BPLS4 IIDXドラフト講評
4/23、BPLS4の開幕を告げるドラフト会議が開催されました。
少し遅くなってしまいましたがBPLS4ドラフトの講評を行います。
ドラフト採点
100点 レジャーランド
90点 ラウンドワン
80点 アピナ
75点 Tradz
65点 ゲーパニ・シルク
64点 GiGO
ここでのドラフト採点は出来上がったチームの強さということではなく、それぞれのチームがどれだけ思い通りにドラフト指名が出来たかという観点から採点したものになります。
それではチーム毎に見ていきましょう。
アピナ 80点
S3では1年ぶり2度目の優勝を飾ったアピナ。優勝チームなので全キープで連覇を目指す、という予想も多かったですがそこは抜け目なく4巡目のKENTAN氏を放出しています。
ここで抜け目なく、と言っているのは、実はS4においてはドラフト4巡目放出にはドラフト戦術上の大きな意味があります。
今回は実際に元2巡目のNUCHIO選手が4巡目まで転がってきた(その結果全参加5チームが競合指名)ように、NORI氏と弊サイトが一緒にドラフト予想していた配信上の模擬ドラフトでもちょっと指名がヨレるとCYBERX選手やLICHT選手が4巡目まで転がってくるという現象が発生していました。
NORI氏は事前の予想配信で『本気で勝ちにいくならどのチームも4巡目は必ずリリースするべき』と断言していましたが、アピナはまさにその通りに4巡目をリリース、NUCHIO選手獲得に動きつつ、外れ4位指名ではナイスガイのNAGACH選手を引き当てました。
元々が優勝チームでありながら、しっかりと抜け目ないドラフト指名をして戦力アップを狙ったアピナはS4でも優勝候補の一角と言えるでしょう。
GOOD:元々優勝しているチームがさらに貪欲に勝ちを目指す姿勢。チーム戦力のバランスの良さ。実戦でしっかり勝ち星を挙げられる選手が揃っている。
BAD:(特に不安要素なし)
GiGO 64点
チーム運営会社としては今一番勢いに乗るGENDA(GiGO)ですがドラフト指名はなかなか思い通りにはいかなかったようです。
ドラフト1位指名のDON*氏のくじはレジャーランドと対抗の末に外し、CORIVE選手再指名となりました。
ドラフト2位ではNIKE.選手をTradzと競合の末に獲得成功。ドラフト3位では高密度高難易度譜面要員として46選手を獲得しました。
ドラフト4位では出戻りのNUCHIO選手を獲得できず、LOOT選手の再獲得となりました。
上記の結果蓋を開けてみると、
CORIVE選手(GiGO1位)
NIKE.選手(NOVA2位)
46選手(NOVA4位)
LOOT選手(GiGO4位)
という、GiGO・ノバ東北の混成軍というような趣きのチームとなりました。
素直に考えればGiGOはレギュラーステージ敗退、ノバ東北もQF敗退のチームですから、新生GiGOにもひとまず厳しい目線を向けざるを得ません。
一方でポジティブな材料もあり、S3の対戦レーティング(イロレーティング)ではCORIVE選手・46選手・NIKE.選手はプラスを創出しているなど、本番で勝負強いメンバーが集まっていることが分かります。
なかなか思い通りにドラフト指名を進められない中でも勝負強いメンバーを集めたことが吉と出るか、注目したいと思います。
GOOD:上位3人はS3レーティングでプラスを獲得している勝負強さ。飛び道具系のCORIVE、低中難易度のNIKE.、高難易度の46と上手く役割分担が成立している。
BAD:前シーズンではレギュラーステージ敗退・QF敗退となった2チームの混成チーム、どこまで若い2人の成長でチームの力を底上げできるか。
ゲーパニ 65点
ゲーパニは全選手キープとなりました。
実は現存する7チームの中では唯一準優勝以上の経験がないゲーパニ。チームに待望のトロフィーを持ち帰ることが出来るでしょうか。
候補評価としてもMIKAMO・PEACEの評価の高さは明らかで、この二枚看板についてはほとんどの人が継続を予想していたところでしょう。
一方でTAKA.S選手、FRIP選手については昨シーズンあまり奮わなかった印象が拭えません。この2選手については一旦リリースし、積極的に46選手などの獲得を目指しに行っても良かったのではないかな(仮に失敗しても両名の再指名は可能だっただろう)という感覚です。
全体としてやや消極的な印象のドラフトになってしまいました。
また大きなサプライズとなったのはPEACE選手がS4シーズン限りで勇退の意向を表明したこと。
BPLS5ではチームの大幅な再構成が必至となるゲーパニですが、S1から続く『みかピー』コンビのラストイヤーとなる今年こそ、チームにトロフィーを持ち帰りたいところです。
GOOD:『みかピー』コンビはもちろん超強力。毎年実力を伸ばし続けるPEACE選手はS3での18連勝記録からさらにどこまで伸ばすことが出来るか。中低難易度の比重が高いS4ルールも追い風。
BAD:対するTAKA.S選手・FRIP選手は昨シーズンでの雪辱を晴らすことが出来るか、チームの継続指名の期待に応えたい。これまで準優勝以上の成績がないゲームパニックですが、PEACEラストイヤーとなる今シーズンこそはトロフィーを掲げたいところ。
シルクハット 65点
こちらもゲーパニとならんで全選手キープを選択したシルクハット。
これまでも度々言及していますが、
SEIRYU・・・高難易度鍵盤
VELVET・・・皿
LICHT・・・中難易度
と各選手がバランス良く守備範囲を持っており、
さらにKIDO.選手も"格上キラー"の怖い存在で、チームとしてのバランスが良いところがシルクハットの強み・魅力となっています。
一方で今のチームのバランスが良いことが原因で、なかなかチームを改革しづらい、チーム編成を入れ替えにくいところが泣き所だと考えています。
特にVELVET選手の昨シーズンの戦績は12曲をプレイして3勝9敗、レーティングは▲90となっていますが、ドラ2としては不満が残る結果です。
QFで敗退した昨シーズンを思うと、全員キープの選択については残念ながら辛口な目線を向けざるを得ません。
元王者、LICHT選手のさらなる活躍がカギとなるでしょう。
GOOD:バランスの取れたチーム編成に守備範囲を補い合う4人の構図。格上キラーKIDO.の更なる活躍にも期待。
BAD:QF敗退ながらチーム維持が消極的な印象だが吉と出るか凶と出るか。LICHT選手が元王者の真価を発揮してくれることに期待だ。
Tradz 75点
Tradzは勇退したRIOO選手と、4巡目のRAITO.氏を放出した枠でKUREI選手、KENTAN選手を獲得しました。
ドラフトの中ではなかなか思い通りにはならず、
KUREI選手はNIKE.選手の競合外れ2位指名、
KENTAN選手はNUCHIO選手競合→NAGACH選手競合→外れ外れ4位でのKENTAN選手指名となりました。
ドラフトの進行はやや不本意だったかもしれませんが、弊サイト的な評価としては特に悪くない、むしろ『残り物に福がある』とも言えると感じるのが正直なところです。
KUREI選手については言えば、S3での戦績は16曲中5勝11敗と苦しいものになりましたが、弊サイトのレーティング評価は+10(つまり対戦相手がそれだけ強力だったということ)で五分五分以上の評価となっています。また全一数評価や試合でのBPI評価なども決して他の2巡目に見劣りする水準ではなく(弊サイトの評価はMIKAMO選手に次ぐ6位です)、ラウワンの放出から上手く棚ぼたで獲得できたという恰好でしょう。
KENTAN選手も過去シーズンではややパフォーマンスにムラがあるように見受けられますが、それでも4巡目として高い自己ベストを保有していること、なにより豊富な優勝経験も魅力です。
(ZERO、S1、S3で3回の優勝はもちろん最多です)
エースKKM*、覚悟の2年目。
何としても優勝を持ち帰りたいTradzと言えるでしょう。
GOOD:くじの結果は不本意かもしれないが結果的に全く悪くない指名が出来たと感じられる。当然ながら強力なエースKKM*を擁する中で優勝経験ある2人を獲得できたことは必ずプラスに働くはず。
BAD:KKM*以外に2タテの出来る人が出てこないと大将戦(高難易度)のウエイトが下がったS4ルールでは苦しい。KKM*の覚悟にチームとして応えてやりたい。
ラウンドワン 90点
ラウンドワンはS4ドラフト指名で"やりたい放題"を体現したチームと言えそうです。
前回準優勝を手にしたラウワンでしたが、準優勝では到底満足できるものではなかったということでしょうか、絶対王者U*TAKAを軸に据える構成はもちろん維持しつつ、下3人を入れ替えるという大胆な作戦に出ました。
KUREI選手をまさかの放出したのちに1-PIN選手を見事に一本釣りに成功。
続くI6VV選手の枠は本格派のCYBERX選手を獲得。
さらに4巡目ではNUCHIO選手指名に参加したのちに新顔となるLEO選手を獲得しました。
今回はGiGO・レジャが選手をリリースし、その2枠にはドラフト1位候補としてDON*選手、CORIVE選手、1-PIN選手の3人が争う形となっていました。ラウンドワンとしてはKUREI選手をリリースしてでもここから漏れた1人(今回は1-PIN選手でした)を取りたかったということでしょう。見事に作戦的中という形です。
また1-PIN選手自身についても、長くレジャのドラフト1位選手として活躍してきた選手でしたが、正直に言えばドラ1のプレッシャーが重く感じられるシーンも多かった選手です。ドラフト2位に繰り下がることでWELLOW選手のようにマークが薄くなって活躍してくれることを期待しています。
CYBERX選手はドラフト3巡目候補の中では本格派というコメントがピッタリの強力選手で、精密機械の異名は伊達ではなく保有全一数27個は継続候補者中9位となります。
LEO選手はDON*選手に次いで新規参戦となった選手で、まだ20歳と非常に若く伸びしろにも大きな期待が持てそうです。
総じて見所満点のドラフトでS4シーズンにも期待が持てそうですね。
GOOD:絶対王者はドラフト指名すら思いのままに。U*TAKA・1-PIN・CYBERXの3人が強力だ。LEO氏の若いエネルギーの爆発にも期待したい。
BAD:(特に不安要素なし)
レジャーランド 100点
さてS4ドラフトで台風の目となったのはレジャーランドでした。
S2で準優勝となり全員キープで挑んだ3年目はまさかのレギュラーシーズン敗退の憂き目に。方針転換はS4に向けて本気で勝ちに来たのが良く分かる布陣となりました。
まずはGiGOとのDON*選手争奪戦に勝利すると、DINASO・G*選手は手堅くキープ。チームとしての屋台骨をしっかり残しつつも4巡目では5チーム競合のNUCHIO選手争奪戦にこちらも勝利。アドバイザーのべあー氏にとっては思惑通りとなる指名結果だったのではないでしょうか。ドラフト巧者ぶりを見せつけた形となり弊サイト評価は100点とさせていただきました。
弊サイト的にはG*選手に注目しており、BPLZEROから皆勤賞でありつつ未だに優勝の経験が無いのは唯一G*選手のみとなっています。5年目にして悲願の優勝を果たすことは出来るのでしょうか。
GOOD:今回のドラフト結果は見事に作戦成功。G*選手5年目の悲願達成はなるか。
BAD:鍵盤系の強力プレイヤーが揃うが皿やソフランなど飛び道具系のジャンルが重なるとU76NER(監督)の穴が気になるところ
戦況予想
ここまではドラフトそのものを採点してきましたが、ここからは戦況予想をさせていただきます。
弊サイトの優勝予想はズバリ、G*選手5年目の悲願成就となるレジャーランドです!
U76NER不在でバランスに不安を残すもののチームのどこを切っても強力であることは明らかです。誰が出てもドラフト2位以上の力があるチームになりました。ドラフトの勢いそのままに突っ走って欲しいですね。
対抗の予想はPEACEラストイヤーとなるゲーパニです。ドラフト採点ではやや低評価となったゲーパニですが、S4でのルール改定はゲーパニにとっても追い風となるでしょう。今まで準優勝以上のないゲーパニにトロフィーを持ち帰ることが出来るでしょうか。PEACE選手が自身の18連勝記録をどこまで伸ばすかにも注目ですね。
昨年度S3で優勝・準優勝のアピナ・ラウワンももちろん強力なチームです。
この2チームは貪欲に血を入れ替えてさらなる強さを目指したわけで、去年以上の強さで優勝に邁進することでしょう。
やや不安材料が見えるのはTradzでしょうか。ルール上大将戦のウエイトが下がっていることが逆風です。KKM*選手に負担が集中するとちょっと苦しい展開になりそう。本来のKUREI選手らしさを取り戻し、KKM*選手との2枚看板を成立させればもちろん優勝も目前ではあります。優勝経験豊富なKENTAN選手もチームの好材料となるでしょうか。
まずレギュラーシーズンを勝ち抜きたいのはGiGO・シルクハットの2チームでしょうか。
GiGOはノバの魂も背負ってS4に挑む格好になりました。実戦的なメンバー構成でまずはレギュラーシーズン勝ち抜きを確保したいところでしょう。
シルクハットについてもLICHT選手本来の活躍を見せられればそこを起点に全てが噛み合いそうな予感です。
おわりに
今までのシーズンの予想も全く当たってませんので
どのチームも十分にチャンスがあると思いますからしっかり最後まで見守りたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。是非感想や皆様の予想なども教えて下さい。