ぼくは怪物予備軍 〜3.父の里帰り〜
〈前回のあらすじ〉
〜ぼくの幼児期。そのころの記憶は生家と幼稚園を中心に起きた七つの記憶だけ。ぼくが犯した罪、日常の風景、抑圧された生活。ぼくの生まれる前の衝撃的な出来事がのちに判明する。そしてそこに生じたぼくの怒りの感情があった〜
3.父の里帰り
一般的にはどうだろうか。
父親とは、近づき難い、話しづらい存在。あるいは、優しくてときには厳しく導いてくれる頼り甲斐のある存在。
ぼくにとっては、前者。
そしてプラス、とても嫌な存在。怒りの対象としての存在。尊敬のできない稚拙な存在。
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