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「年3回」の門下発表会

楽器を習ったことがある人なら、このタイトルの異常さ、狂気に気づくことでしょう


アマチュアの奏者が仕事、学業をこなしつつ年に3回もソロ曲をさらって発表会に出るのは、それなりの労力を伴います。

ソロの曲を演奏するための譜面の読み込み、練習は、オーケストラの楽曲を演奏すこととは訳が違います。とにかく、楽譜の音符が細かい!

ウェーバー作曲 アンダンテとハンガリー風ロンド

さらうにはそれなりの労力が伴いますが、この会のコンセプトはこうです。

ソロ曲さらえば手っ取り早くうまくなるんじゃね?

脳筋的思想の極みです。人前でソロを吹く回数が圧倒的に多い門下生は、技術も胆力も磨かれます。

【参考】W(夫)さんがこれまで取り組んできたレパートリー

そんな発表会に、SAKURAの団員が参加してきましたので、その感想を聞いてきました!!

~SAKURAのメンバーによる演奏曲~

ファゴットのW(妻)さん、オーボエのKさん
→プーランク/オーボエ、ファゴット、ピアノのための三重奏曲

ファゴットのW(夫)さん
→ダーヴィッド/ファゴットのためのコンチェルティーノ

↑主宰者の殿村先生による講評もアップされましたので、こちらもご覧ください。

Q.発表会お疲れさまでした!今回の発表会に出られたきっかけを教えてください

W(妻):殿村さんは門下の先輩で、前々からよく知っています。

今回ピアニストさんと後輩の都合も運良くついたので、参加を決めました。

K:先輩からお誘いを受けたので!

W(夫):毎度出てるからです

4ヶ月に一度の開催ですから、筋トレだと思って週末に曲をさらえば、ちょうどいいペースで仕上がる頻度だと思ってます。

Q.曲を選んだ決め手、理由はなんでしょう?

W(妻):昨年の5月に同じメンツでプーランクを演奏する機会があり、とても楽しかったので今回再演を決めました。

K:先輩の選曲でしたが、個人的に初演で悔しい思いをしたのでリベンジしたい気持ちが大きくありました。

W(夫):いつかやってみようと思いながら、これまで演奏してなかったからです

私が楽器を始めたのは今から15年前、高校に入ったタイミングです。当時、ファゴットでどういう演奏をすればいいか参考にしようと、当時のN響首席奏者であった岡崎氏のCDを買ったのですが、そこに収録されてたのがこの曲でした。当時はこんな早いパッセージ吹けるわけないし、音程がこんなきれいにはまるわけがないだろと思ってました。思い入れのある曲でしたから、この辺りでやっておこうと思ったのです。

Q.今後やってみたい曲はございますか??

W(妻):そうですね。憧れの曲はたくさんあります。

ソロだとヴィヴァルディの協奏曲やサン=サーンスのソナタ、定番どころだとモーツァルトのコンチェルトに挑戦していきたいです。
今回と同じ編成のトリオでは、フランセやプレヴィンに挑戦したいですね。

↑ヴィヴァルディの協奏曲(RV.497)

↑プレヴィンのトリオ

K:いっぱいあります!

室内楽やソロの経験が少ないので、有名どころをまずはたくさん挑戦してみたいです。
レオポルト・ヴァルナーの『ロマンティックなスタイルによる3つの小品~オーボエとピアノのための』を演奏するのが夢です!


W(夫):タンスマンのソナチネです

ファゴットのソロの作品は数多ありますが、タンスマンの作品(ソナチネ、組曲)は、優しく、柔らかな音を出す楽器と思われがちなファゴットの、普段とは違う一面を引き出してくれます。伴奏のピアノと丁々発止のやり取りが続く、ファゴットソロのレパートリーとして稀有な作品です。組曲はすでに発表会で演奏したので、残るソナチネを近いうちに挑戦したいと思っています。

↑タンスマン:ソナチネ

↑タンスマン:組曲

Q.発表会の感想、今後の楽器の抱負をどうぞ!

W(妻):久しぶりの参加で緊張はしました。でも本番はそれ以上に楽しめたと思います。何よりオーボエの後輩が楽しんでくれたのが、先輩として嬉しかったです!

さて今後の楽器の抱負ですが、楽器を買い替えてすぐに流行したコロナ。その影響で今の楽器になかなか慣れませんでした。ようやく慣れてきて音色がまともになってきたので、基礎に戻り音程をきちんと取れるようになりたいですね。
上手くなるためにしっかり本番もこなしていきたいと思います。

演奏後のビールは美味しいです🍻by W(妻)さん

K:オーボエで出るはじめての発表会でとても緊張しましたが、楽しさはそれ以上でした!

自分が楽しいだけで終わらない演奏ができるように、今後も努力し続けて、もっともっと沢山の技術と表現を身に付けたいです!

W(夫):ファゴットを始めた当時は、吹けるようにはならないだろうと諦めていたコンチェルティーノですが、前回の発表会で演奏したウェーバーの「アンダンテハンガリー風ロンド」より楽だと思いながら吹いてました

高校生の頃と今の演奏技術との差を思うと、感慨深いものがあります。人前に出て、時に難しいパッセージを前にして脂汗を流しながら楽器を演奏しているからこそ、演奏の技術も磨かれるのだと思います。

「社会人になったら楽器が上達することはない。学生時代の取り崩ししかできない」と、アホなことを言う人にこれまで何度も出くわしました。私は練習の仕方が下手で使い物になりません、と言うてるようなものです。自分の価値を下げて、さらに周りを悪い意味で巻き込んでることが分かってないのでしょう。

今後の抱負は、そういうネガティブな声や、自分なんてできない、大したこと無いという思い込みを吹き飛ばす演奏をすることですね。

そのためには、よく楽器をさらって技術的な「身勝手、自分勝手、自分都合」を徹底して取り除かないといけません。魚を料理してて、鯛なんか特にそうですが、小骨や鱗を頑張って取りますよね?その感覚です。下準備を徹底するからこそ、汁をすするときに鱗を気にしなくてもいいし、刺身も骨を気にせずに食べられる。丁寧な準備をするからこそ、食べる側は魚の美味しさに気づけるわけです。

技術的な不安箇所を極力除いて、音楽に乗っかって初めて、楽器の演奏は楽しいと思いますし、聴く人からも、これはいい曲だ、自分もやってみたい、そう思ってもらえる可能性が出てきます。

いつ何時も安心して聴ける、演奏を任せられるという安定感、安心感はもちろん大事です。そこを当然押さえた上で、さらにその先の表現にしっかり踏み込む、そんな奏者でありたいと思います。

ファゴットのW夫妻。実は蚤の夫婦です。

熱いメッセージを頂きありがとうございます!パワーアップしたお三方の演奏を、SAKURAの演奏会で聴けるのが楽しみです!!


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アンサンブルSAKURA第40回定期演奏会
日時:2023/11/19(日)12:30開場13:00開演
⚠️開演時間が1時間前倒しとなってます⚠️
会場:浅草公会堂
指揮:高石治
入場料1,000円

曲目:
グリーグ/ペールギュント 抜粋
シベリウス/フィンランディア
シベリウス/交響曲第1番

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