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人口減少期の博士増
先ごろ文部科学省が発表したあるプランが、SNS上で物議を醸している。
朝日新聞の見出しが強烈だったので、とくに氷河期世代の人たちの感情が爆発し、博士の言葉がXのトレンドにもなった。
博士3倍が一人歩きしているが、元の資料を見ると、人口100万人あたりの博士号取得者を3倍にするということで、決して実数を3倍にするわけではない。
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というわけで、新聞報道のみで云々するのはどうかと思うが、懸念が出るのは当然だ。日本では(日本でも)過去何度も博士号取得者の増加を試みたことがあるからだ。
1950年代以降、「博士を増やすための政策」は何度か施行され、国の意向を反映して博士の数は増えてきました。最も有名であろう「大学院重点化×ポスドク一万人計画」ですが、
— あかのん|アカデミアノート (@HAcademianote) March 28, 2024
✅急増した博士取得者と比して、25~35歳の大学教員採用数は増えなかった(図)… pic.twitter.com/oxtCKu1Py8
詳しくは私の著書も引用していただいている以下の記事が詳しい。
ついでに私の著書も宣伝させていただく。
さて本題に入るが、今回の博士増計画は、今までにない特徴があり、それゆえ四半世紀前のポスドク1万人計画や博士倍増計画のようにはならないように思う。
なぜなら、今回は日本史上(主語がでかい)初めて、人口減少期に博士増を試みる計画だからだ。
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