アプリ紹介「あなたの目となる」
マガジン「スマホを真の味方にする」では、弱視者のえんじろうがこれぞと思う「シンプル・軽快・不変的」なAndroidスマホ用アプリを、丁寧にご紹介します。
あなたの目となります
僕の育ての母は、全盲の父と結婚する際に「あなたの目となって生きてゆく」というような口説き文句を言ったのだそうな。子供心に天皇家の話でも聞いているかのような、誇らしい気分になったことを覚えています。あれっ?父はなんて言ったんだろう?今度聞いておかなきゃ。
さて、そんな口説き文句がなんとAIでも言える時代になってしまったのでした。もちろん純粋な意味で「目の代わり」のみですが、これは画像認識AIを体験したときからえんじろうがずっと願っていたことだったので、ものすごく嬉しいことです。
Seeing AI
DL Google Play Store
制作 Microsoft Corporation
内容 映像のテキスト解説
権限 通知関連・カメラ
料金 無料
特徴
対象となる視覚障害者の操作を前提に考えられた洗練された操作性。撮影時の音声によるガイドなどが主な特徴ですが、それと同じに感動したのがサポート体制です。
実は更に使いやすくなってほしいと思ったことを2つばかり「フィードバック」として伝えたら、とても丁寧に対応してくれました。純粋に良いアプリを目指しておられる事が伝わり、感謝でいっぱいな気持ちになりました。
使い方
アプリを起動すると、すぐにカメラが起動します。タイトル画面もバツが見つけにくいPR画面も出ません。実はこういうことも視覚障害者には相当なバリアフリーになります。
上記の画面は「シーンチャンネル」というものですが、これはカメラ画像から状況をAIが判断し、テキストにして教えてくれる機能です。
画面には中央下部に撮影ボタンらしき丸があるのですが、よくあるカメラアプリと違っているのは、ここより上ならば画面のどこをタップしても撮影ができること。全盲の人に丸を押せなんてナンセンスですからね。僕のように正確に押すのが苦手な人にもとても有効な方法だと感じます。
撮影後はそのまま認識が始まり、ほぼ瞬時に「簡易的な結果」を教えてくれます。簡易的と言っても既に床の模様と自分でも判っていなかった自分の足が映り込んでいることを教えてもらえました。
この画面で右下の「詳細」をタップすると、詳細認識が開始されます。
詳細認識は改めて行われ、今度は模様の床の種類やタイルの大きさなど事細かに教えてくれます。足がどこに映り込んでいるかもよく判りますね。更に木製の防音室の存在も示唆されていますね。
この報告画面の下には共有ボタンが有り、得られたテキストを仲間に知らせることもできるみたいです。まさに至れり尽くせり。
設定画面
えんじろうが最も感動したのが、起動時の左上から選べる「設定画面」の内容です。
設定項目が本当に必要そうなもののみに洗練されており、迷わず進んで行けるのです。
このアプリでは眼の前の文字のみを即座に読む機能や、お金を読み上げる機能、バーコードを読むための機能、色を教えてくれる機能など、様々な機能が搭載されているのですが、それらの機能を「チャンネル」と呼んでいます。
設定項目のなかでもこの「チャンネルの並べ替え」で、自分に必要なチャンネルのみを表示させたり、その順序を入れ替えたりできるのです。
入れ替えで一番使いたいチャンネルを最初に持ってゆけば、チャンネルを選ぶためのアクションを1つ減らせますね。輪をかけて素晴らしいのは不要なチャンネルを表示させない手段があること。本当に使い手のことを考えた機能です。
部屋が暗い際にライトを自動点灯させる機能もあります。更に読み上げ音声も自由に選べて速さも設定画面から選択できます。
機能まとめ
では使い方ではシーンチャンネルしかご紹介しませんでしたので、その他の機能を全部一覧でご紹介しますね。
いつか手書きはドキュメントに統合されてほしいですね。
AIに思うこと
えんじろうがまさしくAIにやってほしいと思うことは、やればできる人のやれる事を肩代わりすることではなく、やろうとしても物理的にできない人を手助けすることだと思っています。
見えない人、聴こえない人にそれを克服しろとか言われても困ります。そういうところにこそAIが手助けできる場だと思います。
道具は何でも使い方次第。AIが仕事を奪うと騒ぐのならば、AIに手伝ってもらうことでやれる仕事が増える人にこそ活用すればよいのではって思うのですね。
AIに人間以上を求める風潮があるから、それが恐れになりAIに支配されるという発想が生まれる。AIの能力を人と同等に留めれば、良き仲間くらいで落ち着くのではないでしょうか?
まとめ
会員登録などの個人情報の提示もなしに、これだけ多機能なアプリを無料で使わせてくれるとは、驚くばかりです。感謝のやり場として「買い切りだったら」ですが有料化しても払いますと言い切れる内容です。
2023年10月にリリースされたばかりのアプリのようですが、要望のメールでもたくさん感謝の言葉を書いちゃいました。
AndroidだけでなくiPhoneにも対応しているようですので、ご興味ある方はぜひ探してみてください。
今回のアプリは実は、視覚障害者仲間のお知り合いから教えてもらったものです。この場を借りて感謝申し上げます。早く全盲の父のスマホに入れたいです(笑)
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