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第二期トランプ政権と科学
あの人が戻ってくる…。
そう、トランプ氏だ。
科学界がどうなるかは、正直見通しが暗い。
Nature社説は悲壮感漂う。
Nature社説。悲壮感漂う。
— 榎木英介 独立系病理医(学士編入) (@enodon) November 6, 2024
"アメリカはドナルド・トランプ氏を大統領に再選した。多くの研究者はネイチャー誌に対し、選挙結果は事実、理性、知識、礼儀正しさの後退であると見て絶望していると語っている。"https://t.co/lTNoicjgFv
1国の元首が成す事は多岐に渡り、全て完璧な元首も全てダメな元首も存在しない。けど科学系の人々が概ね悲観的なのは、前回を思い出すから。しかし、この苦難にこそ団結し声を上げ続けなければならないよね。
— 彩恵りり🧚♀️科学ライター兼Vtuber🍀 (@Science_Release) November 7, 2024
以下リプでNature社説を粗訳。原文読める人はそっちが良いかも。https://t.co/cBkk5yUyD5
前回のトランプ政権時代にはいろいろあった。私自身Yahoo!ニュース個人にいくつかの記事を書いた。
8年前の記事だが、その時と同じ、いや、より強い不安が科学界を襲う。
あのころの混乱を思い出すと、なんとも言えない気分になる。
第一期のトランプ政権がどのようなものだったのか。
上記はアメリカの大統領府科学技術政策局(OSTP)がまとめた資料を要約しているが、それを読むと、何もすべて暗黒だった、というわけではない。
同報告書は、トランプ政権4年間の科学技術政策の成果を包括的にまとめたもので、AIや量子などの「未来の産業」、宇宙、安全保障といった重点分野における研究開発の加速や、COVID-19対応に関わる医療・公衆衛生の取り組み、またこれら研究・イノベーションの基盤となる人材育成や研究環境整備など多岐に亘る実績を強調している。
しかし、そんな建前を言われても、納得はいかないだろう。
2020年の大統領選のとき、Nature誌は怒りのトランプ政権批判を行っている。
11月3日に再選を目指すトランプ大統領のCOVID-19をめぐる行動は、過去4年間に彼が科学とその機関に与えたダメージの一例に過ぎず、人命と生活に影響を及ぼしている。 大統領とその任命者はまた、温室効果ガスの排出を抑制する努力を後退させ、汚染を制限する規則を弱め、米国環境保護庁(EPA)における科学の役割を低下させた。 多くの機関にわたって、同政権は政治的決定を支持するために証拠を抑圧したり歪曲したりすることで、科学的誠実さを損なった、と政策専門家は言う。
共和党のジョージ・W・ブッシュ前大統領の下で環境保護庁を率いたクリスティン・トッド・ホイットマンは、「環境や科学に対するこれほど組織的な戦争は見たことがない」と言う。
トランプはまた、孤立主義的な政策や暴言によって、国際舞台におけるアメリカの地位を低下させている。 多くの観光客や非ヨーロッパ系移民に国の門戸を閉ざすことで、彼は外国人学生や研究者にとって米国が魅力的でない国にしてしまった。 また、世界保健機関(WHO)などの国際機関を悪者扱いすることで、トランプはアメリカの世界的危機への対応力を弱め、国の科学を孤立させている。
私にとって忘れられないのが、中国人研究者をターゲットにしたチャイナイニシアチブだ。
司法省がトランプ政権下の2018年に始めた対中捜査プログラム。
ぬれぎぬの逮捕者を出し、研究者の運命を変えた。MITテクノロジーレビューが熱心に報道し、問題点が明らかになった。
チャイナイニシアチブは取り下げられるにいたった。
しかし、それはバイデン政権になってからのことだ。トランプ政権に戻ったら、チャイナイニシアチブが戻ってくるのだろうか。
このチャイナイニシアチブ。日本の政権にも影響を与え、日本学術会議への攻撃や、中国に渡った日本人基礎科学研究者へのバッシングにつながった。
大川原化工機の事件も、同じ流れなのだろう。
先日の総選挙で、いわば「劣化版」チャイナイニシアチブを先導した甘利明氏が落選した。
ようやく流れが変わると思った矢先だ。
日本版「チャイナイニシアチブ」が戻ってこないことを願いたい。
今後どうなるかはみずほリサーチ&テクノロジーズの分析が詳しいが、基礎科学研究に関する方向性ははっきりしない。
いずれにせよ、あの4年間が再び戻ってくることは想定しておかなければならない。
第一期のトランプ政権時代、研究者たちはデモをしたり、議員に立候補したりと、いろいろな「抵抗」を見せた。
科学と政治は切り離せない。
日本の我々も、できることは多々ある。絶望せず、できることをやっていこう。
さて、以下は有料記事で、大統領選雑感を続けたい。別記事になっている。
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