ぼくは怪物予備軍 〜3.父の里帰り〜

〈前回のあらすじ〉
〜ぼくの幼児期。そのころの記憶は生家と幼稚園を中心に起きた七つの記憶だけ。ぼくが犯した罪、日常の風景、抑圧された生活。ぼくの生まれる前の衝撃的な出来事がのちに判明する。そしてそこに生じたぼくの怒りの感情があった〜

3.父の里帰り

一般的にはどうだろうか。
父親とは、近づき難い、話しづらい存在。あるいは、優しくてときには厳しく導いてくれる頼り甲斐のある存在。

ぼくにとっては、前者。
そしてプラス、とても嫌な存在。怒りの対象としての存在。尊敬のできない稚拙な存在。

ここから先は

4,282字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?