ビールのCMで、出会いと対話のデザインを考える その3
このCMの②~④の部分を見てみましょう。
① 何をするのか、相手が誰なのか、まったく知らずに会う
② 指示に従って何かを組み立てる
③ 自分のことを「5つの形容詞」で表す
④ 相手と自分の「3つの共通点」を見つける
⑤ 組み立てが終わって、それが「カウンター」だと分かる
⑥ カウンターにビールを置く
⑦ それぞれの主張を記録した短い動画を見る
⑧ 「選択肢」が示される
⑨ 「対話」を始める
動画の1:02~
1. THE ICE BREAKER アイスブレーカー
2. Q & A
「あなたを5つの形容詞で説明してください」
「私とあなたが持つ3つの共通点を述べなさい」 というところです。
https://www.youtube.com/watch?v=tdsFCgiVOdo
二人は、いろいろな色や形、大きさの木製の箱や棒を、説明書の指示に従って組み立てていきます。
ワークショップの導入、初対面の参加者の距離を縮めるには、たんに挨拶をしたり、ありきたりの自己紹介をするのではなく、身体を動かすアイスブレイクが効果的です。それも、各々が体操をするような体の動かし方ではなく(それもわるくはないのですが)、一緒に何かをする、この動画にあるような共同作業は、もっとも効果的です。
しかもこの場合、
・何が出来上がるのか、説明書や部品を見ただけではわからないので、「謎解き」をするような面白さがある。
・作業がけっこう複雑で難しく、かつ、部品が重くて力も必要なので、二人で協力しなければ先に進めない。
・2~3分で終わるような簡単な作業ではないので、互いのことを観察する時間が生まれる。
・部品が木製で、温かみを感じる。
という特徴があり(すごくよく考えられていると思います)、二人の距離はいやおうなしに近づきます。
10分、15分・・・と、一緒に作業をしているうちに、
「子どもの頃にやった工作を思い出すわ」とか、
「こないだ作った組み立て式の本棚の方が簡単だったな」など、一人がふと口にした言葉から楽しいおしゃべりが始まり、相手に対する警戒感がほぐれるかもしれません。
二人が初対面で、まだ自己紹介もしていないので(名前くらいは言ったかもしれませんが)、見た目(顔や服装など)以外にほとんど判断材料がなく、この時点では、相手に対する先入観を持っていないこともプラスに働きます。
その上で
③ 自分のことを「5つの形容詞」で表す
④ 相手と自分の「3つの共通点」を見つける
というステップに進むわけですが、長くなってきたのでまた改めて別に書くことにします。
ハイネケンのCM「価値観の違う他人と仲良くなれるか?」の流れ
① 何をするのか、相手が誰なのか、まったく知らずに会う
② 指示に従って何かを組み立てる
③ 自分のことを「5つの形容詞」で表す
④ 相手と自分の「3つの共通点」を見つける
⑤ 組み立てが終わって、それが「カウンター」だと分かる
⑥ カウンターにビールを置く
⑦ それぞれの主張を記録した短い動画を見る
⑧ 「選択肢」が示される
⑨ 「対話」を始める