるものですが、
「求められていること」の答えは自分の外側にあります。
ここからは、弊社のターゲットとする「エンタメ業界」に的を絞り、
エンタメ業界がデータを求める理由について詳しくお話していきしましょう。
1.エンタメのデジタル化
エンタメを作る現場も、エンタメを楽しむ環境も、すべてデジタルがスタンダードとなりました。
例えばデジタル作画ソフトで作られたアニメが、スマートフォンやネット接続されたテレビで視聴されるようになったり。
いままでアナログだったものがデジタルに置き換わっただけではなく、
デジタル時代に新しく生まれたジャンル(例:VTuber、メタバース)
も存在します。
アナログとデジタルの違いはいろいろありますが、特筆すべき点は
「データが取得しやすい」
という点です。
ユーザーの行動ログや性別などのデモグラフィック情報、そしてコンテンツそのものさえもが、ビット情報として取得・蓄積されていきます。
それらのデータを集計・分析することで、
今まで感覚でやっていた施策立案を信頼性高く行えたり、
把握を諦めていたKPI指標を可視化できたりと、
戦略立案や施策実行に必要な示唆を根拠付きで出せるようになります。
もちろん、今までエンタメ業界のエースたちが磨いてきた嗅覚は今後も非常に重要です。
彼らの感性を最大限リスペクトし、その裏付けを行ったりスピード感をあげたりすることが、
エンタメ業界におけるデータの理想的な使い道です。
「Data is the new oil.」という使い古された言葉のとおり、
今まで埋もれていたデータを掘り出して活用できれば、コンテンツの新たな価値を創出できるかもしれません。
2.コンテンツ消費サイクルの短縮化
10〜20代は、TikTokやinstagramのストーリーズといったショートコンテンツをよく視聴します。
この潮流が一時的なものではないとしたら、
これからの時代、エンタメを次々消費する「ファストエンタメ」が流行るはずです。
例えば30分×12話のテレビシリーズがあったとして、
3話まで観ないと全ての魅力が伝わらないような作品は途中で切られてしまうかもしれません。
インストールまで10分かかるソーシャルゲームは、飽きてプレイするのを途中でやめてしまうでしょう。
このように、若年層の短すぎる集中力の合間を縫うような、
すぐに興味を惹きつけるコンテンツが必要とされることになります。
幸い、コンテンツの消費スピードが増えるということは、コンテンツの利用データが数多く蓄積されるということ。
どんなコンテンツがどのセグメントに刺さるのかを分析し最適化することで、若年層の興味の奪い合いを制することができるはずです。
3.人手不足
昔から、エンタメ業界は長時間労働が常態化しています。
自分の周囲でも、過労で心身を病んでしまうエンタメ人材が数多くいます。
その背景には、
モチベーションの源泉が自分の「好き」なので、いくらでも働ける
「数打ちゃ当たる」の文化が根強い
というエンタメ業界独自の風土があります。
そんな風土とは裏腹に、巷では労働環境の整備が叫ばれています。
また少子化に伴って労働人口が減少していくこと、日本の実質賃金低下に伴ってオフショアが割高になっていることなどから、
エンタメ業界の人手不足はさらに加速すると考えられます。
そんな人手不足の救世主となりうるのが、データなのです。
データの活用により、今まで人手で行っていたタスクの短縮化、属人化の解消、有用な施策の絞り込みを行うことができ、
工数削減だけではなく予算の最適化まで実現可能です。
サステナブルな事業運営を行うためにも、
データをうまく活用するべきです。
エンタメに改善の文化を根付かせるべき
今まで挙げたデータ活用ケースに共通するのが「改善」という概念です。
コンテンツごとにチームが立ち上がるせいでPDCAを行う文化が生まれにくく、
ウケそうなアイデアをゼロから生み出しがちというのが、エンタメ業界の課題だと感じています。
ですが、コンテンツ数の増加による競争の激化と労働力減少という2大課題を抱えた今、
過去の取り組みを共有し振り返る取り組みが重要になってきます。
その振り返りを行うためにはデータが欠かせません。
日本のエンタメの未来のために、データを積極的に活用できる環境の整備を推し進めていく所存です。