「ラグビーを知ってる選手」とは?

先日の大阪研修で見学させて頂いた杉江塾 

この中でも書いたが、杉江塾の子供達は「ラグビーを知ってる」感じがした

今回は、この「ラグビーを知ってる」を言語化してみようと思う

まず、個々の能力は高かった

パス、キャッチ、ステップなど小学生とは思えないほど上手かった

しかしこれは「ラグビーが上手い」という事

これと、僕の感じた「ラグビーを知ってる」は違う

じゃぁ、「ラグビーを知ってる」って何だろう?

悩みに悩んだ結果、これになった

順番に説明していく

まず、「ラグビーを知ってる」の逆、

「ラグビーを知らない」とはどういう事かと考えてみると

ラグビーを知らない=【勝ち方】を知らない

その理由としては

【勝ち方】を知らない

試合での動き方がわからない

練習で試合が想像出来てない

練習の為の練習しかしてない

となる

まず最初に書くが

こうなってしまうのは全て指導者の責任です

間違っても選手の潜在能力などに任せるものではない事を大前提に話を進めます

先程の流れをものすごい極端に言うと、基礎基本オンリーの練習を積んでパスやタックルなどのスキルが異常に上達したところで試合では活躍出来ない

そりゃそうですよね

試合になれば相手がいるし、縦横無尽に走ってくるし、刻一刻と状況は変わるし、その中で瞬間的に判断をしていかなければいけないし

そんなの、基礎練習だけしても身につきません

これは誰にでもわかる事

これを読んで「そんな極端な練習なんてしてないよ」と鼻で笑う指導者の皆さん

そんな皆さんにお聞きします

皆さんは試合に結びつくような練習してますか?

選手達が試合を想像出来るような練習してますか?

そして、

皆さんの選手達は【勝ち方】を知ってますか?

【勝ち方】と聞くと「戦術」と思う人もいるかと思います

もちろん「戦術」も【勝ち方】に含まれますが、ここでの【勝ち方】はもっと単純でシンプルなもの

例えばこんな事

●大きくゲインした時に何を意識するか
●ライン側を攻撃された時は何を気をつけるか
●「チャンス」と「ピンチ」のタイミングを理解して動けているか

見てわかる通り、この中でパスの上手さやタックルの強さは二の次

どんなにパスが上手くてもチャンスの時にボールを貰えないと意味がない

どんなに低くて強いタックルが出来ててもボールキャリアの近くにいないとタックル出来ない

そんな、【当たり前の動き】または【次の展開が予測出来る動き】が出来るという事は、必然的に勝ちに近づく

という事で、一旦ここでラグビーを知ってる=【勝ち方】を知ってるとする

次に僕が思う「ラグビーを知ってる」選手の三つの特徴がこれ

①声を出してる
②自らの意思で動いている
③ラグビーが上手い

「ラグビーが上手い」と「ラグビーを知ってる」は違うと言いつつ、ここでまさかの「ラグビーが上手い」という言葉

でも、冷静に考えると

①と②が出来る選手は当然上手くなる

少し表現を変えると①+②=③という事にもなる

つまり

ラグビーが上手い=ラグビーを知ってる

とはならないが

ラグビーを知ってる=ラグビーが上手い

という事になる

ここまでをまとめると

【勝ち方】を知る→ラグビーを知る→ラグビーが上手くなる

こう書くと、ごく当たり前の事を書いてる感じがする

さらにここに、杉江さんが言っていたこの言葉を加えて考えていく

ここまでの過程で「楽しむ」という概念を入れると自分の中で訳わからなくなりそうだったので無視してきたが

ここで満を持して投入すると意外にも腑に落ちた

遊びでゲームをする時にボスを倒す為に攻略法を考える。わからなければ調べる。そのボスに勝っても次のボスが現れて、また【勝ち方】を考える。これって楽しいですよね。

それと同じだと思います

で、結果この図に至る

どうですか?

皆さんがどう思うかはわかりませんが、書いてる本人はめちゃくちゃ腑に落ちたので満足です笑

そして最後に

ではどうやったら「ラグビーを知ってる」選手が育つのか?

今のところ一つしか思いつかない

それは【ゲーム(試合)形式の経験値】

自分のラグビー塾について書いた時と同じ事を言うが

サッカーの練習では最後にゲーム形式の練習をするのが必須と言える程やっているのに、ラグビーの練習ではゲーム形式無しで終わるチームもよく見る

別に試合しろと言ってるわけではない

人数が少ないなら減らしてやればいいし、コンタクトを避けたいならタッチフットやタグラグビーでも良い

「試合っぽい」練習をする事で【ゲーム形式の経験値】が高まると思う

また、ゲーム形式をする事で基礎練習の大切さも理解できる

一回の練習の中で

基礎練習→ゲーム形式
もしくは
基礎練習→ゲーム形式→基礎練習→ゲーム形式

こんな感じの流れを作れば選手達も「何の為の練習か」「試合でどう使えるのか」というのが自然に身につくと思う


こうして、僕の中で「ラグビーを知ってる選手」は言語化された

でもね

だからと言って「杉江さんが教えれば最強」になるかと言えば、そういう事でもない笑笑

指導者があの図のどこに重点を置くかでチームや選手の色は変わってくる

いやぁ、ラグビーって奥深いですね笑

長くなりましたが、これが今のところの僕の答えです


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