【就活】AI面接をどう乗り越えるか
AI面接官は突然やってくる
先日、飲料メーカーのキリンホールディングスを第一志望とする就活生の相談に乗った。
「一次面接がAI面接なんですよ」
なんと。AIが面接官をする日も遠くないと思ってはいたが、もう未来がそこにやってきていたのだ。
キリンのAI面接官はVARIETAS社のサービスを利用している。
「社会人基礎力」が評価されている
このAI面接官は、社会人基礎力を構成する能力要素を多角的に評価するとのことだ(もちろんAI面接官によって何をベースに評価するのかは異なる)。
3つの能力と、12の能力要素との関係は次の通りだ。
前に踏み出す力
前に踏み出す力とは、①主体性、②働きかける力、③実行力。
考え抜く力
考え抜く力とは、④課題発見力、⑤計画力、⑥想像力。
チームで働く力
チームで働く力とは、⑦発信力、⑧傾聴力、⑨柔軟性、⑩状況把握力、⑪規律性、⑫ストレスコントロール力。
社会人基礎力をガクチカに盛り込む
面接官が人間でもAIでも、学生時代にがんばったこと(ガクチカ)は質問される可能性が高い。このガクチカに、上記の社会人基礎力(12の能力要素)を盛り込んでAI面接を乗り切りたい。
ガクチカ本編での盛り込み
ガクチカの構成は通常、状況説明→課題→施策→成果という流れになる。ここに社会人基礎力の能力要素を盛り込むとすると、状況説明(⑩状況把握力)→課題(④課題発見力)→施策(①主体性、②働きかける力、⑤計画力、③実行力)→成果となるだろう。
ガクチカ深堀での盛り込み
ガクチカ本編に12の能力要素をすべて盛り込むのは至難の技なので、良くある深堀の質問「困難だったことは何ですか」に対する回答に残りを盛り込もう。
例えば、モチベーションが低下するメンバーがいたことが困難だったとして、メンバーの話を聞き(⑧傾聴力)、気持ちを察し(⑥想像力)、当初の施策を変更した(⑨柔軟性)などのエピソードを盛り込めると良い。
他質問での盛り込み
12の能力要素のうち、⑦発信力、⑪規律性、⑫ストレスコントロール力はガクチカに盛り込めなかったが、他の質問の回答に盛り込めるように意識したい。例えば、⑦発信力については、日ごろからSNS等でアウトプットしているようであれば、自己紹介などでアピールできると良いだろう。
おわりに
AI面接官に対して、就活生は極端な二つのスタンスを取りがちだ。
1つ目は、「面接官が人間でもAIでも、私は自然体で臨んで実力をアピールする」というスタンスである。しかし、自然に臨めば自然な結果しか返ってこない。合格率を少しでも高めるためには準備は必要だ。AI面接がある企業を受けるときは少なくとも、その企業がどんなAI面接官サービスを使っているか調べて対策したい。トライアル的に利用できるサービスもあるので、その場合は一度試してみると良いだろう。
2つ目は、「どこまでも細かなAI対策をしなければ気がすまない」というスタンスである。SEO対策に注力するが中身がほぼないブログのように、対策の優先順位を間違えてはいけない。多彩な経験を積み、自己分析を重ねて考えを深め、アピールできるようになることが主で、AI対策はあくまで従である。
考え方のバランスをうまく取りながら、効率よくAI面接の対策をして乗り切っていきたいものだ。