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#freee塾 AI月次監査がかなり秀逸だった件

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このnoteは2019.01.25に智原税理士事務所のHP掲載したブログをnoteに移管・加筆修正したものです。
現在、こちらの機能はアドバイザー向けの有料サービスとなっております。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

12月に、freee認アドバイザー向けにプレスリリースされた新機能が予想以上に秀逸で、ワクワクだったので”あえて共有”します!!

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freee、「AI月次監査」に新機能を追加  機械学習による勘定科目エラー検知やチェックルールのカスタマイズに対応

AI月次監査とは

人工知能(AI)を活用した機能で、freee上で作成した試算表をチェックする機能です。昨年5月に第1弾がリリースされました。

5月〜12月までの主な機能

同期してる口座残高の不一致アラート
固定資産台帳への計上もれ
修正した類似科目の修正提案
利子源泉税の計上確認
残高がマイナスの科目アラート

などが、デフォルトで装備されました。

12月のアップデートでカスタマイズが可能に
今回のアップデートで、上記のような検知ルールをアドバイザーが自分で作れるようになったのです!

カスタマイズの仕方などは後述しますが、これまでの監査フローを大きく変えること間違いなしです。

会計事務所の課題

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会計業界に関わらず言えることですが、やはり人材不足や属人化が課題という話はよく聞きます。ひとり税理士やパートさんと2人でしてるという方を除けば、多くの事務所は担当制で業務を行っているかと思います。なので、クライアントの情報や監査手順などのノウハウが担当者に蓄積してしまう(属人化)。そして、担当者が退職する際に引き継ぎがスムーズにいかない=解約の要因になる。などの問題が生じます。

弊社では、クライアント毎にchatルームを開設、kintoneを使用して情報を管理、Paperで議事録を共有。などで属人化対策しています。
それでも、監査業務は経験値でチェックすべき内容や工数が左右されるため、脱属人化が難しい業務でした。

会計事務所の救世主となるのか!?

AI月次監査で変わる監査業務
リリースが、年末年始→確定申告という超繁忙期なので、気になってるけどなかなか触れないという方も多くいらっしゃると思います。
(freeeさんとしては繁忙期のアシストに!と思われてのリリースかと思いますが。苦笑)
僕も躊躇しましたが、2週間取り組み期間を設けて、税理士2人で1社ずつテストしてみることにしました。

監査項目の洗い出し
まず最初に、監査項目を一からブレスト
・包括チェック項目
・BS、PLチェック項目(科目毎)
これを通常月と決算月に分けてリスト化
次に、この中でルール化できるものとできないものを分類してルール作り。という流れで行いました。

結論から言うと、実装後の監査時間は大幅に短縮できました。
自計先と記帳代行先でアプローチが違うので、少し掘下げて書きます。

自計の場合
監査というと基本的にはこっちですね。
自社で帳簿作成→監査→レビュー
この監査のアシストをAIにさせよう!ってことですね。
監査は基本的に月次もしくは年次ルーチンワークなので、ルール化してしまえばAIの方が確実にチェックしてくれます。
アラート分がでた箇所の修正、現状ではルール化できない項目をチェック!という流れで行えば大幅に監査時間を改善できます。

ここで思ったのが、自計化のハードルが下がったということ。

数年前までは、自計化だ!の流れだったのが、近年はアウトソースだ!と、記帳代行が増えてきてると聞いたことがあります。
弊社では自計を希望されてる方も、会計知識やITリテラシー次第では、最初の半年~1年くらいは記帳代行を請負って、freeeのルール作成や帳簿の見方などレクチャーをしながら自計化にシフトしてく場合が多いです。
freeeを使う場合、初期のルール作りが重要だからです!
ここで、しっかりやらないと後々お互い不幸になります(苦笑)
~1年の期間を設けているのは、それくらいの期間があれば通常取引を網羅出来るからです。

ハードルが下がったというのは、早めに自計化にシフトしても、誤った仕訳やルールを設定した場合でも、AIがチェックしてすぐに軌道修正出来る!ということです。※現状ではユーザーへのアラート通知はありません。

記帳代行の場合
こちらは、監査や仕訳よりも科目の揺れや異常値検索がメインになるかな~っと思っていたのですが、 税理士から入力スタッフへの精査・指導にかなり有効でした。
大抵の記帳代行フローはこんな感じでしょうか。

1.資料お預かり
2.入力担当者が記帳
3.主査がチェック、修正指示、指導
4.入力担当者が修正
5.主査が再チェック
6.報告

3~4省いて、直接修正してもいいんですが、それだと入力スタッフが成長しないので・・・

Q.では、AI月次監査を入れるとどうなるか
A.3をAIがやってくれる

つまり、主査の意思(作成したルール)をAIが代わりに伝えてくれる。
もっと言えば、AIがOJTしてくれるんというわけです。

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自動検知ルールのカスタマイズ

freeeにログイン→設定→自動帳簿チェックの設定

この中にシステムルールとカスタムルールがあります。
システムルールはfreeeに内装させてるルールです。
こちらはルールのON/OFF切り替えが可能です。

カスタムルールはオリジナルを作っていくんですが、まずはfreeeが用意しているサンプルテンプレートをインポートすることをお勧めします。

ルールの作成はエクセル関数を使ったことある方であれば馴染みやすいと思います。

使うものはIF、AND、ORです

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「指定科目で品目がついてない仕訳を検知」というルールです

文章にすると

“勘定科目” が ”次のいずれかと等しい” (租税公課、雑収入、リース料、、、)
かつ
“品目” が “未設定”
の仕訳

となります。イメージ湧きましたか??

AIは敵か味方か?!

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友を装う敵のことを「フレネミー」と言うらしい。フレンド+エネミー(敵)の造語だそうです。
AIは会計業界にとって敵なのか味方なのか・・・。

AIにとって代わられる職業に会計業務はよく挙げられます。実際そうだと思います。
でも、僕はAIやクラウドシステムはあくまでツールと思っています。
導入したからといって勝手に運用できるものではないです。
正しく運用するためにやはり経験や知識は必要です。

料理したことない人にいい包丁といい鍋を渡してもなんとなくは料理できるかもですが、絶品料理は作れないですよね。

まだしばらくはフレンド(でいたい)ですねwww

先輩方に怒られるかもですが、僕は全部AIがやってくれるならそれはそれで面白いと思ってます( ̄ー ̄)v

おわりに

数社で使い倒してみての感想やフィードバックをfreeeの開発に投げたところ、すでに2月に機能追加が決定してるものもあると連絡頂きました。
さすがfreeeの開発チーム!! このスピード感が大好きです(≧∇≦)

後日談
こちらのAI月次監査ですが、有料サービス化後は弊社は導入を見送りました。正直に言って費用感と機能のバランスが弊社に合わなかったかなと・・・料金体系の見直しか大幅な機能改善をfreeeさんにお願いしたいところです。笑

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