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「実力」の「呪い」
先日雇い止めに関する会で発表させていただいた。
その発表でも触れたし、また、雇い止め訴訟の当事者の方の業績や仕事ぶりを見ればすぐにでも分かることだが、雇い止めされた人たちは、「実力」がないから雇い止めされたわけではない。
とくに、若手の有望株が雇い止めされた理研の事例を見れば、雇い止めが言うことを聞かない若手の制裁に使われているわけで、雇い止めと「実力」には関係はないケースも多い。
しかし、雇い止め問題を語ると、雇い止めされた人たちは実力がなかったのだ、仕方ないという人は多い。
現実社会だって、「実力」なるものに沿った雇用が行われているわけではないことくらい、多くの人たちが知っているはずだ。就職氷河期と呼ばれる時期に発生した「不本意就職」などを見れば、決して実力だけが雇用を決めるファクターではないことくらい分かる。
にもかかわらず、「雇用は実力」と言う人が後を絶たない。話を聞くと、本気でそう思っているのだろうな、というケースが多い。
これはなぜなのか。
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