関係性をアップデートする
親しい人に違和感を感じても、なかなか伝えることができない。積もりに積もって、ある時爆発する。揉めたり、険悪になったり、何かしら苦い体験をお土産に、関係が終わってしまう。
生きていく上で、誰もがそれぞれのスピードで、それぞれの方向に変化していく。だからある人とずっと同じ関係でいることは難しい。時にはアップデートしたり、一旦解消したり、また再開したりと、関係性自体も成長させていかなくてはならない。
それが私は本当に下手くそで、困る。とても困る。
ある日違和感を覚えて、やり過ごす。また似た違和感、私の気が立ってるだけかな。また違和感、これはもしかして。またまた違和感、ああもうだめ。限界まで来る。ザクっと切っちゃう。さようなら。
なんでいつもこうなんだろう。深い関わりがあった人ほど、深い傷跡が残る。上手く修復できた人も中にはいるけど、上手くいかなかった人がほとんどだ。上手く関係性をアップデートできるのは、向こうが私よりずーっと大人だった場合だけ。基本的に私がざっくり切って終了してしまう。
何か違和感があったり、これは許せないぞ、っていうことがあった時、その場で言えたらいいのだけど、なかなか言えない。普段は主張しすぎるくらいに自己主張できるんだけど、親しい間柄になると急に何も言えなくなる。察してくれるのを待っているとか、言いたくないとかいうわけでもない。なんか言えない。自分の感覚に自信が持てない。
自分が、相手の不誠実さ、非情さ、独占欲、利己心、そういうものに敏感すぎるのはある。そういうのって、何気ない一言や行動から全部見えてしまうものだ。相手には全く無意識である言動に、いち早くピンときて、勝手に落胆してしまう。損な性格。
この人は、自分が人から受け取る事しか考えないんだ、とか、自分のためにどれだけの人が動いてくれたのかとか考えないんだ、とか、反省のポーズを取れば全部許されると思ってるんだ、とか考え始めちゃうと、もうどんな良いところも霞んでしまう。
そう感じた時に、それって不誠実じゃない?自分本位すぎない?こう考えたほうがいいんじゃない?って提案できれば良いのに。自分がこう在りたいと考えていることは、自分では実践するけれど、人に提案するほど優れた考えなのかと疑ってしまう。
私自身が、相手と、相手から自分への信頼を信じることができていないんだと思う。こんなこと言ったら険悪になるだけかな、自分が過敏すぎるだけで別に普通のことなのかなってぐるぐる考えちゃって怖くって、何も言うことができない。
私が何も言わないから、相手は私が疑問に感じている部分に気づけなくて、そのままで、そのうち私が耐えられなくなって、ぷっつり別れてしまう。もしも私がなんらかのアクションを起こして、違和感を感じていることを伝えられても、その人は変わらないかもしれない。でも、私の言葉を受けて、「受け入れない」という意思表示ができる。私はその機会を相手に与えないまま勝手に別れてしまう。それは良くないことだと思う。
寛容さもなければ、変わるきっかけも与えない。本当に一方的な終わり方をしてしまう。
終わる手前の崖っぷちのタイミングで、私の膨れ上がった負の感情を丸ごと受け止めてくれる人なんてなかなかいない。色々あったけど今でも仲のいいある友人には、そこで私の言ったことが伝わった。なんだもっと早く言ってくれればよかったのにと笑いつつも、気付かなくてごめんね、と言ってくれて、結果的に変わってくれて、良好な関係を再構築することができた。そこで変わってくれることだけが良いってわけじゃなくて、意見が合わなかったらとことん喧嘩すればいい。普通はこんなにややこしいことにはならなくて、もっと頻繁に喧嘩して、仲直りして、どんどんアップデートしていくものなんだろうな。友人でも恋人でも家族でも。自分には足りないものだ。
自分の直感に対してもっと誠実でいたい。自分の感覚はこんなに訴えてくれているのに、後でややこしくなるってわかっているのに、無視してこれまで通りの関係を維持しようとする。だからどんどん辛くなってばーんと爆ぜてしまう。
本当自分て嫌なやつだな〜と思って嫌になる。自分にめちゃめちゃ厳しくて、人にもめちゃ厳しい。どうでも良いことばっかぺちゃくちゃ喋るくせに、肝心なことは何にも言えない。褒められても全然喜べないし、世の中は嫌いなものだらけで息苦しい。本当自分が嫌んなる!
なんてうじうじしてたら笑われた。終わったことは終わったこと。もうこれでおしまい。次なんかあったら改善すればいいじゃん、って友達が言ってくれた。本当にそう。そうなの。その人が例のアプデした人なんだけど。
今度違和感に出会ったら、臆さずにちゃんと伝えてみよう。私の好きな人なら、私を好きでいてくれる人ならきっと聞いてくれる。大丈夫。
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