やってきた防音室
今回はいよいよやってきた防音室の記事でございます。移設をしてくれた人たちとの予想外の展開、思わぬ床の状態への気付きなど、今回は盛りだくさんの内容になりそうです。
気合を入れて性能検証動画も撮影してみますので、どうぞお楽しみに。
防音室紹介
えんじろうが使っている防音室は、ヤマハ製の「アビテックス」というものになります。当時中古で購入した「Woody Mini」という木製1.2畳タイプの製品です。中古でも260000円という大金をはたいて購入した大切な相棒。これのお陰でどれほどオカリナが上達したことか。
更にレッスンやCDのレコーディング、またコロナ禍の間の動画配信に至るまで苦楽を共にしています。
そんな防音室を移設するのだから、訳わからん業者にいじられたくないという思いすら出てくるというもの。
移設会社
アビテックスはヤマハが委託している「浜名梱包」さんが運んでくれます。最初の設置の際にその名前を覚え、以前の引っ越しの際にもお願いしていました。
9年ぶりの再開
見てくださいこの几帳面な状況を。これは写真を見て今気がついたのですが、立てかけられている板1つずつの壁への設置部分に緩衝材が挟み込まれている優しさ。
借り物の家だからこそ気をつけたいというこちらの意志を、何も言っていないのに汲み取ってくださっているような気持ちです。
作業員はお2人で来られて、出会い頭に言われたのが「ここに運び込んだのも僕らですよ。特徴的な家だったので、近くまで来たらたちまち記憶が蘇ってきましたよ」でした。
なんかもうとっても嬉しくなりますよ。他にもお仕事たくさんあるはずだし、前回の移設から既に9年が経とうとしているというのに、このセリフでしたから。まあアーティストとしては「あなたの顔を見たら思い出した」の方が嬉しいのでしょうけど、演奏する姿を見ていたわけじゃないですし、覚えていてくださっただけでもとっても幸せでした。
解体後の様子
ここで9年、以前の場所で6年と、合計15年も一緒に過ごしてきた防音室ですが、また新たな9年(?)に向けて旅立ちます。
初筆時に昔のブログ記事をいくつかご紹介していたのですが、どうも長年放置した記事にはブログ運営(シーサーブログ)側の決まりで様々な広告が表示されてしまうようです。
申し訳ないですが、広告被害などに繋がらないようにリンクは削除しておきました。
防音室が新居に向けて出発した後、玄関先で咲き誇っているスイセンの花に気が付きました。自然は近くで人がいなくなろうがなんだろうと影響するわけでもなく、ただそこにあるべき姿を表しています。それでこそ自然ですね。
あっ香りを嗅ぐことを忘れていました。サザンカたちは、そろそろ花の季節が終わろうとしています。
移設先にて
一方移設先となる新居では、朝の出発前から防音室の受け入れ準備をしておきました。ちょうどこのカーペットが空いている部分に置いてもらうようにしました。
防音室内に入る予定の者たちが外でひしめき合っており、ちょっと作業しにくいのかなあと心配していましたが、作業するお2人は声を掛け合って連携を取りながら、次々と運び込みと組立作業を進めてくださいます。
まずは位置取り
当初はこの位置で設置してもらうつもりだったのですが、つい欲が発生。防音室左の領域をもう少し広く取りたいと感じるようになって後から右にずらしてもらうことになりました。一応まだ土台固定前の話なので、快く応じてくださいましたが、位置決めは確実に前もって決めておくほうが良いと思いました。
傾きチェックと対応
浜名梱包さんの素晴らしいところは、ここでレーザー測定器を用いた精密な傾きのチェックとそれに対する対応策があるところ。
僕は鉄筋コンクリートだから傾くわけがないと思っていたのに、見てもらうと結構な傾きがあり、床板の下に定量の厚みを持った板材を挟み込んでバランスをとってくれました。
プロの技ですね。移設には6万円ほどかかっているのですが、この丁寧なお仕事になら気持ちよくお支払いできるというもの。僕も自分のお仕事に対しお客様からそう思ってもらえるように頑張りたいなと、改めて思いました。
組み立て開始
解体と組立ではやはり組立の方が気を使うとおっしゃっていました。奥の方から順序よく組み立てが進んでいきます。
狭い中で申し訳ないなあとも思いましたが、考えても見れば前回の移設の際にはもっと狭い場所でした。
「吾輩は防音室である。扉はまだない!?」あっ失礼しました。
あと2つパネルがつながれば完成なわけですが、ここでしっかり過去見込めなければ空気を伝う音は漏れるわけですよね。完成間近のこの状態こそが、一番緊張と警戒する場面なのかなと思いました。
場合によっては1つ2つ前の工程に戻さなければならないかも知れませんから。
そして完成へ!
こうして朝9時から始まった移設作業は、お昼12時半過ぎに完了しました。こちらが完成した状態です。
室内空間作り
さてここからは、僕自身が頑張って室内の設備環境作りをする番です。
これまでのシミュレーションではあくまで2面を使って機材を配置するという考えでしたが、理想は1面ですべての設備を並べることでした。
その結果、このような形でテーブルを2つ入れ子状態(いや最近良く耳にする「重ね合わせ状態」)にできました。これはPCデスクでありながらキーボードスタンドでもあるという感じ。
理想がかなった瞬間です。立った目線からだとこんな感じでしょうか?
充実した部分
モニタースピーカが下に置くしかなかったことを除けば、ほぼすべての機材へのアクセスが可能で、特にミキサーの位置は液晶に目をくっつけないと読めないえんじろうにとっては最高の位置加減です。今まで結構不便だったのですよ。
メインモニターも普段はこの位置で、キーボードを使う際にだけ高くすれば良いし、フットペダル類も良い位置に来ています。
配信の頃のシステムは全て、立位前提でこしらえたものでした。今回はすべてを座位前提で配置しているので、これからの作業は腰を据えて行いやすいかな。
失われたもの
この模様替えによって良くなった部分のほうが多いのですが、失われたものもないわけではありません。
まず部屋の反射光が緑色になってしまうので、これまであった緑のフェルトを外しました。これは動画配信の際に背景を透明にして別の背景にするというテクニックに必要なものでしたので、これからはそういった撮影は不可能となります。
しかし本物の生音を目の前でお伝えすることの方が大切だと思っている今、この変化は前向きに受け止めています。あれで特別感はかなり出せていましたが、えんじろうの「ありのままにシンプルに」のスタンスはどこいったというところもありましたからね。
出来心というか、背景入れ替えを体験してみたかっただけというのが、実は正直なところなのだと思います。
照明器具
これも配信のために影ができにくい電球型LED4つを使った照明に変えるなどしていたのですが、普通のシーリングライトに戻しました。
そしてガイアトーンで利用していたシーリングライトが大量に余ってしまったので、微妙に色が違うライトたちを実際に付け替えまくって、その中から一番作業が捗るテンションを誘発する色合いを選びました。
どうやら巷で言われるように、青系にすればするほど集中力強化になるというよりも、僕の場合は紫がかった青系が一番シャキッとするようです。
この防音室が木目素材をそのままにしているからというのもあるのかも知れませんが、やっぱり僕のような視覚障害者にとっても、色合いって大切なのかもと感じました。
防音室効力実験
それではここで、えんじろうの相棒であるアビテックスの威力を検証・お届けしてみようと思います。次の動画を御覧ください。
30db減衰なんて言われるよりも、この動画を見れば1耳瞭然じゃないかなと思います。
直接聴こえていた音が、テレビを付けている音くらいにはなるのがお判りいただけたのではないでしょうか?中でも中音域の音が特に抑えられている印象です。重低音の抑えは若干弱めですが、オカリナの音域ではないので気になりません。
この音量差が「-30db」という差なのだそうです。やっぱり数値よりこうやって見るのが判りやすいですね。もちろん今回の録音は信用を得るために音声は未加工のままです。
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