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ワーケーション、二地域居住と病理医 近未来予想図

 最近医師のワーケーションが話題になっている。

 フルタイムの勤務は難しくても、週に数日勤めてもらえればありがたいという地域が、宿泊費、交通費などを出して医師を募集している。斡旋する会社もある。

 なかなか食指を動かされる話ではある。

 医師にとって気分転換になるし、一日でも応援があれば常勤医が休めるのは、受け入れ病院にとってもありがたいだろう。

 私自身フリーランスとして各地を転々とする毎日なので、勤務先の一つを観光地にしてちょっとエンジョイなんてできたらいいなと思っている。

 ただ、なかなか難しいかなとも思う。

 病理診断はスポットで働くには向いていない部分がある。もちろん概ね1回で完結するのだが、追加検索などをしなければならなくなる場合も多い。そうなると、翌週来ないといけなかったりする。

 むしろ二拠点居住のほうが向いているかもしれない。

 週の前半A病院、週の後半B病院に勤めるという生活だ。

 ただ、病理診断の場合、病院側は常勤医を雇って管理加算を取りたい場合が多く、だったら週4日勤めて常勤になってくれ、と言われる可能性が高い。

 また、観光地には大病院はなく、病理診断は外注検査でいいだろう、というケースも多く、需要がそもそもないかもしれない。

 小児科医などと違って、わざわざ交通費出して来てもらうよりは、外注に出したほうが安上がりになるのだ。

 というわけで、体が移動する多拠点、ワーケーションは難しい。

 ただ、この4年半、フリーランス病理医という形態を模索する中で、見えてきたこともある。

 病理医の新しい働き方は、おそらく近い将来可能になるということを。

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