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”彼女”が世界に残したもの、赤い公園のギター「津野米咲」のこと

お昼休み、習慣になっているSNSをサラッと見ているとそれは無慈悲にもなんの心の準備もなく、唐突に流れてきた…
とにかく信じられない気持ちと共に震えが頭の先から指先まで全身を駆け巡った。

………

僕が「赤い公園」に出会ったのはラジオだった。
原付に乗って、当てもないドライブが好きで、BGM代わりに聞き流していた程度だったが
唐突に流れてくる激しさと繊細さ、めちゃくちゃだけど、心地がいい音楽に意識を持っていかれた。

赤い公園の「NOW ON AIR」だった。

さえない今日も、楽しい日々も、ラジオはいつも変わらずそこにいる。
そんなまっすぐな気持ちと複雑な感情が交わる歌詞も印象的だった。

その曲を中心に赤い公園の曲を聴いていたが、自分より年下だとか、そういう情報に関係なくレベルの高い、唯一無二の音楽を鳴らし続けていたと思う。

そしてある日、赤い公園のフロントであるVo.佐藤千明が脱退した。
メインが抜けるのはバンドにとっては大きい、もしかしたら2度と赤い公園の新曲は聴けないかもしれない。

しかし、それは取り越し苦労であった。

Vo.石野理子の加入だ。
これまでとは全く異なる形での赤い公園。
以前より、ポップでロック、より大衆に受けそうだけど彼女たちの個性は爆発している。
待ってましたとEPを買い、毎日1回は聴いていた。

ライブも行った、渋谷で見た彼女たちは輝いていた。
メインではなかったが、十分メインをやれる。
アウェイな雰囲気も1曲目なくなった。

前体制と比較してとかそんなつまらないことは言いたくない。
前は前、今は今。
個人的には新体制になってからの方が聴いているし、前体制のときにもっと聴いておけばよかったとも思う。

その中心には必ず、津野米咲がいた。
彼女のギターが好きだった、作曲は全部ピアノでやっていると聞いて衝撃的だった。

色々なジャンルを面白おかしく、印象に残るリフやメロディ。
曲提供しても彼女の姿ははっきりと分かった。

そんな彼女がもうこの世の中にはいない。
夢のような、ふわふわした気持ちになった。

…………

悲しいニュースが流れたその日、僕は赤い公園の曲を聴いた。

あの曲のあの歌詞はもしかしたら、、、そんな妄想もしてみたけれど、そう考えるのも野暮だ。

もう彼女の作る曲は聴けないが、彼女の残した曲はたくさんある。
津野米咲、彼女の残した曲は今もこの世界の、日常にいつまでも流れ続ける。

そして、僕も彼女の作った曲をいくつになっても聴き続けるだろう。

ありがとうございました。

最新曲もよかったです。

ではまた〜

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