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TooGoodToGoがインストールできない問題
こんにちは。オスロに留学している大学生です。
今回はiCloudアカウントの国と地域の設定と、それに伴う不都合についてです。
1. iCloudアカウントの設定
iCloudアカウントには「国と地域」という設定項目があります。この項目ではそのiCloudアカウントのユーザーがどこに在住しているかが決められているわけですが、これは日本でiOS端末を購入した場合は大抵「日本」になっていると思います。そしてこの設定は、一度変更すると一定期間再変更ができません(具体的な期間についてはお調べください)。そのため基本的には切り替える必要がない設定ではありますが、例えば1週間程度の海外旅行の旅に行き先に合わせて切り替えるなどということはできないようになっています。
そして、iCloudアカウントをファミリー共有している場合、管理者権限を持ったユーザーがそのファミリーに含まれている全員の国と地域を一括変更することしかできません。私のように1人で留学している場合は私以外の設定をいじってしまうのは不都合が多いため、設定を変更したい場合は一度iCloudのファミリーの設定から抜けることになります。
しかし一度ファミリーを抜けてしまうとサブスクリプションしたいるクラウドストレージが解約されてしまいます。そのため、日頃からファミリー共有で使用しているクラウドストレージに必要なデータを入れており、それが無料分(5GB)を超えている私のような人間は、データを削除しないためにはそのデータをローカルに移行するか自分で再度サブスクリプションをするかの2択になります。
私の場合はデータ量的にPCのローカルストレージには置きたくない量だったのと、iCloudのサブスクリプションを自分で払えるほどの財力がなかったためファミリー共有に残っていたのですが、この選択によりある問題が発生してしまいました。
2. TooGoodToGoがインストールできない
この「国と地域」という設定が実際のところ何を司っているのかはよくわからないのですが、一つ明確にこの設定のせいでできないことがありました。それは特定のアプリケーションのインストールです。そしてその代表例であり、私が最も困ったものがTooGoodToGoでした。
ヨーロッパや北米の一部地域では、TooGoodToGoというサービスが存在しています。これは賞味期限が近づいた商品を店舗側が格安で提供するサービスであり、購入者に定価よりかなり低額で商品を購入できるというインセンティブを与えることでフードロスの削減に貢献することを目的としたものです。このサービスを導入している店舗はノルウェーでも数多くあり、カフェやスーパー、コンビニエンスストア、ホテル、一部のレストランなどが登録しています。
賞味期限が近づいたものを提供するというサービスの仕様上、基本的に購入者が選択できるのは店舗までで商品そのものは選べません。店舗によっては「パン類」「お菓子類」「野菜類」「惣菜類」などの選択肢を複数用意している場合もありますが、この場合もジャンルを選べるだけで何が含まれているかは分かりません。しかしながら、本来なら120-240クローネほどするものが40-60クローネ程度で買えることが多いため、少しでも節約したい身としては大変ありがたいサービスです。今回のサムネイル画像も、オスロ中心部にあるホテルの余った朝食バイキングをもらった時のものです。
さてそんなTooGoodToGo ですが、残念なことに現在日本ではサービスを提供していません。そして何より、iCloudアカウントの「国と地域」が日本になっている場合はApp Storeにこのアプリケーションが表示されません。おそらく日本をサービス対象にしていないのでApp Store上でも表示されないのでしょうが、現状このサービスにはウェブ版がないためアプリがインストールできないと必然的にサービスを使えません。
私は試行錯誤の末、脳筋な方法でこの問題を解決することにしました。ファミリー共有を残してクラウドストレージからローカルにデータを移すことなくこのアプリをインストールするため、まず「国と地域」をノルウェーに設定したiCloudアカウントを再作成してiPhoneのユーザーとして一時的に登録し、次にその状態でApp Storeから必要なアプリをインストールして、最後にiPhoneのユーザーアカウントをメインのものに戻す作業を行いました。この結果、アプリ側でアップデートが入った場合はApp Storeに「このアプリをアップデートしてください」と通知が来るもののApp Store上にはそのアプリがないので、通知をタップするとApp Storeがバグるという謎挙動をするようになってしまいましたが、アップデートが来る度にアカウントを移行しているので問題ないです。
ところで読んでいる方はもうお気づきだと思いますが、私は馬鹿です。どう考えてもローカルストレージを格安の外付けHDDなどで買ってクラウドストレージからローカルに落とせばそれで話は完結します。よってこの方法はおすすめしませんが、1円もお金をかけずに問題自体は解決したので何かの助けになればと思い、この記事を書きました。
馬鹿ついでに、私がノルウェーで使えそうだとも思ってインストールしようとしたら上記の問題のためにできなかったアプリをいくつか紹介しておきます。
3. インストールできなかった主なアプリ
- TooGoodToGo
本稿で説明した食品のディスカウントが受けられるアプリ。主にヨーロッパから来ている留学生に人気。
- FINN.no
ノルウェー版メルカリ。家や仕事も探せる謎アプリ。ノルウェー語でしかサポートされていません。
- Hygglo
こちらもノルウェー版メルカリ。UIはFINN.noより見やすい。物件や車などは載っておらず、仕事も探せないのでより簡潔。しかしやっぱりノルウェー語のみ対応。
- Tise
ノルウェー版メルカリのファッション関連のみバージョン。こちらもノルウェー語でしかサポートされていません。そもそも使ったことがないので、入れるだけ無駄でした。
- TheFork
ヨーロッパの何カ国かでレストランが割安で予約できるサービス。英語対応。ノルウェーにはこのサービスが適用されるレストランはありませんが、フランスに行った時は非常に有用でした。じゃあなぜノルウェーに設定変更しないと出てこないのか。謎です。
- Spond
組織においてイベントへのメンバーの出欠確認を行えるアプリ。私は部活の練習やイベントの出欠を報告するために使っています。アプリ内でチャットもできて便利。
いかがだったでしょうか。途中で述べましたが、たかが1アプリのためにアカウントを再作成してそれをいちいち移行するなど馬鹿の所業です。ただ、個人的にはiCloudアカウントとApp Storeの仕様を学べたので良かったと思っています。今後長期で海外に滞在する機会があるかはわかりませんが、もしあった時にインストールできないものがあったとしてもその理由の一つがこうした形で明らかになって良かったです。これを読んだみなさんの中でもし「おすすめされたアプリがApp Storeで見れない」という経験をされた方がいましたら、こうした原因も考えられるということを知っていただけたら何よりです。
今回は以上になります。それではまた次回。