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【就活】AI面接をどう乗り越えるか

AI面接官は突然やってくる

先日、飲料メーカーのキリンホールディングスを第一志望とする就活生の相談に乗った。

「一次面接がAI面接なんですよ」

なんと。AIが面接官をする日も遠くないと思ってはいたが、もう未来がそこにやってきていたのだ。

 キリンホールディングスは10月16日、生成AIによって面接の質疑や候補者の評価を行うサービス「AI面接官」を試験導入すると発表した。2026年卒の新卒採用から導入し、エントリーシートの読み込みから1次面接までをAI面接官が担当する。

https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2410/16/news176.html

キリンのAI面接官はVARIETAS社のサービスを利用している。

AI面接官が、ES(エントリーシート)の読み込みから一次面接を担当し、社会人基礎力を構成する能力要素を多角的に評価します。これにより、通常の人による面接で評価される約6倍の視点から候補者のポテンシャルや実力を正確に評価し、面接慣れしていない候補者や、ある項目に秀でている候補者を見逃さない形で初期選考を行うことができます。

なお、AI面接官の評価や面接録画データ等をもとに採用担当者が最終的に通過者確定を行い、その後、二次選考以降の採用活動が行われます。

prtimes.jp

「社会人基礎力」が評価されている

このAI面接官は、社会人基礎力を構成する能力要素を多角的に評価するとのことだ(もちろんAI面接官によって何をベースに評価するのかは異なる)。

社会人基礎力」とは、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が2006年に提唱しました。

経済産業省

3つの能力と、12の能力要素との関係は次の通りだ。

前に踏み出す力

前に踏み出す力とは、①主体性、②働きかける力、③実行力

考え抜く力

考え抜く力とは、④課題発見力、⑤計画力、⑥想像力

チームで働く力

チームで働く力とは、⑦発信力、⑧傾聴力、⑨柔軟性、⑩状況把握力、⑪規律性、⑫ストレスコントロール力。

社会人基礎力をガクチカに盛り込む

面接官が人間でもAIでも、学生時代にがんばったこと(ガクチカ)は質問される可能性が高い。このガクチカに、上記の社会人基礎力(12の能力要素)を盛り込んでAI面接を乗り切りたい。

ガクチカ本編での盛り込み

ガクチカの構成は通常、状況説明→課題→施策→成果という流れになる。ここに社会人基礎力の能力要素を盛り込むとすると、状況説明(⑩状況把握力)→課題(④課題発見力)→施策(①主体性、②働きかける力、⑤計画力、実行力)→成果となるだろう。

ガクチカ深堀での盛り込み

ガクチカ本編に12の能力要素をすべて盛り込むのは至難の技なので、良くある深堀の質問「困難だったことは何ですか」に対する回答に残りを盛り込もう。
例えば、モチベーションが低下するメンバーがいたことが困難だったとして、メンバーの話を聞き(⑧傾聴力)、気持ちを察し(⑥想像力)、当初の施策を変更した(⑨柔軟性)などのエピソードを盛り込めると良い。

他質問での盛り込み

12の能力要素のうち、⑦発信力、⑪規律性、⑫ストレスコントロール力はガクチカに盛り込めなかったが、他の質問の回答に盛り込めるように意識したい。例えば、⑦発信力については、日ごろからSNS等でアウトプットしているようであれば、自己紹介などでアピールできると良いだろう。

おわりに

AI面接官に対して、就活生は極端な二つのスタンスを取りがちだ。

1つ目は、「面接官が人間でもAIでも、私は自然体で臨んで実力をアピールする」というスタンスである。しかし、自然に臨めば自然な結果しか返ってこない。合格率を少しでも高めるためには準備は必要だ。AI面接がある企業を受けるときは少なくとも、その企業がどんなAI面接官サービスを使っているか調べて対策したい。トライアル的に利用できるサービスもあるので、その場合は一度試してみると良いだろう。

2つ目は、「どこまでも細かなAI対策をしなければ気がすまない」というスタンスである。SEO対策に注力するが中身がほぼないブログのように、対策の優先順位を間違えてはいけない。多彩な経験を積み、自己分析を重ねて考えを深め、アピールできるようになることが主で、AI対策はあくまで従である。

考え方のバランスをうまく取りながら、効率よくAI面接の対策をして乗り切っていきたいものだ。

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