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魅せられたのは音色

土曜日、ギターの井手氏が事務所に来てくださり、3人で今週のNOSTALGIAの音合わせを行いました。本番も3回目ともなるとだいぶ慣れてきます。だからこそ油断せず更に心地よい演奏を求めて合わせる必要があると感じています。

各々が楽器に魅せられた者同士だからこそ、通じるものがある。演奏の中心に「自分」というより「楽器」が来るという感じなのですよね。

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少し刷新する演奏内容

さて、最終の「ハナレ」さんのプログラムは、ここまでの2回の演奏内容と少々異なりボリュームアップをしています。
なぜならこの日のコンセプトには「時間を忘れてゆったりしたひとときを楽しんでいただく」というのもあります。これはハナレさんのテーマの1つにもなっているように感じるのですが、だからこそ大切にしたいです。

美味しいおそばでお腹を満たしてからのゆったりした時間を、どうぞお楽しみください。

十人十色の心と音色

楽器たちと影の写真

音合せ中にたまたまテーブルにあったオカリナやカリンバたちに、夕日を反射したガラスの光が差し込んできました。太陽の直射でなく反射光でこの存在感。やっぱり太陽って偉大ですね。

オカリナたちも音楽の世界では異色な存在感を感じます(僕は特に)だからこそこの楽器に魅せられ、この楽器とずっと一緒に生きていたいと願うようになったのですからね。そしてどこにそんなに魅力を感じたかといえば、やっぱり「音色」なのです。
シンプルなだけに、その存在を伝えるエネルギーは1点に集中するんですよね。そのパワーというのは本当にすごいです。楽器の大きさからは想像付かない音量と、生音でもなかなか減衰せずに遠くまで届くところも。そして人の耳に入り込むと、そこからほとんど身構えさせてしまうこともなく、人の心の深いところまで入ることが許される感じもすごいなと思うんです。

1本のソプラノ管とその影の写真

非侵襲的演奏

真っ直ぐ吹けば吹くほど、その音は何の押し売りもせず切符を持って自動改札を通るように、自然に体と心の中に浸透してゆけるんです。演奏するときは、あまり「これを伝えよう」という意識を持っていません。今自分が聴きたい音色をただ目指しているだけなのです。
ありのままの演奏には、メッセージ性とかそういう頭で考えるものはない方が良いと感じています。何かを意図すると単に、それは他人の思考を侵襲する刺激になってしまうような、それくらいオカリナの音色には強い力があると信じてます。
自分が数あるオカリナ奏者の中で宗次郎さんの演奏しか聴く気になれなかったのも、そこにあると感じるのですよ。

浸透力抜群で何でも心を開いてかかる小さな子どもたちには、特にその影響力は高いと感じています。
そんな子供の前で、突如演奏方針を「自分をアピールするための表現」に切り替えてみたら、きっと泣いたり怖がったりしてしまうんじゃないかと思います。
自分なら間違いなくそうなっていると思います。それだけ開かれた心の子供にとっては更に輪をかけて強い影響力がある楽器のように思うんですよね。

少なくともえんじろう自身「自分をアピールするための表現」をするのも聴くのもとっても苦手なので、自分にとってはとても都合が良いというのもあります。
えんじろうが「ありのままにシンプルに」に拘るのは、自分が穏やかにいられるのがそういう音を聞いているときだからなのだと思います。

音響も音合わせ

色々広げたお勝手

話は変わりますが、この日の音合わせは特別でした。
構想やタイミングはもうだいぶ合うようになってきているので、それに加えて次回使用する予定の音響機器をすべて出した上での確認が、この日の重要な目的だったのです。
そしてご覧の通り音合わせをしているのは事務所のお勝手だったりします。

本番に使用する音響機器の準備も行い、操作をやりつつ演奏もするえんじろうにとって、本番での音響の仕事はあくまで半自動にしておかなければなりません。
自分が不器用なことは判っているので、2つ以上同時進行で行うような無茶には挑戦しません。そのためにもこうして本番さながらのセッティングでバランスなどを前もって確かめています。

それでも会場で「やっぱりこれだと合わないな」という場面も結構あるのです。そういうときでもある程度地盤が固めてあると、何をどのくらい変えれば良いかの目処も立てやすくスムーズに解決できることも多いです。
音響面で本番中ずっと気になるようなできごとが発生すると、本当に演奏への集中力が半分以下になっちゃうので、当日の準備と同等にこの事前準備は力を入れています。

自分が好きな音

結局自分が伝えたいのは、オカリナを聴いたときに自分が最も引き込まれた時の音です。それを自分とオカリナで出せるようにただ目指してます。うんそれだけだった。

本日もまた、最終音合せがあります。これで今回も良い環境を作れそうな気がしています。どうぞお楽しみに。

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