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3歩目 移動

搬送先まで、タクシーで向かう。

万が一を考え、スマホの充電器や着替え一組あたりをカバンに詰め込んで。傘の杖は心細かったけれど、マンションの入り口まで出れて、やっとの事でタクシーに乗車した。
「〇〇区の〇〇病院までお願いしますー」
と伝え、お客さんどうしたの!?なんて話しになる。もうすでに疲れていたんで、ほどほどに会話を終わらせ、はぁーとため息が出た。空腹に気づいて、晩御飯がお預けだったのを思い出す。

家を出る前に、服が相応に汚れていたので着替えをした。転倒時に着ていたTシャツの背中や肩に穴が空いていて、ホント、どんな転びかたしたの!?っていう自笑と、ライブ会場で売っていたお気に入りのTシャツだったので、残念感が合わさった。

だいたいこの辺りという所まで到着したのに、病院の入り口がわからず、タクシーの叔父様が困惑し、本部に連絡したり調べはじめたりする時間が10分くらい。
振動で痛いなと思いつつ、やっと入り口に到着して、支払いを「カードで、、、」と伝えると「現金のみなんです」と言われ、ご時世でそんなタクシーもあるの!?って驚いた。そしたら、タクシーの叔父様が、
「今日ね、パチンコで勝ったから、料金はおじさんが払うわ!怪我してるのに迷ってしまってゴメンね。だから、会社には迷ったりした事言わないで欲しい!」という口封じの術が発動。古き良き時代かよ。ちくしょー、でも助かるーと交渉を呑み、深夜料金込みの5000円強をリベート。
無駄に走ってたしね。メーター止めてなかったもんね。

そんな叔父様が、病院の人を呼んでくれて、傘の杖から車椅子の装備になりました。
ただ転んだだけなのに。
いや、派手に転んで車椅子。
23時が過ぎていた。

輪舞 / orange pekoe

ポップなジャジー。
毎年、春になると1stアルバムから聞き直して季節を感じとる。
抜けた声に、身体を動かしたくなるようなリズム。
日本もこの類の音楽が、売れ続ければ良いのにーと思う。
オシャレだね!って、ブームで終了してしまうのが残念に思う。
「やわらかな夜」を聞いて、あ!知ってる!って人は少なくもない。
知名度はあるよね。
三拍子の音楽も好きです。

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