総合旅行業務取扱管理者試験に合格しました - 感想と個人的に思った海外旅行実務科目に関するいろいろ
みなさんこんにちは!えんせきと申します。
この記事では先日合格発表となった令和6年度の総合旅行業務取扱者試験に、全科目受験形式(受験区分A)で合格した1個人の思う「海外旅行実務」科目の勉強法やら思ったことなどについて雑多に書き綴ってみたいと思います。
ちなみに、僕は海外旅行実務は149点でした。結果的にずぬけた高得点というわけではありませんが、他にダメな問題が数問あっても合格は十分可能であった点数であったと思います。そんな1個人の雑感を述べていきたいと思います。
本記事が対象としている方とご注意
この記事が対象としている方は
・これから総合旅行業務取扱管理者試験(orその中でも海外旅行実務)の勉強を始めようと思っている方
・海外旅行実務科目の勉強方針について考えていらっしゃる方
です。
最初に断っておきますが、この記事は僕の完全なる独断と偏見によるものであり、僕はこの試験の専門家でも予備校関係者では一切ありません。あくまで僕が勉強する中で得られた感触、そしてそういう感じ方をした人間が1人合格しているという事実が存在するに過ぎませんので、あらかじめご了承ください。
そして、この記事の内容に起因した損害について一切責任を負いかねますことを、最初に申し上げておきます。ぶっちゃけ、再現性のない内容や万人向けではない記載もあるかもしれません。
もしその中でも何かしら1つでもお役になることがあれば幸いです。
使った教材
まずはじめに、僕は「YouTube動画」と「市販のテキスト」で合格に至れました。
順を追って紹介していきたいと思います。
・旅行管理者講座on YouTube
個人的に間違いなく一番お世話になった教材&動画です。能城幸夫先生が運営されているYouTubeチャンネル(動画集)で、今回は話題に挙げていませんが、これだけで業法・約款・国内旅行実務はほぼ網羅できるものと思います。
海外旅行実務は動画数が限られていますが、後述する暗記が中心となる通関業務関係が公開されているのが大変ありがたい限りです。航空運賃も初学者には大変参考になります。
・ユーキャンの国内・総合旅行業務取扱管理者 速習レッスン (下記は2024年版)
いわゆるテキストとして中心にそえたものです。とはいえ、この本がベスト!という具合で選んだのではなく、本屋さんで「1冊で完結できる本がイイナー」「ユーキャンだから安心できるよナー」と思って何となく選んだ感じです…w
他の旅行業法・約款・国内旅行実務の科目ももちろん掲載されています。これ1冊で十分に本試験に太刀打ちできるものと思います。
・ユーキャンの旅行業務取扱管理者<観光資源(国内・海外)> ポケット問題集&要点まとめ
海外観光地理の対策本です。僕は大変にこの分野が苦手だったので大変に助けられました…。
上記の速習レッスンにも観光地理は記載されていますが、(もちろんテキストというものの体裁上、仕方ないのですが)観光資源の羅列になってしまっている感は否めません。この本はタイトルにあるように問題集&要点というスタイルをとっているので、効率的に演習を進められます。
そして、何よりありがたいのがすっげぇ過去の問題も掲載されているということだと思います。この試験はおおむね過去問5年分をやることで太刀打ちできると思うのですが、この科目だけは全くそうはいかないものだと思っています。
・ユーキャンの総合旅行業務取扱管理者 過去問題集 2024年版
これは、この本に乗っている問題を解く、というよりは、後述する公式サイトの過去問を全部解くうえで分からなかった問題の解説として参照した意味合いが大きです。当然と言えば当然かも知れませんが、最近の問題が重点的に掲載されているので、(確認はしていないのですが)おそらく僕が過去問を解いているときに解説が欲しいなぁと思った問題で載っていなかった問題はほぼなかったと思います。
・公式サイトの過去問
そして忘れてはならない公式サイトの過去問です。過去5年分をDLしました。
基本的には使った教材はこれだけです。
海外旅行実務科目の概覧
さて、すでにご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、改めて海外旅行実務科目の試験の内容と合格の条件を見ておきたいと思います。
海外旅行実務科目は200点満点で、ここ5年はいずれも120点以上で科目合格となります。
そして、表記はテキストや予備校によって若干異なるものの、内訳は概ね
・「航空運賃」
・「出入国法令」
・「語学(英語)」
・「海外観光地理」
・「旅行実務等」
の5分野から構成され、それぞれ40点満点となっています。
そして、「海外観光地理」以外の問題はいずれも1問5点の8問構成で、「海外観光地理」は1問2点の20問構成です。
いずれの分野も必須となる最低点数、いわゆる足切り得点はなく、極端な話をすれば3分野満点(40点✕3)で、他2分野が0点でも合格することができます(少なくともここ5年は)。
めっちゃ大切な2つのこと
ここで、1つ抑えておきたいのは「他人の出来具合によって合格基準が変わることはない」「自分さえ120点とればいい」ということです。少なくともここ5年は、ですが…!
そして、そこから導き出されることとして、海外旅行実務、もっと言えば総合旅行業務取扱管理者試験に限った話でもありませんが「配点を意識した対策がめっちゃ重要」だと思っています。
ここでいう配点を意識する、というのは「コスパの良い分野を重点的に勉強する」ということです。いわゆる、記憶すべき量が少なくて済む割に必ず出題される問題、毎年出題される配点が高い問題、そして何より得意な問題などを優先すべき、という意味合いです。個人的にこれに尽きると思っています。
もちろん、旅行業法科目や約款科目でも「この部分からは◯問出る」という大体の傾向があり、力を入れる部分、そうでない部分を意識するのは大切かと思います。とはいえ、結局はそういったもののどれも肝要なのは理解の上での暗記であり、この基本方針は揺らがないと思います。
しかし、海外旅行実務はそうはいきにくいものだと思います。大問ごとに全く毛色の違う問題が並び、そしてその問われる深さにもかなりの差があると感じています。それゆえ、個人的には「捨て問を作ってしまってもいい」と思っています。後述しますが、実際僕もいくつか捨て問を決めており、偶然にも正解してしまった問題がありますが、仮にこれらが全部不正解でも合格基準は満たせていました。
もし、他人の出来によって合格点が上下する、いわゆる相対評価の試験だと、なかなかそういうわけにもいきません。もちろん捨て問分野を作ったら絶対ダメ!というわけではありませんが、その捨て問分野がしっかり学習している人にとっては典型問題で得点源となる問題だったら…?一気に不利になってしまいますよね。
そして、この方針を決めるために「過去問めっちゃ大事!」だと思えました。
先述の海外旅行実務の問題ごとの知識の深さの差や温度差は、過去問を何年分かやると掴めてくるような気がしました。また、設問ごとに慣れが必要な問題もありますが、これも繰り返すことで着実に流れがわかるようになってきました。
では、どれだけやればいいのか?もちろん、過去問は遡れれば遡れるほど効果的な気もしますが、少なくとも僕自身は観光地理以外はほぼ過去問5年分のみしかやっていません。それでも合格できました。
ということで、
・「配点を意識した対策がめっちゃ重要(捨て問作っていい)」
・「過去問5年分をしっかりにやり込む」
が大切だと強く感じています。
最初にやるべきと思うこと
さて、これらを踏まえたうえで、実際に合格してみて振り返ってみると、(自分自身がそうできたわけではないのですが、)海外旅行実務の勉強を始めるにあたって1つ思ったことがありました。
それは、何も海外旅行実務の勉強をしない状態でも一向に構わないので、まず
公式サイトの過去問の「語学(英語)」問題を解いてみるのがベスト
だと思った、ということです。
というのは、この問題、全くのノー勉でも解ける方はおそらく6,7問、果ては全問解けてしまえるものだと思います。これは全くの個人的な意見なのですが、内容自体は共通テストor大学入試センター試験の広告や掲示を題材にした問題に非常に近いものと感じました。ツアーの英語広告を読み取って、代金を計算したり、規約の正誤を判定するみたいな問題ですね。アレに非常に近いものだという感触を得ました。
おそらく、あの形式に慣れており、概ね安定して正解できていた方なら、ぶっちゃけ対策は過去問5年分のみで他に不要なのではないかと感じました。
僕がそういう状況でして、ノー勉で過去問では6〜7問を安定して正解できており、実際に本番でも7問正解できました。
先述した「配点を意識した対策」という意味でも、安定して6問以上(30点以上)取れるというのは非常にアドバンテージに感じます。
逆に、これは僕がそうでなかったという意味では全く根拠がなく、無責任な発言になってしまうかもしれないのですが、全く解けない、かなり厳しい、という方は他の分野を固めたほうがいいのではないかと感じました。
勉強法については、、、、無責任なこと言いたくないので今回は割愛させていただきます…!すみません。
各分野で思ったこと雑記&書き殴り
ここからは各分野で思ったこと&雑記などの書き殴りをしたいと思います。
航空運賃
個人的には試験全体を通じて最も慣れが必要な分野だと思いました。逆を言えば、解答の手順を覚える、という点を除いて暗記するべきことは非常に少なかったと感じます。
解き方に関しても、特段裏技的なものを述べることはないと思います。能城先生の動画がよい教材だと思います。
ただ1つ思ったのは「本番で焦らない」に尽きると思います。細かい条件を見落としたり、たくさんある表を見間違えたり…。
これらの条件見落としに気づく方法として「すべての選択肢の違いを評価する」というのが有用に思えました。
例えば、運賃表に直接記載のない料金が選択肢にあれば「なんでこんな選択肢が出てくるんだ…?」となり、アッドオン運賃に気づくことができるかもしれません。折り返し地点ではない行き先の運賃が適用されていれば「これはHIPチェックなのでは…?」と気づくことができるかもしれません。
しかし、最初からすべての選択肢を吟味していたのでは時間が足りないと思います。まずは一通り自分の思う解答で埋めてみて、余裕があるようであればやってみる、くらいでいいと思います。
出入国法令
ここは旅行業法や約款と同じく、暗記科目だと思います。また内容としても、過去問を見ても感じられるように、同じような論点が同じように繰り返し問われているような気がします。暗記量も他の分野より異常に多いとも言えないと思えました。ということで、個人的にはこの分野は特にしっかりと対策をし、得点源にすべき分野だと思えました。
なお、僕自身は結果的には7問正解することができました。
観光地理
個人的な鬼門でした…w
僕は日本国内は47都道府県に訪問済みでして、ある程度の観光資源は把握できていると思うのですが、海外旅行は1回しか行ったことがなく…w
「世間的にはそんなん常識やろ!」というような有名な史跡や観光地も知らないという有り様でした。
そして、この分野は先述の通り「直近5年分の過去問」が一番役に立たない分野だと痛感しました…。これは「直近5年分では足りない(もっと前から遡らなければならない)」という意味でもありますし、「今まで全く出題されなかった地域から出題される」という意味でもあります。
ということで、この分野の対策はめっきり先述したテキスト、ユーキャンのポケット問題集&要点まとめを繰り返すことでした。この問題集はかなり過去の問題も載っていますし、問題の周辺の知識もサラッと勉強できます。
この問題集を解きつつ、解答の観光地をネットで深入りしすぎず軽く調べる。この繰り返しでした。
そして、これは完全に個人的に感じたこととして
・「ヨーロッパ・アジア・北米(ハワイ含む)」の出題率が非常に多い!
・オセアニアは出題数は少ないけど「オーストラリアは地域(州)と観光地の結びつけ」「ニュージーランドは北島と南島のどっちのどこらへんにあるか」を覚えれば結構イケる
・「アフリカ・南米」は出題数は少ない。ただ、アフリカはパターンは国立公園とかエジプトとかおおむね決まっている気もする。南米はホントきつい。
という具合でした。
他の方のnoteやYouTube動画を見ても、直近の過去問を見てもやはりヨーロッパ・アジア・北米(ハワイ含む)が大部分を占めているようです。なれない言語や地名もたくさんありますが、ここは踏ん張ってやらざるを得ないと思います…!
旅行実務等
ここはできる範囲でやるのが大切だと思います。
とりあえず、時差やMCT、航空時間の計算は典型パターンものだと思いますので落としたくない問題です。しかし、ここでのクセモノは「問題が都市名のみで記載されているので、どこの国か分からないと詰む…!」ということです。計算方法がわかっても、時差表のどの国のどの区分なのかがわからないと詰みです。お恥ずかしながら、僕は過去問演習でもレイキャビクとかアブダビがどこの国なのかわからず撃沈しまし…w 結果的には消去法で正解できましたが、令和6年の本番のフェニックスもどの国の都市なのか全くわかりませんでした…w
そして更に厄介なのが、都市名を取り扱う問題が複数の問題(しかも1問5点)にわたっているということです。ということで、都市がどこの国なのか、そして都市の3レターコードはしっかりと覚えることが肝要と思います。
このほかは、ユーキャンの速習テキストにあるクルーズ用語とかホテル用語とか代表的な鉄道とかをおさえておく程度でいいのではないかと思います。
とにかくこの分野はアホみたいな難問も出題されますので「できるところを落とさない」が特に重要になってくる分野だと思えました。いや、どの問題もそうといえばそうなのですが、ここは特に「諦めるのが肝心」だと思いました。
優先順位は
ということで、個人的にはしっかり仕上げたほうがいいと思えた優先順位は
・「出入国法令」>「航空運賃」>「旅行実務」の定番慣れ問題>「海外観光地理」>「旅行実務」の知識問題
・別枠:「語学(英語)」
かと思えました。
なお、ここでいう優先順位は勉強する順番ではなく、本番までにしっかり仕上げたほうがいいと思えた分野です。実際、僕は出入国法令の学習の開始が一番遅かったです。
捨てた分野
お恥ずかしい話ですが、僕はいわゆる"捨て問"を作りました。しかも3分野もw
1つ目は先述しましたが「航空会社の2レターコードとアライアンス」です。この問題はここ数年では必出問題であり、そういう意味でも勉強しなければならない内容とは思えるのですが…都市名や都市コードとは違い、1問しか出題されません。個人的には「これめっちゃたくさん覚えても5点だしなぁ…」となってしまっておりました…。
もちろんお好きな方、得意な方は是非得点源にしていただきたいのですが、僕はどうも暗記というのが大変に苦手なようで、かつ勉強してても楽しいと思えず捨てました…w
実際の本番の試験でも「正しいものをすべて選べ」だったところ、見事に「誤っているもの」をすべて選んでいました…w
そして2つ目は先述した「南米の観光地理」です。ここはもう最初から捨てましたw 勉強の段階で本当に全く頭に入ってこなかったので…w
ここも悪くても出て2問4点が上限だろう、とタカをくくっていましたので…w
さらに3つ目は「絵画問題」です。有名な美術作品と所蔵場所の組み合わせに関する問題ですね…w これも南米の観光地理と同じ感想と考えです。
これらは「がんばった分に見合う得点が得られない」、いわゆる最初に述べた「学習コスパが低い」と感じた問題たちだと思っています。もちろん得意な方、好きな方は得点源にしちゃってくださいね!
本番の試験で解く順番
本番の試験で解く順番ですが、僕は
「語学(英語)」→「出入国法令」→「観光地理」→「旅行実務」→「航空運賃」
と決めていました。
これは、端的に言えば「焦ってしまって得点できる問題を落とさないため」でした。先述したように、航空運賃は単純に時間が結構削られますし、細かい条件の見落としによって「うわ、選択肢に自分の思う解答がない!」とテンパってしまいかねません。その後問題が終わってスパッと切り替えられればいいのですが、後々の確実に得点したい問題に引きずってしまいかねないと思えました。ということで、僕は必ず最後に解くと決めていました。実際、本番では航空運賃以外を50分ほどで終わらせられ、30分ほどを航空運賃に裂くことができました。グローバルインディケータが出て焦りましたが、時間的な安心感から落ち着くことはできましたw
逆に、確実に遂行すればしっかりと得点できそうな部分は最初にやろうと決めていました。ということで、僕にとっては語学と出入国法令でした。
観光地理は苦手でしたが「まぁ1問2点だしw」という妙な安心感と「知らなきゃヤマカンでやるしかない!」という諦めがありましたので、3番目に持ってきました。
そして旅行実務は消去法的に4番目になりました。
ということで
ダラダラと書きたいこと書き殴っていたらこんなに長文になってしまいましたw
結論ですが
・配点を意識して勉強する(点数が小さければ捨て問作ってもいいんじゃないの?uesd to be 諦めるのはeasy)
・確実に取れる問題を確実に取る(焦らないように解く順番を決めておく、など)
・観光地理以外は過去問5年分だけやりました
に尽きるかと思います。
ここまでお読みくださりありがとうございました。