パチンコ屋の店舗開発について

これまで数十年、いろんなものを建ててきた。正確には、計画を練って、建ててもらってきた。あまり需要ないと思うけれど、そのうちの一番お金を使うパチンコ屋の開発のやり方を紹介したい。

ゼロから作る場合

用地選定

パチンコ屋は、都道府県が作る風適法の施行条例でだいたい都市計画法の用途地域が住居系だと建築基準法では、建てられるけれども風適法の許可が下りないトラップがある。
あと、病院や学校など保護対象施設から距離が100mとか20mとか離れていないと風適法の許可が下りないというトラップもある。
そこで、用途地域と計画地の周りに保護対象施設がないことを確認しないとならない。
用地地域の確認は、ゼンリンのブルーマップで確認する。あと、不動産屋さんの作る資料、物件概要書や重要事項説明書にも書いてある。
一応、物件概要書を正しいものと仮定して、後で違ったら大ごとなので慎重に確認する。
次にコンパスでゼンリンの住宅地図などを参考に保護対象施設になりうるものが物件の周り100mにないか?調べる。
さらに、保健所に行き歯医者も含め、有床診療所がないか?調べる。
保護対象施設にはいろいろあって、電鉄会社などは、わざとかわからないけれども児童遊園などぱちんこ屋がハブだとしたらマングースのような施設を作っていたりするので要注意。
用途地域や周りに保護対象施設がないことのほか、人通りや商業集積度も出店した後に繁盛店になるかどうか?の判断基準になる。ここは、長年ロードサイドを走り込んだり、駅前を歩いた店舗開発のプロの勘で何とかしたいところであるが、今は、便利なGIS(地理情報)のソフトがあるので、それを使って、勘でなく数値で考えたほうがいい。国勢調査など統計情報と地図がリンクしているのでどのくらい魚がいる漁場か?推測できる。
パチンコの場合、所得が高い人ばかり住んでいる高級住宅街よりも所得が低い人も住んでいる、両方の人が住んでいる潮目みたいなところが結構いいと思う。
その次は、所得の低い人しかいないところがいい。
工業地域で工場ばかりのところとかでも近くに住居があると案外いいが、東京湾岸の埋め立て地で工業専用地域などに無理やり出店した店は、あまり成功していない。

不動産取得の形態形態を考える

あと、じっくりと投資を回収したいときは、土地も建物も購入する。メリットとして店舗を維持するランニングコストがほぼ固定資産税だけで済む点がある。しかし、よほど資金力がなければ、2号店、3号店と次の展開にいきずらい。ボーリングのラウンドワンのように、関連会社に不動産を所有させる方式もなくはないが、少し前に会計のやり方が変わったので、それで得られるメリットは特に上場会社だとそう多くなくなった。

イニシャルコストを抑えたい場合事業用定期借地契約などで土地を借りて、建物を建てるのもありだ。都内から、千葉県の四街道市のロードサイドに出店をし、そこから全国に展開をし、店舗数日本一のパチンコ屋になったダイナムさんなどが好んで使う手法だ。
あと、土地上の建物を地主さんに作ってもらってそこに融資をする方法もある。この方法は、全盛期のスカイラークのファミリーレストランが展開するときに好んで使われた方法だ。高額保証金方式とか建築協力金方式とかいう。

営業計画を立てる

ざっくりとお店を建てるのに必要なイニシャルコストを考える。土地、建物の取得にかかるお金が一番大きいかもしれない。あと、島設備や代の購入費用、特殊景品を誰が買うか?実質パチンコ屋が買う場合にはその費用。玉、メダルの費用、ユニフォーム代、スタッフの求人などなどいろいろなお金が必要になってくる。
ざっくり800代の店をやるとして、25億円くらいかかるかもしれない。
次に、儲けを考える。パチンコ500台、スロット300台の店だとしよう。パチンコが3000円、スロットが4000円の粗利を毎日生むとする。
(3000X500)+(4000X300)=1500000+1200000=270万円。
1月で考えると270万X30日=8100万円だ。
1年では、8100万円X12か月で9億7200万円の粗利を得ることができる。・・・①
今の相場え考えるとやや繁盛店になったバラ色の計画でである。
次に経費を考える。地代、家賃、人件費、新台の入れ替え費用などは、絶対にかかる。営業を強くするためには、広告宣伝にも金がかかる。
経費の合計が、月間5000万円だとすると、6億円が経費で消える。・・・②
①-②=2億7200万円がざっと手残りになる。
経理上、減価償却など経費だけれども実際に使わないお金もあることも留意して、キャッシュが+かーかを実際に営業が始まったら見ていく。
儲かりそうだったら、次に進む。

資金調達

手金でやれたらいい。無借金経営のパチンコ屋チェーンもある。しかし、金融=金の融通サービスは、利子というサービス料を払えば、金を貸してくれる。都市銀行や地方銀行などそれぞれ味があるが、頑張っているパチンコ運営法人だと1%弱で調達できているところもある。100年借りっぱなしで倍をはらう感じだ。安い。借りられるのであれば、借りて事業をした方がてこの原理で事業展開も早い。
経営者の好みの問題もあるが、低金利時代は、借りて事業をした方がいいと思う。
一方で利子が出来上がりで2%を超える金融会社もある。そういうところに借りるメリットは、パチンコ屋さんやラブホテルなど都市銀行が直接化したがらない業種についての情報が集約しているところだ。
付き合って、担当者と仲良くなってくるとあとでのべるようなM&Aの情報などを持ってきてくれることもある。
また、投資銀行業務など新ビジネスに熟知している部門もあるので、新業態などの知恵も借りられる。
ただし、調子が悪くなった時の資金引き上げは、うまい。情けでなくビジネスでの付き合いに徹している。

建築会社の選定

建築会社には、鹿島建設とか大林組のようなスーパーゼネコンからゼネコン、パチンコホールに特化した会社まで様々ある。
デザイン性などは、パチンコホールや商業施設に特化した会社が強い。また、工事は、正直どこも法令順守している会社だったらそう変わらないと思う。
ただ、スーパーゼネコンを使うと、はったりが効く。大昔、埼玉県の戸田市でオープンしたやすだ戸田店などは、鹿島建設の花輪が飾ってあり、さすが!と感じさせられた。
あと、スーパーゼネコンは、高額だが、子会社のメンテ会社の仕事も丁寧だし、アフターもいい。
あと、数十年は潰れなそうなのでずっと金さえ続けば面倒を見てもらえる。
ただ、前田建設は、パチンコが嫌いだったり、会社によっては仕事をうけない会社もある。

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