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寒の地獄旅館/大分県/2025年2月

2月の連休を利用して九州へ3泊4日の温泉旅行へ行ってきた。冬場は雪道の運転に不安があるので北海道や東北、信州は避けて、九州方面へ行くことが多いが、今回はそのことに加え、ほかに2つ目的があって九州というか、福岡・大分への旅行となった。

目的の一つは、九州国立博物館(福岡県・大宰府)で今年1月から5月まで開催中の「はにわ展」へ行くこと。妻が無類の"はにわ”好きで、かねてからこの展覧会を熱望していたためだ。彼女曰く、日本各地とアメリカに点在する「挂甲(けいこう)の武人5人」が一堂に会する、はにわファンにとって垂涎の超レアな展覧会らしい。。。あいかわらず私が全く関心のないことに引きずり込んでくれる妻に感謝。はにわ道の詳細は割愛するが、カタギの世界に生きる私でも結構楽しめた。

※はにわ展公式サイト:https://haniwa820.exhibit.jp/

もう一つの目的は、いつか実現したい移住生活の候補地として大分市、別府市を視察すること。候補地は源泉かけ流し温泉へアクセスしやすい北海道、東北、北関東、信州、九州エリアで、妻が車を運転しないので、徒歩や公共交通機関で日々の買い物、医療機関の受診に困らない都市が条件となっている。これまで温泉旅行にひっかけて帯広市・宮崎市・熊本市・鹿児島市あたりを視察してきた。

前置きが長くなったが、そんなこんなで今回は大分の温泉宿3か所に宿泊してきたので、今回はその1泊目「寒の地獄旅館」の紹介。

寒の地獄旅館

このお宿は、九州北中部へ行く際には宿泊候補に挙げるお気に入りで、今回3度目の訪問。お宿の雰囲気・お風呂・食事が私好みの三拍子揃ったコスパの高いお宿である。

門(入り口)

手前の駐車場に車を停めてこの入り口からお宿の敷地へ歩いて入っていく。鶴の湯(乳頭温泉)もそうだが、門から母屋まで歩いて入っていくところ、お宿の雰囲気に気持ちが馴染んでいく感じがあって好きだ。

母屋玄関

「霊泉 寒の地獄旅館」、玄関右の白縦看板が渋い!日本秘湯を守る会のお宿であるが、守る会シンボルの提灯を玄関にかけていない。なんでかな?と思っていたが、ここに提灯をかけると、提灯が目立って玄関全体の雰囲気を損ねてしまうんだろうなと、この写真を見て勝手に解釈した。

霊泉・冷泉

「寒の地獄」の由来、霊泉の冷泉である。湯床からドバドバ自噴している。以前初夏に来た際に一度入ったがキンキンに冷たく1分と入っていられなかった。暖房室・サウナが備えてあり、最近のブームでサウナ目当ての日帰り客が増えているらしい。以前は宿泊客は自由に入れたが、今は冷泉・サウナを利用する場合は別料金だった(一人1500円くらい)。

お部屋(写真撮り忘れ、お宿HPから拝借)

部屋へ案内されるとすぐにお風呂へ直行したくなり、部屋の最初の状態の写真を撮り忘れる。上記はお宿のHPから画像を拝借、今回泊まった部屋は同じタイプで真ん中のテーブルがこたつになっていた。布団も先に敷いていただいていた。部屋に洗面所はあるがトイレはない、共用トイレは常にキレイに清掃されていて何の問題もない。 

内湯

内湯は、男湯・女湯それぞれ一つずつ、当日と翌日で男女を入れ替えている。湯舟は薪焚きで加温した大きい湯舟と、冷泉の小さい湯舟がある。冷泉は加温なしの源泉だが投入量を抑えているので、先に紹介の霊泉御本体より冷たさも少しマシな気がする。せっかく来たんだからと冷泉に入ってみるが、息ができない冷たさでやはり1分と入ってられず、すぐに温かい湯舟に逃げ込む。その瞬間の「温かいんかい、冷たいんかい、どっちなんだい!?」という皮膚のぼやける感覚が非常に面白い。温かい湯舟は体感40度くらい、のんびり入っていられる温度で私にとっては適温だ。

貸し切り湯(家族風呂)

内湯とは別に、貸し切り湯(家族風呂)が3つある。予約不要で空いていればいつでも何度でも入ることができる。3つの中でおすすめのお風呂は写真の「切石湯」だ。2面採光で外の光が十分入り、景色も眺められ、一番解放感がある。

夕食全景

このお宿の大きい魅力である夕食。食事処でいただく。メインは中央の囲炉裏で焼く地鳥・豚の陶板焼きだが、これ以外にも囲炉裏で焼かれている鮎の塩焼き、茶碗蒸し、きのこの土瓶蒸し、かも南蛮そば(汁物)、ごはん、デザートと、目一杯、おなか一杯のお料理が提供され、いずれも温かいものは温かく、冷たいものは冷たくいただける。

前菜

夕食のなかでも、晩酌好きの私を喜ばせてくれるのが、八寸というか前菜だ。本来は序盤で食べきるものなんだろうが、私の場合は、食事の最後まで、少しずつゆっくり、お酒のアテとしていろんな味を楽しませてもらっている。ちなみにこのお宿は持込み料を払うことで、食事処へのお酒の持込みが可能である。720mlの焼酎で持込み料2,000円程度だったと思う。今回は別日に宿泊のお宿が持込み不可だったこともあり、荷物にもなるので自前持参はせず、お宿おすすめのお酒をおいしくいただいた。

朝食全景
朝食お鍋(鶏スープで鶏肉団子、豆腐、きのこ)
焼き芋・コーヒー

朝食も夕食と同じ食事処でいただく。焼き鮭も温かく、明太子、ひじき、山芋、生卵と、ごはんのお供がたっぷりで、なぜだか、お味噌汁とは別に、鶏のお鍋までついている。鶏鍋スープまで飲むとおなかがタプタプになってしまうが、おいしくてついつい飲んでしまった。最後は、道中にでも食べてください、という気持ちのミニ焼き芋とコーヒー。ちょっとしたことだが、朝食後にコーヒーが飲めるとほっこりする(ないと少し寂しい)。

庭の小川に源泉が流れ出している

≪宿泊記録≫

寒の地獄旅館(大分県玖珠郡九重町)/日本秘湯を守る会
・アクセス
 車で福岡空港から2時間弱、大分空港から1時間強。道中少し雪に降られ
 たが運転に危険を感じるほどではなかった。標高が結構高いので、九州と
 いえど冬場は積雪、凍結に注意が必要
・部屋数:
 13部屋らしい
・入浴可能時間:
 チェックイン15時~22:30
 朝6:00~チェックアウト10:00
・温泉独占度
 当日の宿泊客は7組、15人程度、内湯は5回入ったがいずれも100%
 貸切状態だった※チェックイン後の一番風呂でオバーフローも獲得できた
・料金:17,050円/1名
 ※平日、2名1室、秘湯を守る会サイトから予約

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