『じめんのボタンのナゾ いちばんえらいボタンをさがせ』にな川小学校2年2組 本吉凛菜
第29回全国小・中学生作品コンクール 生活科部門文部科学大臣奨励賞受賞
発行 日本土地家屋調査士連合会 中部ブロック協議会 2012年9月10日
小学校の帰り道、地面にたくさんのボタンを発見した小学生。いったいこの地面のボタンは何なのか?誰がボタンをつけたのか?その疑問をボタンに書かれた文字を手がかりに調査を開始。たいへんなことを発見します。
好奇心を失わず生きることを心がけているつもりだったが、ほとんど機能していないことに気づかされた衝撃的な一冊。確かに地面にボタンがあった、あったと思う。近ごろ見ていない。もちろんなくなってはいないはずだから、見えていないだけということになる。一度ぐらいは疑問に思ったことがあったかもしれない。傘の先でそのボタンを突いたりもしたように思う。ちなみにこのボタンを取ったり、壊したり、動かしたりすると、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑に処される([刑法](境界損壊)第二百六十二条の二)。簡単に外れないようにアンカーピンでとめてあるということで、傘で突いたぐらいでは取れないのでよかった。危うく“少女A“になっているところだった。
なにより感心したのは、いや感心という上から目線ではなく、むしろこれは嫉妬。小さな疑問を解決していくプロセス、その疑問の数々。その疑問に対する質問が浮かばない。いわれると、そうそう、それが気になっていたと思いつく。まったく己の好奇心が機能していないことが露呈した。そんなショックな気持ちを隠せず、かなり動揺しながらいちばんえらいボタンの話を楽しんだ。
「いちばんえらい」「けっこうえらい」「まあまあえらい」の順位付けがレアモノを探しだしたくなるキラーフレーズ。夜が明けたらボタン探しをはじめよう。
愛媛県土地家屋調査士会の広報ページのリーフレットでこの本を読むことができます。