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漢検1級攻略(合格体験記編)

こんにちは。漢検1級令和6年度第2回(R6−2)で176点で初合格したEnokizaka(@K_Enokizaka)という者です。34歳社会人です。(noteはサボりにサボってました。すみません!)

漢検は中学生の頃、20年前に2級に合格したものの、
それ以来漢字の勉強からは全く離れた生活を送っていました。

そんな私が漢検準1級を飛ばしていきなり漢検1級を志すに至った経緯から、初合格に至るまでを合格体験記として綴っていきます。

詳しい勉強法については「漢検1級攻略(勉強法編)」をご覧ください。

※漢検1級チャレンジャーの方向けに書いているので、漢検の基本情報などは省略します。


【漢検1級の勉強を始めた経緯】

きっかけは、ある年に入社してきた新入社員の趣味が漢字で、漢検準1級を所持していたことでした。
自分の友達にも準1級を持ってる人はそういえばいるな…とは思いましたが「1級は身近に1人もいないな」「1級はどれだけ難しいんだろう」「ひそかに1級取って周りを驚かせたいな…」という思考過程をたどり、こうして私は2022年8月から本格的に漢検1級の勉強をスタートしました。

【脱線:準1級を飛び級して1級に合格することは可能?】

(※この項目は長い脱線になるので、興味のない方は飛ばしてください)

結論から言うと、可能です。
私も今回でそれを証明しましたし、私以外にも令和に入ってからの試験で飛び級で1級に合格している人を2~3人知っています。

とはいえ、マイナーな存在であることは間違いありません。飛び級について詳しく語っている方が今までいなかったので、ここで詳しく述べたいと思います。

「飛び級とは言っても、ただ単に準1級未受検なだけで、結局準1級の範囲をひと通りしっかり勉強してから1級の勉強に移行したのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、私の場合はそうではありません。

私はいきなり1級の勉強をスタートして、その中で出会った準1級配当の漢字で、自分が知らなかったものは覚えていくというスタンスでした。つまり、準1級の知識は網羅しきれていません。なぜそれでも漢検1級に合格できるかというと、「1級に合格するために必要な準1級の知識は、準1級に合格するために必要な準1級の知識より少なく済む」からです。

1級では、当たり前ですが1級配当の漢字が問題の中心になります。もちろん準1級の知識が問われる問題もありますが、占める割合は準1級に比べればだいぶ少ないです。具体的な例でいうと、1級の四字熟語の大問では1級四字熟語と常用四字熟語が問われることはあっても、準1級四字熟語が問われることはほとんどありません。

もちろん、1級受検に際して準1級の知識が豊富であることに越したことはありません。1級の勉強のスタート時点では、準1級所持者と非保持者では前者がはるか先を行っていることは間違いありません。

ですので、あくまで「飛ばしたほうがいい」ではなく「飛ばせるよ」ぐらいのノリです。飛ばすメリットとしては勉強期間の短縮、参考書代や受検費用の節約ぐらいでしょうか。

私が飛び級した理由は、すでに職場や知り合いに準1級保持者がうじゃうじゃいたので、モチベーションが上がらなかったというただそれだけです。基本的には普通に準1級→1級と受けていくのをオススメします。真の漢字好きでしたらしっかり準1級も合格すべきでしょうね。私は正直、めちゃくちゃ漢字好き!という人間ではなくとにかく早く漢検1級に合格したいという思いが強かったです。といっても結局2年かかりましたが。

飛び級して1級に合格したことをわざわざ項目立てして長々と書いているのは、私のような2級しか所持していない人でもいきなり1級は目指せるし合格できるよ、ということをお伝えして、1級挑戦のハードルを下げたいからです。漢検協会のデータによると、2級に合格する人は毎回1万人ほどいますが、準1級に合格する人となると500人〜1000人程度でグッと減ります。この2級合格の1万人の中には準1級以上は趣味の領域だからと、かつての私のようにそもそも2級より上を目指さない人も多いはずです。そこで、いきなり1級を目指すことも可能ということを知ったら頑張って勉強してみようかな、という人も一定数いると思うのです。仮に漢検が飛び級禁止で、1級を受検するために準1級が必要だったら私はそもそも目指してなかったかもしれません。(道のりが果てしなく長く感じるので)

ちなみに私が勉強を始めた当初に情報収集した限りでは、飛び級は無謀であるという意見が大半でしたので、いや、そうでもないよ?と合格した今は声を大にして言いたいです。

1級は準1級の10倍は難しいというので、大変であることは間違いありません。ただ、準1級に合格してからでないと1級は目指せないという風潮はなくなってほしい。漢検1級に挑戦する方がこの先どんどん増えていってほしいと願うばかりです。

【初受検:R5-1 98点】

初受検は2023年の6月。1級の勉強を始めてから10か月後の受検となりました。当初は「のんびり勉強して、いつか受かればいいや」ぐらいの気持ちだったので、だらだらした効率の悪い勉強が続いていました。

さすがにそろそろ受検しないとこのままずるずるいっちゃいそうだな…という危機感もあったので、このタイミングで一度受けることにしました。

取り組んだ内容としては、以下のとおり。
・1級四字熟語888(自作資料)
・1級大見出し語表(漢検1級模擬試験倉庫さん、以下、「倉庫さん」)
・1級訓読み表送り仮名あり/なし(倉庫さん)
・1級精選演習(日本漢字能力検定協会)
漢字逞筆さん(以下、逞筆さん)の音読み◆1~◆3
・逞筆さんの故事成語・諺の◆1と◆2
・国字(逞筆さん)

勉強量的には全然足りてませんね。復習もあまりできていませんでした。もちろん、この時合格できるとは微塵も思っていませんでした。
ただ、この時の初受検がイベントとしてとても楽しく、実際、この初受検をきっかけに勉強に火がついたことを覚えてますので、実力が足りない状態でも受検してよかったです。

受検者の平均得点が大体90点前後なので、本番で100点ぐらい取れる実力がついたら、モチベアップ+本番慣れという意味でも早めに受検することをおすすめします。

初合格までの受検回数は少ないに越したことはありませんが、よほどお金に困っているとかでなければあまり気にしなくてよいのかなと。

【2回目の受検:R5-2 122点】

2回目の受検は初受検から4か月後の2023年10月。
この4か月という期間がたっぷりあるようでとても短い。
新しい知識のインプットだけでなく、定期的に復習もしないといけませんし、しかも勉強が進むにつれて復習する量がどんどん増えていきます。

この辺りが漢検1級の難しいところですね。
R5-1の時点でやってない資料・問題がてんこ盛りだったので、自分なりに優先順位をつけて取り組みました。

取り組んだ内容としては、以下のとおり。
・常用/準1級大見出し語表(倉庫さん)
・逞筆さんの対類◆1~3
・逞筆さんの当て字◆1と◆2
・これまで取り組んだものの総復習

新規で取り組んだものが少ないうえに、ひと通り手をつけたはいいものの復習の時間が十分には取れず、あまり定着していませんでした。逆にR5-1の段階でやっていた資料の復習はしっかりできたおかげで、点数が24点アップ。勉強量のわりに意外とできたなという感触で、本番終了後にうれしさと達成感で満ち溢れた記憶があります(まだ6割得点の段階で合格にはほど遠いですが…)。

個人的には100点~140点ぐらいになる過程が一番楽しいのかなと今振り返ったら感じます。140点辺りからは点数を伸ばすのが難しく、停滞する人も多いですし、もうそろそろ受からないと…というプレッシャーが大きくなってくるのでわりと苦しいです。その代わり、合格した時の達成感と喜びは半端ないですよ!

【3回目の受検:R5-3 122点】

取り組んだ内容としては、以下のとおり。
・常用四字熟語800(倉庫さん)
・逞筆さんの音読み◆4
・逞筆さんの訓読み◆1~5
・逞筆さんの故事諺◆3~5
・模擬試験11~30(倉庫さん)
・これまで取り組んだものの総復習

この段階でやっと模試を解き始めました。
20回分こなして、平均して160点前後で手応えを感じていたので本番は140点を目標にして臨みましたが、結果は前回と全く同じまさかの122点。前回より確実に実力はついているにもかかわらず同点に終わったのは、単純に本番が著しく難化したからです。合格率で見ても前回の8.8%から5.7%へと低下。チャレンジャーもほとんどの人が前回R5-2よりも点数が下がっていました。逆にいえば私は実力をつけられたからこそ前回の得点を下回らずに済んだ…とポジティブに考えることにしました。

とはいえ受検直後は悔しさと焦燥感、そして絶望感に包まれました。本当にこれ、いつか受かるのか…?と。振り返ると過去5回の受検でこの時が一番精神的にしんどかったですね。ずっと勉強を続けていても点数が下がってしまうこともよくあるのが漢検1級の難しいところです。

【4回目の受検:R6-1 139点】

取り組んだ内容としては以下のとおり。
・倉庫模試30~47
・逞筆模試1~10
・倉庫さんの書き取り系資料(大見出し語表からの問題、1級大見出し書き取り対策、音熟語書き問題、同音過去問+同訓過去問、1級多字大見出し対策問題、常用多字大見出し対策問題、訓読み書き問題etc)
・訓読み書き取り(powpowさん)
・ランダム語選択(倉庫さん)
・ランダム類義語(倉庫さん)
・逞筆さんの熟語・一字訓読み◆1~5
・これまで取り組んだものの総復習

点数は139点で、前回から17点アップしたものの、目標としていた140点には届かず。前回が合格率5.7%と難しい回ですが、今回も5.9%と難しい回でした。

とはいえ、失点のうち20点分ぐらいは復習をしっかりしていれば、あるいは当日頭が冴えていたら解けていた…というものだったので、間違いなく実力は上がっていたのだと思います。

この時は悔しさは結構あったものの、前回ほどの絶望感はありませんでした。なんとなく合格までの道筋が自分の中で見えてきたからです。

【5回目の受検:R6-2 176点 合格!】

取り組んだ内容としては以下のとおり。
・過去問23回分(H27~R4)
・直前模試14回分(H29~R3)
・新明解四字熟語辞典の辞書さらい(仏教語中心)
・中国名言名句辞典の辞書さらい
・漢検漢字辞典の(対)(類)マークの言葉をさらう作業
・コトバンクで「転じて」で検索した結果のローラー
・これまで取り組んだものの総復習

お気付きでしょうか。なんと私は4回目の受検を終えたあとに初めて過去問に取り組み始めたのです。

正確には、倉庫さんや逞筆さんの問題の中には過去問がそのまま含まれていたりするので、問題単位ではある程度は解いていたつもりなのですが、1回分をしっかり時間を計って解くという作業をしてきませんでした。

理由は実力がつくまで取っておきたいという思いをずっと引きずってしまっていたためです。言わずもがな、過去問は超重要です。もっと早く取り組むべきでした。R6ー2の本番までに8年分の過去問を短期間で連続して解くことで、解いてみないとわからない近年の問題の傾向を肌感覚でつかめました。

また、この段階で辞書さらいにも取り組んでいますが、これは漢検対策のために本気でやっていたというよりは、「漢検のための勉強は気が乗らないけど何か漢字に触れていたい」というモチベが下がっていた期間にやっていたものです。具体的にはR6-1受検直後です。本番で思いのほか点が伸びず、倉庫さんや逞筆さんの問題もほぼ解いてしまったし、ちょっとひと息つきたい、でも完全に漢字からは離れたくないという時期に辞書さらいをしていました。勉強法の記事でも触れますが、辞書さらいは初合格には必須ではありません(特に漢検漢字辞典以外の辞典は)。しかし、もし取り組むとすれば本番が終わったあと、次の試験までに時間がある時がよいかと思います。私は「何も勉強しないよりはマシ」ぐらいの感覚でやっていました。

それでも徐々にそのうちモチベも回復してきて、次回のR6-2で絶対に合格するぞ!というつもりでギアを1〜2段階上げて勉強に取り組みました。過去問の徹底研究と、今まで取り組んだものの復習に集中しました。今までのどの期間よりも質・量ともに充実した勉強ができたのではないかと感じています。

この段階では、倉庫さんの直前模試は初見で180点以上が当たり前、過去問も全て合格点が出ていたので今回はさすがにいい勝負ができるかな…とは思っていました。それでも、近年の漢検は年々難化傾向にあるため、最後まで自信はありませんでした。R5ー3やR6-1を受検する時点でもすでに模試で合格点は出ていたので、あまり模試の点数を信用していなかったというのもあります。特に令和以前に作られた模試などは現在の本試験とは難易度が乖離していることが多いので、高い点数を取っても糠喜びしないようにしましょう。

そして結果的に、私はR6-2で初合格を果たします。
点数は176点。

自己採点する前の感覚としては絶対に150点はいってる、ひょっとしたら合格してるかもな…ぐらいでした。昼食に五反田のあるラーメン屋にてラーメンを食べながら解答速報をパッと見て合格を確信して、めちゃくちゃ大きい声でよっしゃ!と言ってしまったのを覚えています。その後、カフェでしっかり自己採点をしたら174点だったので(実際には+2の176点だった)、再び歓喜抃舞しました。帰り道の五反田の街の光景は一生忘れないでしょうね。その後、ウェブでの合否発表があり、詳細な結果や賞状が届くことになりますが、本番の日の自己採点したあとが私の中では喜びのピークでした。

今までいわゆる「140点の壁」すら越えたことすらなかったので(自己最高は前回の139点)、今回で合格するつもりだったとはいえ、正直驚きました。点数が大幅に伸びた要因は、この記事を書いている時点では合格率はまだ発表されていませんが、恐らく10%を超えてくるぐらい試験が易化したことと、過去問プラス今までの復習に徹底的に時間を割いたことで、自身の実力が大幅に伸びたことの2つが挙げられます。

また、今回は「正解し得たのに間違えた」という失点が2~3点しかなく、ほぼ実力を出し切れたことも大きかったです。前回はそういう失点が20点ほどありました。改めて、「自分が取れる問題をしっかり正解する」ことが何より重要だと感じました。それって当たり前のことでは?と思うかもしれませんが、その当たり前が難しいのです…。絶対に凡ミスは犯してしまうものです。いかにそれを減らすかが大事です。

【漢検1級初合格に向けて重要なこと】

以下、初合格に向けて勉強法以外で重要だと思うポイントを列挙します。

毎日継続、毎回受検
→これはできればの話ですが、勉強は毎日継続して、本番も毎回必ず欠かさず受検したいところです。私はこのおよそ2年間、漢字の勉強を怠った日は一日としてありませんでした。どんなに仕事が忙しくても、海外に新婚旅行に行っている時ですら隙あらば漢字の勉強をしていました。習慣にしてしまえば、モチベに頼ることなく取り組めるのでそんなに難しくはありません。歯磨きのようなものです。毎日やらないと気持ち悪いという域まで早めに到達しましょう。私も試験直後などどうしてもやる気が出ない時期もありましたが、すでに習慣になっていたので結局勉強しない日というのはありませんでした。漢検1級の知識はなかなか普段使わないものが多いので、初学者はちょっとサボるだけで一気に頭から抜けてしまいます。そうならないためにも毎日漢字には触れましょう。どんなに忙しい人でも熟語の1個確認するぐらいはできるはずです。本番に関しては、合格率5%の回もあれば10%以上の回もあったりと漢検は回ごとの難易度の差が激しい試験です。初合格を狙うのであれば毎回受検したほうが当たり回を引けることもあるので毎回受検しましょう(もちろん難しい回で合格することを想定して勉強はします。でなければいざ当たり回に当たってもチャンスをものにできません)。

X(旧Twitter)で漢検1級界隈とつながりを持ち、かつ本番の点数や普段の勉強を公開する
→私はまず漢検用にアカウントを作り、漢検1級リピーターやチャレンジャーを片っ端からフォローしました。Xをやっていなければ知らなかったような合格に役立つ資料の情報を得ることができたり、同じチャレンジャーの勉強の進捗を見て刺激を受けたりと、Xは合格のために大いに役立ったと思います。おすすめなのは自分と同じぐらいの実力を持ってそうなチャレンジャーとつながることです。一方的にでもいいのでライバル意識を持つと勉強が捗ります。漢検はあらかじめ決められた合格点を取れば合格できる絶対評価の試験なので、誰かと競い合う必要はありませんが、切磋琢磨するライバルがいたほうが成長は早いです。
また、プロフィール欄に勉強をいつから始めたかとか、受検の記録(本番の点数の推移)などを書いていくこともおすすめします。私も「R5-1:98点→R5-2:122点→R5-3:122点→R6-1:139点」という感じで書いていましたし不合格でも毎回受検する度に詳細な結果を公開していました。これをすることで現段階でどのぐらいの実力を持っているのかを知ってもらったうえで適切なアドバイスをもらえることもありますし、何より「公開しているので点数が下がったら恥ずかしい…」と自分への負荷がかかります。いや、実際は恥ずかしいなんてことはないし誰もそこまで気にして見てないことはわかります。ですが利用できるものはなんでも利用しましょう。私は見えっ張りなのと自意識過剰な面があるので点数を公開することがいい方向に作用しました。点数や勉強内容を晒すのはひけらかすようで気が引ける方もいるかもしれませんが、私を含め、近年初合格を果たしている人のほとんどは普段から赤裸々に点数などを公開してきた人だなと感じます。

それから、リピーターの方が問題を出していたりしますが、それらは発展的な内容なのでチャレンジャーの身であれば基本的には解かなくても大丈夫です。リピーターの方が主宰する勉強会なども定期的に開かれていますが、私は一度も参加しませんでした。そういう類いのものに参加しないと合格できないということもないので刺激をもらいたい方は行くぐらいの感じでよいと思います。そこでしか得られない有益な情報もあるかもしれません。私はその代わり、チャレンジャー同士で集まって各々好きに勉強する会みたいなものは合格した回(R6-2)の1か月ほど前に開きましたが、これは大いに合格に寄与しました。その日捗っただけでなく、そこからの1か月間、勉強にブーストがかかったからです。

諦めない心(諦めない限りはいつか必ず合格する)
→これが一番重要かもしれません。私は漢検1級の勉強を始めた時から、「受かるまで勉強は続けるし、受検し続けるから、目指すと決めた時点で合格は確定した。あとは時間の問題だ」と自分に言い聞かせてました。実際、諦めない限りは正しい努力を続けていればいつかは必ず合格できるわけです(寿命が尽きてしまうとか物理的に受検が不可能になることを除けば)。

私は「ジョジョの奇妙な冒険」が大好きなんですが、
その中で、ある警官による名ゼリフがありますのでご紹介します。

『そうだな…わたしは「結果」だけを求めてはいない
「結果」だけを求めていると人は近道をしたがるものだ……………
近道した時 真実を見失うかもしれない
やる気もしだいに失せていく
大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている
向かおうとする意志さえあれば たとえ今回は犯人が逃げたとしても
いつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな……………
違うかい?』

『ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風』より

つまり、漢検1級合格に向かおうとする意志さえ持ち続ければ、いつかはそこまでたどり着くわけです。その意志を失わないことが大事です。
また、合格という結果だけを追い求めるのではなく、勉強の過程も楽しみましょう。私も勉強が習慣化してからはある種、毎日機械的?に勉強していた面もありましたが、それでもやっぱり新しい知識が増えていく感覚が楽しかったです。
この名ゼリフが頭にあったので、毎回受検する際の目標は「前回の得点を上回ること」でした。毎回自己ベストを更新すればいつかは合格にたどり着くだろう?というノリで。実際、5回の受検で一度も前回の得点を下回ることはありませんでした(1回危なかったですが)。

【最後に】

漢検1級を取得しても収入が増えるわけでもありませんし、なんの役に立つんだ?なんて言う人すらいます。しかし、逆に考えればそんなことにひたすら熱中できるというのはとても贅沢なことなのではないでしょうか。そういう意味で、私はこの2年間非常に贅沢な時間を過ごすことができました。そもそも資格は何かの役に立つものであるべきという前提が間違っています。興味があるから勉強して取得する、それだけでよいのです。私の動機も「達成が難しいことにチャレンジしてみたい」ということだけでした。そして漢検1級に合格した今、結果的には漢検1級レベルの漢字の知識、いわば知的財産を手に入れただけでなく、決して諦めない強靭な精神、物事を継続する力、効率よく行う力、情報収集能力、PDCAサイクルを回して成功まで持っていく力など様々なものを手に入れました。そう、漢検1級は実際のところ役に立つんです!


以上が私のおよそ2年にわたる勉強の記録、合格体験記です。
少しでも漢検1級チャレンジャーの皆様のお役に立てれば幸いです。


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