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「裁量権」とハラスメント
年度末を中心に、年度の変わり目には大学教員の不祥事処分が多数公表される。
私はメルマガに「研究事件簿」というコーナーを設けるなど、こうした不祥事の事例を収集している。
ここ数日でも、以下のような事例が公表されている。
それぞれの事例が報道もされている。
千葉大の事例は、当事者の元教員の方がXに投稿されていた。
かねてより申し立ててたハラスメントの件、結果がでました。処分量定は停職4月でした。皆様にはご心配いただき本当にありがとうございました。… pic.twitter.com/qQUQwiFUIO
— KTYD (@KTYDRCB) April 17, 2024
被害者の方が納得できる処分が出たことはとても良かった。
こうした不祥事、とくにハラスメントは、被害に遭われた方々の人生を変えてしまう深刻な加害だ。
こうした事例が絶えないのは、大学の教員に大きな「裁量権」が与えられているからだ。
確かに近年、大学は国の干渉を受け、学問の自由は危機にあると言える。しかし、大学の自治、自律に干渉があると言えど、個々の研究室における教授の権限はまだまだ大きい。
この「裁量権」の名の下に、今日もどこかでハラスメントが起きている。
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