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 先日声優の田中敦子さんが亡くなられた。

 享年61。まだまだお若かった。私と9歳しか違わないではないか…。心よりご冥福をお祈りする。

 記事でも触れられている通り、田中さんの代表作は「少佐」こと、攻殻機動隊の草薙素子役だろう。

 攻殻機動隊は私も大好きで、士郎正宗のコミック、映画版、各種のTVシリーズは概ね見ている。DVDも複数持っている。映画も観に行った。

 なんと言っても、電脳てネットに繋がる世界を予見したあの世界観に魅せられており、そこは原作者の士郎正宗氏の卓越した想像力ゆえだろう。

 ナガラスマホの人間に衝突されるたびに、スマホなどというデバイスに繋がらず、電脳で直接繋がる時代よ早く来い、と思う。

 というわけで、田中さんを偲んで、攻殻機動隊を見直すことにした。

 見直したのは、世界観が一番好きなSTAND ALONE COMPLEXシリーズ3部作だ。

 難民問題や少子化がテーマになるなど、今の時代を予言したかのような設定。AIに「ゴースト」は宿るのかという問題も扱う先見性。舞台の新浜市が神戸なので、それも親近感がある。このシリーズだけの話ではないが、士郎正宗氏が神戸出身なのも興味深い。

 久々に見直して驚いたのは、このシリーズの発端の笑い男の事件が、2024年2月に起こっているという設定だったことだ。

 今年じゃん!

 検索してみると、それを記念したイベントもあったようだ。

 ああ、気がついていたら盛り上がれたのに…。

 ところで、作品を見ていて気になることがあった。

 いわゆるゼロ年代の初頭から半ばの時点で想像した2020年から2030年が描かれている。もちろん電脳はないし、首の後ろにジャックもない。義体もないわけで、そこら辺はまだテクノロジーが追いついていないということだろう。

 そこは全然気にはならない。もっと先の時代の設定だと、完全なSFになってしまい、今と地続きの近未来というリアリティを失ってしまうからだ。

 ゼロ年代半ばまでの想像力ではどうしても考えつかなかったもの。それは…。

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