ステップを深掘りする#3【ズラす方向は「横」だけ?】
ステップを踏んでディフェンス(以下DF)をズラすと何度も書いてきたが、ここで一つ付け加えたい事がある
ステップでDFをズラす方向について
これまで説明してきた中では
ボールキャリアがステップを踏んだ時にDFを「横」にズラすケースばかりを説明してきた
過去に使った画像を見てもそうなっている
これは皆さんもよく観るだろうし、ラグビーにおいてズラしは「横」であるケースがほとんどである
しかし、稀に「横じゃない方向」にズラす事がある
それがこのシーン
観ての通りDFが「横」ではなく「前」に倒れている
改めて観ると「あぁ、たまにこんなシーン観るな」と思った人も多いはず
アメフトではそこそこ観るが、ラグビーにおいてはたまにしかお見かけしない気がする
僕はこれを【縦にズラす】と言っている
【縦にズラす】とは?
この説明でも、やはり僕のステップ理論の根本である【間合い】【角度】【半円】が関係してくるので解らない人は先にこちらを読んでほしい
これまでの説明では「DFの半円を意識してそこには絶対に入るな」としてきた
しかし、「縦」にズラす場合は
DFの半円を意識して、そこに一歩だけ入ってすぐに出ろとなる
「え⁉︎半円入ったらDFがタックルしにくるやん!」と思った人、正解です♬
「横」と「縦」の違いはそこです
「横」は、DFがタックル出来ないような体勢にさせて避ける
に対して
「縦」は、DFにわざとタックルする体勢にさせて避ける
まず、大前提としてDFはボールキャリアが半円に入ったらタックルにいってしまうという性質を理解してください
半円というのは、DFの「罠」という考え方にすると、その罠に獲物が入れば捕まえようとアクションを起こすの当然
この性質を逆に利用するのです
DFの半円に一歩入り
タックルのアクションをさせて
再び半円を避けながら逃げる
これに引っかかるとDFは無様に前のめりに倒れるしかなくなる
これが「縦」にズラすステップ
ただし、このステップには条件があり
DFが前進していない時に限り使えるステップです
例えば大きなキックを蹴られたボールをキャッチしたフルバックがトップスピードで走ってくるDFにこのステップを踏んでも半円に入った瞬間に捕まります
画像のように人が密集する場面やブレイクダウンの周りなど、DFがアタックの様子を見てしまってる状態の時に使えるステップです
では何故、このようなステップがアメフトでは多くてラグビーでは少ないのか
「その理由」と「このステップのコツ」が同じだと僕は考えてます
それが「下がるステップ」だから
画像見てもらったようにDFの半円に一歩入ってから半円を避けようとすると、一度体を後ろに下げなくてはいけません
ラグビーでは、この「下がる」という動きを言語化する人が少なかったのだと思います
なので、昔のステップ全般がそうだったように、このステップ理論も「センス」の一言で片付けられてしまうのではなく
こうして言語化する事で、「縦」にズラすステップを踏むという選択肢を持つ選手が増えれば良いなと思ってます
★★ステップレッスンやってます★★