驕らない

　私は遠回りして医学部に入った。

　医学部に編入したのは28歳のとき。医師になったのときには32歳になっていた。

　51歳の今、32歳なんて若いよねと思うが、その時は30代になってようやく社会人かと考えが深かった。

　生命科学系の研究の世界を多少経験してから医学部に入ったわけで、 ある種似た世界の間を移動しただけなのかもしれないが、それでも色々違った慣習があった。