違和感ノート vol.02
「優秀な公務員になるための第一歩は、良い文書や資料をつくることだ」
これは、僕が役所に入ってまず初めに教わったことの1つです。
そして、新採職員には「文書事務の手引き」なるものが配られます。
「文書事務の手引き」とは
行政の適正かつ効率的な運営を実現するため、行政機関が行う事務や事業、意思決定の過程などは文書で記録しましょうという、文書主義の原則(しっかり、「公文書等の管理に関する法律」という法律で規定されています)を、実務レベルに落とし込み、文書事務に関する基本的なルールをまとめたものが、この「文書事務の手引き」です。
ただ、僕にはどうもこの「文書事務の手引き」を読む気が起きず、今になっても上司から資料に赤ペンを入れられたりして、まだ良い文書が書ける優秀な公務員にはなれていません。。。
では、なぜ読む気が起きないのかというと、この手引き400ページ近くあり、その内容もとても細かなことが書かれていたりするからです。
例えば、文書の項番をつける順番は、「第1」→「1」→「(1)」→「ア」→「(ア)」→「A」→「(a)」とすること、「~~、~~」この例文の場合は「、」は付けないとか、文書を3段キャビネットに保存する場合は、一番下の段に前年度の文書を格納し……、ファイルの見出しは……、見出しの書き方は……。
赤ペンチェック
もちろん、文書主義の原則は当然大事ですし、起案や資料を作るうえでも、相手に伝わりやすいように書くことは心がけていますし、保存年限を守って文書の管理・保管しています。
ただ、いくら相手に分かりやすく伝えようという心構えで臨んでも、上司による赤ペンチェックがちょいちょい入って書き直しになったりすることが多々あります。残念ながら。
それが、自分の能力不足による読み取りづらい文章だったなら、修正しつつ勉強するところですが、指摘が多いのがこんなことだったりします。
「平成30年4月28日付け、~~~」の、付けの「け」は取りなさい。
ここの見出しはゴシックで太字にして。
数字1文字なら全角で、2文字以上の場合は半角で書いてね。
「及び」は、ひらがなの「および」だからね。
などなど。
100歩譲って、一般に公開される文書ならまだしも、内部で供覧するだけの資料でもこういった指摘があったりします。
そして、往々にしてこういう指摘があるときは、「こういうのって、これが絶対に正しいってものでもないんだけど、手引きにも書いてあるんだから、それで統一してね」と付け加えてアドバイスされたりします。
うーむ。伝わればいいって訳でもないらしい。手引き恐るべし。。。
※お詫びと訂正
上記「違和感ノート vol.02」の本文中に以下のような誤りがございました。
読者の方々に深くお詫びすると共に、訂正いたします。
誤:100歩譲って、
正:100歩譲って、
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