3台のPCの思い出
初めてのPC
思い出をただ語るだけです。
初めて自分のPCを持ったのは2010年代前半のこと。ノートPCだった。
CPU : i5-3317U
RAM : DDR3 4GB
ROM : HDD 512GB
今ならとても使うには厳しい性能。
当時から動作はもっさりしていたが気にならなかった(今思えばHDDだからかな)。というのもそれが普通であったため。むしろ今のPCが動作軽快過ぎる、、、。
私はPC関係の知識もなく幼少期の頃に使用していたWindows95や98では待つことも多かった。だからもっさりしていること自体は平気だった。
しかし使っている内にWindows10へのアップデートやなんやらでみるみる動作は重たくなる。HDDなので断片化も進む。そうするとOfficeでも文字をタイピングしてからしばらくしてやっと文字が入力されるような状態になってしまった。
知識のない状態でのPCという買い物は本当に気を付けたほうがいい。
私の購入したノートPCは完全に文書作成作業や簡単なアプリケーションを動かすことをメインの用途とする層へ販売されていたものだった。クリエイティブ作業や学術的な解析処理などには向いていないと分かるのは、実際にその手の作業をするようになってからである。そもそも、軽いアプリケーションを動かすことをメインターゲットとするPCは、その後のOSの重量化によってどんどん余裕を失っていく。長くPCを使いたい私はこれを考慮すべきであった。
ノートPCを手に入れてすぐに動画編集に興味を持った。
AviutlやWindows Movie Makerで動画を編集してエンコードして、、、
とても時間がかかったのを覚えている。特にニコニコ動画で大盛り上がりしていたMMDの編集なんかはもうこのノートPCでは辛いものがあった。
他にもプログラミングはメモ帳でできるだのなんだの言ってても仕方なく、Visual StudioやEclipseなどいろんなソフトウェアをインストールしていた。
MATLABもOctaveもAnacondaもインストールした。2コア4スレッドのi5とメモリ4GBノートPCにはあまりにも重い負荷である。
かなりクリエイティブや学術的な使い方をしていた。
そして再度記述するが2コア4スレッド。ウイルス対策ソフトのスキャンとWindows Updateが重なればそれはもう終わりを意味していた。
2014年傑作CPU搭載デスクトップPCとの出会い
こんな状態だから、もっと性能のいいPCが欲しくなるのは時間の問題だった。しかし性能がいいと言われてもi5とは?i7とは??RAMってどれくらいあればいいの??GPUって???という有様。
それからは、なんとなくイメージがつかめるCPUとRAMとストレージをキーワードに、ドスパラのサイトなんかを眺めていた。今でこそ、知識があるから●●するにはこれくらいのCPUでいいという判断ができる。当時はできなかった。行きつくのは最も性能のいいPCのグループである。PCでゲームをすることなど全く考えていなかった私は、グラフィックボード非搭載のモデルを探していた。このころは、Aviutlにハードウェアエンコードの機能はなく、動画エンコードにGPUを使うということは頭になかった。そして見つけたのはこれだ。
Raytrek
CPU : i7-4790K(標準空冷)
GPU : iGPU(内蔵グラフィック)
RAM : DDR3 16GB(8GBx2)
ストレージ : 128GB SSD, 1TB HDD
電源 : 750W
OS : Windows 7 Home
DAW系のクリエイティブタイプのBTO PCである。
CPUはいっちゃんええやつ。後にゲーム用CPUとして傑作と言われることになる、Haswell世代の最強のi7である。RAMは想像つかないからとりあえずノートPCの4倍。SSDにはほとんど物置かないだろうしという理由で128GB SSD(のちに後悔する)。成果物を置く1TB HDD。20万円くらいだったと記憶している。
届いた時にはウキウキで開封し初期設定を実施した。
そして感動したのはSSDによるOSの立ち上がりの速さと、ベースクロックが4.0GHzに到達した4コア8スレッドのi7-4790Kの軽快な動作。
いろんなソフトがサクサク動く。当時一緒にMMDをやっていた友人も、その動作の軽快さに驚いていた。とはいえ、当時はもちろんPCの知識はほぼないため、いっちゃんええCPUのPC買ったんやから当然でしょ程度の気持ちだった。解析や動画編集等負荷のかかる処理は、ほぼ全てこのデスクトップPCでこなすようになり、ノートPCは文書系の処理やプレゼン用に使用するようになった。ノートPCは本来の想定された用途の負荷へ落ち着いた。
デスクトップPCへインストールした数々のソフトウェアの一部
・Visual Studio
・Anaconda
・Octave
・Cubase
・Eclipse
・Aviutl
・仮想Linux環境
・MikuMikuDance
・Steam
・MineCraft (Java)
これらの処理をi7-4790Kは軽快に処理してくれていた。むしろ購入前まではi5-3317Uにこれらの処理を担当させていたのだから酷であっただろう。
もし、全てをノートPCでこなしていたとしたら???
もっとストレスフルな生活だったかもしれない。本当に買ってよかったと思えたPCであった。また、デスクトップPCがいろんな処理を担当するようになったことで、ノートPCからは上記のアプリケーションはアンインストール。これによりノートPCも軽快になった。そして、ノートPCはその薄さと持ち運びやすさから布団にこもってアニメを見たりするのに重宝した。
必要になったグラフィックボード
友人とマインクラフトをすることになった。
バニラならiGPUでもそれなりに動いた。
フレームレートは54程度だったと記憶している。
そうだ。このPCグラボ積んでないんだった、、、、。
時は2019年。RTX2060が発売された年だった。
RTX2070や2080は高すぎワロタの感覚であったため、RTX2060を購入し増設。さらに128GB SSDを換装し1TBのSATA SSDへ。さらにさらにi7-4790Kのオーバークロックにも挑戦。全コアを4.5GHzへOC。こうして2014年に購入したPCは少しだけグレードアップ。最終形態は以下。
Raytrek(2019年改造版)
CPU : i7-4790K (All Core 4.5GHz OC)
RAM : DDR3 16GB (8GBx2)
ストレージ : SanDisk SSD 1TB, HDD 1TB, 128GB SSD
GPU : RTX 2060
電源 : 750W
こうしていろんなゲームをPCでやるようになった。RTX2060との組み合わせでAPEX LegendsのFull HDで頑張れば144Hzを出せる、FF14 Full HD 最高品質で120Hz程度の性能であった。モニターは60Hzを使用していたことや基本的に自分のプレイするゲームが重量級ではないことからあまり困ってはいなかった。困ったら一新しようと考えて当時は遊んでいた。
今の知識で当時を振り返ると、2019年には当然CPUボトルネックが発生しており、2014年最強CPUは現役引退を迎えていた。現役のCore iシリーズは第9世代となり、i9-9900KとRTX2080Tiが最強の組み合わせとして君臨していた時代である。KSとかあるけどノータッチで。同じi7でもi7-9700Kはi7-4790Kに比べて79%のマルチ性能の進化を遂げており、最早比較にならない状態であった。しかしこれほど性能で引き離されていてもそれなりにゲームを遊んでいくことができる。
いっちゃんええやつを買うと結構粘れるな、、、という経験になった。
コロナ渦の到来と自作PCブーム
そして来る2020年。
COVID-19が世界的に猛威を振るい、自宅でできる限り過ごすという自粛ムード一色となった。個人的にはライブに行けなくなり悲しかったがインドアな趣味が多いこともあり、それなりに楽しんでコロナ渦を過ごしていた。
自粛ムードになれば家でできることを始める人が増える。PCでゲームをするという行為が流行り始める。ここから自作PCやカスタマイズ性の高いBTO PCを題材にしたYouTube動画なんかをよく見かけるようになった。ゲーミングPC時代の到来である。他にも楽器やゲーム機の売り上げが伸びたらしい。
(余談)
ゲーミングPCとかいうクソ高いものが流行ったことにより、世の親たちは20万円以上もするゲーミングPCをプレゼントとしてねだられ、大いに嘆いたことだろう。しかし、インターネットが発達しているデジタル社会の今、IT機器に触れておくということは生きていくためにも重要である。塾にぶち込む用の費用の一部とでも考えるしかない。
(余談終了)
PCの買い替えモチベーションの刺激
CPUの性能向上合戦
そんなブームをけん引するCPUメーカのAMDとIntel。ここからAMDとIntelの殴り合いが激化した。
2019年にRyzen 9 3950Xが発売。16コアから生み出されるマルチ性能はIntelを圧倒していた。しかし、ゲーム性能としてはCCX間のやり取りで発生するレイテンシによって足かせとなってしまった。
2020年には10世代Core iシリーズが発売される。特に、i7-10700Kはi9-9900Kのコスパ版といわれるほどであり人気となった。しかし、その後11月に登場するRyzen 5000番台シリーズによって窮地に。5000番台の中でもRyzen 9 5950Xは圧倒的でマルチ性能だけでなくゲーム性能でも10世代i9を上回った。
2021年に発売される11th Core i シリーズはあまり反応が芳しくなかった。ゲーム性能としてはむしろ10世代のほうが優秀といったような動画がYouTubeにたくさん投稿された。
(補足しておくと、11th Core i シリーズのローエンドやミドルレンジは優秀でCore i5などは人気となった)
しかし、Intelもやられっぱなしではない。11月にP-CoreとE-Coreをもつハイブリッドアーキテクチャを採用したCore i 12thシリーズを投入。この12世代は革命的で、私も魅了された内の一人であった。
RTX3000シリーズによるグラボの革命
グラボといえばNVIDIA。そんな印象が今日強く根付いている。2020年9月にそんなNVIDIAからRTX3000シリーズのうちRTX3090/RTX3080/RTX3070が発売された。これもまた革命であった。RTX3070は前世代の最強RTX2080Tiに匹敵する性能であったからだ。またRTX3080は4K60Hz環境が見える、RTX3090は潤沢なVRAMによるVR Chatのような用途へ利用できるとして人気となった。
一方でその性能を実現するために必要な電力の高さも話題となった。
ハイエンドでは350W~450Wも消費する。
電力だけで見れば誰が買うねんというものであったが、その性能の高さは本物であり売り切れてしまうのであった。
翌年2021年には性能をより刻む形でRTX3060, 3060Ti, 3070Ti, 3080Tiを2022年にはRTX3090Ti, 3050を発売した。特にRTX3060TiはRTX2080Super相当であり、RTX2060 Super相当のRTX3060に対し性能に開きがあった。
いざ買い替え
友人たちもRTX3080や3070, i7-10700KやRyzen 5950Xなどインパクトの強かったパーツを購入し自作ブームの流れに乗ってPCを乗り換えるなどしていた。当然私もこの流れに乗った。
私が買い替えを検討したのは2021年夏ごろから。
12th Intel Core iシリーズに魅せられてしまったのであった。
また、普段使いしているモニターをFull HD 60HzからWQHD 165Hzへ買い替えたため、いよいよi7-4790K/RTX2060では厳しくなってきていたのもあった。
2014年から驚異の粘りを見せてくれたi7-4790Kに感謝しつつ、今回はお値段と相談しながら選定を進めた。
予算は40万円。さぁどうなる?
パーツ選定
ここからは現在メインPCとして活躍しているお気に入りのMy PCについて書いていく。
とりあえずその時候補になったパーツを並べる。
CPU:i9-12900K
選定理由:いっちゃんええやつ。シングル性能もマルチ性能も11世代から飛躍。ハイブリッドアーキテクチャにより、アイドル状態の消費電力はノートPC並みに抑えられる。250Wや300Wに到達する消費電力の高さと発熱の大きさは話題となったが、そんな状況は常にCPU使用率が100%になる使い方をしない限り起こりえない。ゲームするならi9-12900Kは100Wも使用しないケースが多い。実は低燃費CPUなんです。
マザーボード:ROG STRIX Z690-F GAMING Wifi
選定理由:M.2 SSDが取り付けやすい。引っ越す可能性があり、必ずしも部屋にLAN端子があるとは限らないから保険として無線接続可能なマザーボードを用意。ASUSはドライバのインストールが簡単でそういったところも理由の一つ。
RAM:Crucial DDR5-4800 32GB(16GBx2)
選定理由:新規格!!DDR5を試してみたい!
ストレージ:WD NVMe M.2 SSD 1TB PCI Express 4.0
選定理由:信頼のWD SSD
GPU:RTX3090
選定理由: いっちゃんええやつ(2021年時点)
電源:CoolerMaster V850 GOLD V2 850W
選定理由:これを超えることはないだろう。
ケース: Fractal Design Define 7
選定理由:カスタマイズ性が高いうえに、通気性もよく見た目がかっこいい。デメリットとしては重いが気にしない。
CPUクーラー:CUE H115i ELITE CAPELLIX
選定理由:クーラーの穴の位置まで変わりややこしかった12世代。失敗したくないのでYouTuberの某氏が使っていたものをそのまま候補へ。
OS:Windows 10 Home
選定理由:まぁProやなくてええやろ。リモートとかやらんし。
結果
予算オーバー
これは値段がすごいことになりました。
50万円を超えてしまったのだ。さすがに、、、ということでここからは値段を削る方向で考えていく。
譲れないものはPCケース。これは組み上げた後最も目にする部分である。ここが気に入らなければ元も子もない。
パーツ再選定
CPU:i9-12900K→i9-12900KF
理由:どうせグラボ使うし、映らなくなったら適当に安いグラボをその時買ってきて差し替えて確認すればいいや。中古GTX1060とか。
RAM : Crucial DDR5-4800(16GBx2) → Corsair DDR4-3600 16GB(8GBx2)
理由:どうもDDR5は成熟が進んでおらず、十分に成熟したハイクロックDDR4のほうが優秀な場合があるというのが調べていく中でわかってきた。更にDDR5はGear2動作するらしくそれも微妙とのこと。DDR4は標準規格が3200までだがOCメモリに挑戦。容量も欲張らず16GBで不足を感じたことがないため。
マザーボード: ROG STRIX Z690-F GAMING Wifi→MSI Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4
理由:DDR4の採用としたため。またMSIマザーは全体的に真っ黒でとてもかっこいい。TOMAHAWK WIFIは最上位ではないが十分強力な電源回路と放熱機構を備えている。それに光らないので安心。
ストレージ:WD NVMe M.2 SSD 1TB PCI Express 4.0→3.0
理由:PCI Express 3.0と4.0のロード時間の比較などを見てると体感に違いが出るとは思えなかった。莫大な量のデータを移動するときには違いが出るかもしれないが、大容量データを頻繁に移動させるような運用はしていないため問題なし。そして、そもそも3.0でもすごく早くてSATA上がりの私としては文句のつけようもない。
GPU: RTX3090→ MSI RTX3080Ti Ventus 3X 12G OC LHR
理由:CUDAコア数の差がほぼない(10496と10240)。違いはVRAM容量であり、これは機械学習やVR Chat, 4K超重量タイトル、レイトレーシング使用のような激重案件にしか効いてこない。私の場合グラボを追加する理由はゲームをするためであり、この用途に限るとVRAMを12GBに減らす代わりに安くなったにも関わらず、RTX3090に匹敵するコアを持つRTX3080Tiは魅力的である。実際RTX3080Tiのゲーム性能はRTX3090に匹敵し、RTX3080とは開きがある検証結果がいろんなところで挙がっていた。Tiは下位グレードと上位グレードのちょうど真ん中の性能、というわけではないところが難しいところである。VENTUSにしたのは光ってほしくないから。光るのは水冷クーラーとメモリだけで十分。その反射光で全体的にきれいに見える。
CPUクーラー:CUE H115i ELITE CAPELLIX→ROG STRIX LC II 360
理由:むしろ値上がり。理由は在庫切れ。12thインテルのソケットに対応したリテンションがついている製品を選ぶ必要があり、中には「ついてないから申請したら送るよ」とか「準備中!いつ送れるかわからないけど対応するよ」みたいなのがあった。慎重に選び、リテンションがついているものを選定するとROG STRIXに行きついた。見た目が好みだったのもありこれに決定。
結果
42万円になりました。使用していたPCの処分や不要になったものをハードオフなどに持っていったりポイントがついたりで予算の40万を満たすことが可能と判断し、これで確定。i9-12900KFとRTX3080Tiの組み合わせで得られるベンチマークのスコアなどはおおよそネット上に落ちているものを同じであったため割愛。
今現在
ここまでお読みくださりありがとうございました。
上記のPCは現在も稼働中です。
大きなトラブルとしては電源の異音問題があり、1000W電源を購入し換装することで無事解決しました。なお、2台目のPCはもう手元にありませんが1台目のPCはChrome OS Flexをインストールして動作の軽快さを取り戻しました。かつて使用したPCを眺めると、そのPCを使って色々やっていたこと共に当時の情景を思い出し懐かしい気持ちになります。
私はPCと向き合って成長してきたように思います。
何かを学ぶ時もPCを使用し、遊ぶときも使用し、趣味のためにも使用する。
スマートフォンよりもはるかに長い時間をPCの前で過ごしていると思います。私にかけがえのない経験を与え続けてくれているPCに感謝しつつ、これからも使わせてもらおうと思っています。
PCと共に人生を歩んできた方は多いと思います。
昔使っていたPCにはその時の記憶が刻み込まれています。
たまには回想してみるのもいいかもしれません。
なお今はメインPCのi9をOCしたりメモリをDDR4-4000 32GB(16GBx2)に変えたりと色々沼にハマりかけています。。。
RTX4000番台や14th Intel Ryzen7000/9000シリーズなど新しいものは出続けていますが、ゲーム性能としてはRTX4070 Super相当をキープ。まだまだやって行けそうです。モンハンワイルズの要求スペックには驚かされましたが、本当にゲームはどんどん重たくなっていきますね。当時はオーバースペック気味に感じていたこのPCですが、年数経るごとに周りのPCと大差ない性能だな。。。って感じることが多くなった気がします。
今使用中のPCは予算も組んでパーツも選定して自ら組み上げたものだからか、非常に愛着がわいています。CPUやGPUのオーバークロックも楽しんでできる限り長く使いたいなと思います。このオーバークロックは低電圧化も含んでおり、いつか記事にできたらいいなと考えています。