
◯◯世代という言葉がある。
団塊の世代などは有名だろう。今は亡き堺屋太一氏が名付けたというこの言葉。戦後ベビーブーム世代の消費、政治動向などを鋭く切り取り流行語になった。
これは日本だけの話ではない。
例えばアメリカのロストジェネレーションは以下のように定義されている。
アメリカにおいて、第一次世界大戦中に成年期を迎え、戦争体験を通じて、既存の思想、道徳、宗教に不信の念を抱き、またアメリカ文化の俗物性に絶望し、新しい生き方を求めた世代をいう。「失われた世代」「迷える世代」「喪失の世代」「幻滅の世代」などと翻訳されている。この名称は、G・スタインがパリでヘミングウェイにいった「あなたがたはロスト・ジェネレーションね」ということばを、ヘミングウェイが『日はまた昇る』(1926)の見返しに用いたことから有名になった。
こうした世代論は、非常にざっくりしているのが特徴だ。
同じ年代に生まれたからと言って、必ずしも皆が同じ体験をしたわけではない。当然例外が出る。それを承知でざっくりと分類し、なんとなく当たっているなあという気になっているだけとも言える。
もちろん、何らかの調査である種の傾向が出ることもあるが、それもぼんやりしている。わずか1歳や2歳違うだけで大きな違いが出るわけではない。
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