ゴセックのガヴォットの疑問
昔、見たことがありますが、何十年も見ていないゴセックのガヴォットの楽譜。改めて楽譜を見て、完全に勘違いをしていたことに気がつきました。自分の記憶が事実と異なることは、誰にでもあることですが、このガヴォット(って書くのは文科省の指導にない文字があるので抵抗ありますが)は、実はガヴォットではないのです。というのは、てっきり3拍目から始まっているものと思っていたのに、ちょっと調べたら、見つかる楽譜全てが1拍目から始まっているのです。ガヴォットなら3拍目から始めなければなりません。しかし、旋律的には3拍目から始めた方がいいような。
母校の校歌は、三拍子という珍しいものなのですが、当時お世話になった音楽の先生が、私がこの校歌を3拍目のアウフタクトから始めるように変更した、とはっきり言っていたのです。それ以後ずっとそうなっています。しかし、私個人はずっと1拍目から始めた方が良いと思っています。そして、全く関係ない指揮者の方が、あれ、これ1拍目から始めた方がいいような音楽だね、と言ったとか。
学校の教科書で1拍目は強く、と教わりますが、この説明は音を強くすることではありません。拍そのもののことですが、拍を強くなんてどういう意味、となるので、普通に強く演奏することをする人は多いでしょう。どちらかというと強くという明確な意味ではなく、始まりの意味です。もちろんワルツなどは2拍目にアクセントがあるので、アクセントの意味でもありません。アクセントも強いではなく、長いになるときもあり、これもややこしい話で、これらはいわゆる質の違いであり、単純な言葉で説明したり、理解すると、大事なその性質がなくなってしまいます。
ゴセックのガヴォットはオリジナルが見つかりませんし、いつ今日の楽譜が作られたのかもわかりませんが、ガヴォットらしい曲で、これは3拍目から始まる楽譜に変えた方が良いと思っています。だから、もし私が演奏したら、共演者にもお願いし、そういう風に演奏するでしょう。絶対にその方がいいと確信しています。