神様紹介2:別天神(ことあまつかみ)
※古事記漫画を描いていくにあたって、まずは古事記原文の読み下しと神様の勉強から始めています。こちらは備忘録的メモです!
別天津神(ことあまつかみ)とは
別天津神(ことあまつかみ)は、『古事記』において天地開闢の時に現れた五柱の神々を指します。
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
高御産巣日神(たかみむすびのかみ)
神産巣日神(かみむすびのかみ)
宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)
天之常立神(あめのとこたちのかみ)
別天津神は、天地創造の初期における重要な役割を果たしました。
これらの神々は独神として現れ、その後すぐに身を隠したとされています。
天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
高御産巣日神(たかみむすびのかみ)
神産巣日神(かみむすびのかみ)
は造化三神と呼ばれます。
造化三神が姿を隠した後に生まれた神が、宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)と、天之常立神(あめのとこたちのかみ)です。
宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)
天地がまだ完全に整わない「混沌(こんとん)」の中で最初に現れた神のひとりです。
具体的な姿や性別についての描写はなく、「独神(ひとりがみ)」として現れ、その後隠れた(姿を消した)とされています。
名前から分かる神の役割
「宇摩志(うまし)」=「美しい、立派な」
阿斯訶備(あしかび)=「葦の芽が生え出るような生命力」
比古遅(ひこぢ)=「男性的で力強い」
この神の名前は、葦の芽のように生命力に満ちた存在を表現しています。
葦の芽から人類の始祖が出現したという神話の反映とする説があります。また、葦の生長を国土の生長力の象徴とする解釈もあります。
天之常立神(あめのとこたちのかみ)
うましあしかびひこぢのかみの次に生まれ、同じく、「独神(ひとりがみ)」として現れた後、すぐに隠れ身となります。
天之常立神も他の別天神と同様に、具体的な姿や性別は記されていません。
名前から分かる神の役割
「天之常立」の意味は、「天に永遠に立ち続ける」というニュアンスを持っています。天が立ち続ける安定性を象徴します。
そのため、他の神々が生み出される基盤を整え、世界の秩序が形成されるための土台を提供する役割を果たしていると考えられます。
古事記登場シーン
次に、国土がまだ若く、脂のように漂い、くらげのようにただよっている状態の中で、葦の芽のように生じた神が、宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)でした。
そして天之常立神(あめのとこたちのかみ)が続きます。この二柱の神も、単独で現れ、姿を隠されました。
以上の五柱の神々を「別天神(ことあまつかみ)」といいます。