①.選書したはいいが、、、 ②.「小さな風景からの学び」を読んで
#本と珈琲とときどきバイク #バイクと出逢うための本屋 #バイク乗りと繋がりたい #バイクと一般人とを繋げたい #小さな風景からの学び
①.選書したはいいが、、、
本屋開業に向けて4月頃からコツコツとはじめていた選書の目処がようやく立ちました!ざっくり私が見た中で150社ほどの出版社(実はまだまだあります)の出す本を1から目を通して、自分の本屋に合う本を選書していくわけですが、興味深くもなかなか骨の折れる作業でしたね。自分が読みたい本のなんと多いことか!そりゃ読むペースと買うペースが合わないわけだ。
そこからなんとか2200冊ほどまで絞るも、総額出してあらビックリ。はるかに予算オーバーしているわけです。さらにそこから1500冊まで絞りなんとか予算ギリギリ。しかも全部1冊ずつ計算なので、あとあと調整がいるでしょう。
ここでやっと選書終わったと一安心したのも束の間、今度はどうやって仕入れるかを考えねばなりません。仕入れたい本も簡単に仕入れられるわけではなく、本を仕入れるには、基本は「取次」と呼ばれる出版社と書店との間の中間卸業者と契約し、そこを経由するのが一般的。しかも取次には、ほぼ全網羅的に品揃えができる「大取次」と取り扱い出版社が絞られている「中小取次」があります。あとは出版社との「直取引」。この3つを駆使して本を揃えていくわけです。基本は大取次と契約できれば問題なくほぼ揃いますが、契約時のハードルが高く、高額な保証金を求められてしまいますので、私のような小さな本屋には難しい。そこで保証金のいらない、中小取次何社かと契約し、直取引とも合わせてなんとか本を揃えていくのが、私のような小さな本屋が本を揃えていく方法なのかなとやりながら思ったことです。
いやぁ〜欲しい本を仕入れるだけなのに、一筋縄ではいかないものです。このやり方でも揃えられない本も出てくるでしょう。
現在は中小取次や各出版社に問い合わせている段階です。そんな感じで本屋準備は悩みながらも順調に進捗中でございます。
②.「小さな風景からの学び」を読んで
続いては読んだ本の紹介。今回はささやかな公共空間ばかりを集めた写真集「小さな風景からの学び」です。東京の都市開発やトヨタのウーブンシティなど、昨今の新しい作為的な空間の作り方とは真逆の考え方、真逆の風景です。にも関わらず、そこには「ホッ」と落ち着けたり、どこか居心地の良さがある。しかも完成度が高く、決して昨今の都市開発に負けない「何か」があると私は感じます。新しく開発された風景には作為的な「美しさ、清潔感、合理性」があり一見魅力的に映りますが、ずっといたい場所にはなり得ない。そこで生きる人々は、あたかも最新の設備で暮らせる「勝ち組ステータス」感で優越感を感じられるのもまぁ満たされるという意味では悪くないですが、どうも最近そういう風景を見ると私の目には、そんな風景に飼い慣らされた人間という感じで、人間すらロボットに見えてしまいます。窮屈な印象すらも感じてしまいます。私だけでしょうか。。。
最近、都市部に住む人が地方に移住する傾向が強まっていますが、まさにそんな作為的な新しさに溢れた都市に窮屈感を覚え、どこか落ち着かず、新しいにも関わらず飽きがきているのだと推測しています。この写真集はそんなことに改めて気付かされる素晴らしい本だと思いました。しかもただの写真集ではなく、世界観がグルーピングされているところも凄い。どこか言葉にならない「良い風景」をとてもわかりやすく分類され、分析されている点でも読み物として素晴らしい一冊です。
ただこれらのささやかな風景は時代とともに次第にどんどん減っていくでしょう。そういう儚さもある。そこには作為なんてなく、ただ歴史が積み上がっただけだったり、自然と人の手が入ってツギハギだらけだったり、とても洗練されてるとは言い難いのに質は高いという謎の現象。けれどそんな風景にこそ、温かみや味、風情、情緒、日本人らしい全てが込められていて、人が人らしく生きていくヒントがある気がしました。
バイクで旅しているときにふと見かける風景にはそんな要素が感じられることが多い気がします。バイクで自分にとっての落ち着く空間・風景を探す旅というのも一興かと。
私がこれからつくろうとしている本屋は確かに作為の塊でしょう。今風でオシャレにしようとしている。それでも時代の流行にあまり左右されないテイストに仕上げるつもりではいます。時代の流れとともに古くなってもずっと愛される空間になれるよう歴史というスパイスで「ささやかだけど豊かな日常空間」に昇華できたらいいなと思っています。
今回はこの辺で。
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