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1日1ノル語-5日目-

こんにちは。オスロに留学している大学生です。
今日のノルウェー語はこちら。



概要

こちらは賞味期限が近くなった商品や閉店後廃棄予定の商品などを格安で販売してくれるアプリ、Too Good To Go で店舗を選択した時に表示される画面です。ここでは、 Joker というスーパーマーケットの Blindernveien 店を選択していますね。ところで、今回から写真に表示されているノルウェー語の原文は転記しないことにしました。理由はnoteのUIの都合上、写真における原文と同様の文字配置が難しく、再現度が低くなってしまうためです。加えて、今回から目次および節タイトルを採用しました。ご了承ください。それではやっていきましょう。

画面上部(箇条書き表記部分)

forundringspose: 「サプライズバッグ」cf. forundring「驚く」, pose「袋」
kr. : ノルウェークローネの省略表記
hent: å hente の命令形「受け取れ」もしくは名詞的用法として「受け取り」
mer: mye の比較級「より〜の」cf. mest(i.d.) - meste(d.) が最上級
informasjon: 「情報・インフォメーション」
om: この文脈では「〜について」(前置詞および接続詞であり多義語)
spisestedet: 「その飲食店」不定単数の場合は et spisested

画面中央(文章部分)

hva: 「何を・何が」英語のwhatに相当する疑問詞
kan: å kunne の現在形「〜できる・してもよい・かもしれない」英語のcanに相当する法助動詞
du: 「あなたが・あなたは」二人称主格の人称代名詞
få: å få の原形「〜をもらう・受け取る」多義語なので意味・用法注意
redd: å redde の命令形「〜を救え・助けろ」
en: 「ある・ひとつの」この場合は不定冠詞なので訳出はしない
fra: 「〜から」場所的起点を表す
posens: 「袋の」pose 「袋」の所有格
innhold: 「中身・内容物」
vil: å ville の現在形「〜だろう」英語のshall/willに相当する法助動詞。この場合は主語が人以外なので単に未来のことを表す
variere: å variere の原形「〜変わる・異なる」
inneholde: å inneholde の原形「〜を含む・含有する」
varer: 「商品・品物」不定単数の場合は en vare
markert: å markere の過去分詞「マークされた・記載された・表示された」
med: 「〜と」英語のwithに対応する
siste: sist の最上級「最後の・最終の」
forbruksdag: 「消費期限」siste forbruksdag として強調される
som: 「〜するもの・人」英語の関係代名詞に相当
utløper: å utløpe の現在形「(期限などが)切れる・満了する」
samme: 「同じ」
dag: 「日」
hentes: å hente の受動態「受け取られた」
produkter: 「商品」
er merket: å merke の受動的表現「記載された」
best før: 「賞味期限」cf. best は bra の最上級「最も良い」 før は 「〜より前に」英語の best before に相当する
ofte: 「よく・頻繁に」
gode: god の複数形「良い」
etter: 「〜より後に」この場合は時間的に後ろのことを示す
datomerkingen: 「その日付表示」
dagligvarer: 「日用品(食料品や日用雑貨など生活必需品全般)」
ingredienser: 「原材料」不定単数の場合は en ingrediens
og: 「〜と」英語のandに相当
allergener: 「アレルギー物質・アレルゲン」不定単数の場合は en allergen
 

画面下部(評価欄と緑色のボタン)

dette: 「これ」
mene: å mene の現在形「〜に意見を持つ・〜と思う」
andre: 「(他の)人々」
reserver: å reserve の現在形「〜を予約する」

まとめ

以上です。食品に関する説明なので、期限や内容品に関する言及が多い文章でしたね。

さて今回は å kunne と å ville という二つの方助動詞も登場しました。å kunne に関しては英語の can にほぼ対応するのであまり説明する必要はないかと思いますが、 å ville はかなり厄介です。というのも、見た目も発音も英語の vill に似ているのですが、基本的に教科書には shall と対応すると記載されているからです。さらに Duolingo では、 å ville は want to (do) で訳されています。これは主語が人である文章が主に取り上げられているためかと思いますが、実際には今回のように単に未来のことを表す助動詞としても使われます。人がその意思に関係なく既に決められている未来の予定について語るときは å skulle を主に使うので、そこで差別化が図られているのでしょうか。

特に日本の教育制度で英語を学んできた人にとっては、 shall という助動詞は初学時には shall we -?もしくは shall I -? といった疑問文(申出・提案)で使うことがほとんどで、一応単純未来・強意志・弱意志・命令などを追加的に習うことがあるかな、くらいです(少なくとも私は中学校で初めて shall を扱ったときはそうでした)。大して、ノルウェー人はブリティッシュイングリッシュを英語として学んでいる影響か shall のメインの意味を意志および単純未来で使用することが多いようです。このため、å ville の対応が will よりも shall となっているのだと推測できます。実際、英語があまり得意でないノルウェー人と会話すると will の文脈で shall を使われることがあります(あくまで個人の感想です)。私にとっては馴染みが薄かったですが、彼らにとっては直訳的にノルウェー語から英語に訳すと第一の選択肢が shall になるのでしょう。

次に気になるポイントとして、評価点が書いてあるところの一文があります。

Dette mener andre -- 3.7/5.0

とありますが、ここでは倒置(主語と目的語の入換)が起きています。本来、動詞 å mene の意味が「〜に意見を持つ・〜と思う」であるため dette 「これ」は主語になり得ません。しかしながら、主補倒置をすることで「これに対して他の人々はこのように思っています」と対象物を強調した文章を作ることが可能です。dette も andre も両方とも本来は主語になりえる単語なので私も最初は理解ができなかったのですが、å mene が思考動詞であることがわかると

無機物は思考しない→倒置が起きている→強調したいものがある

と理解ができます。この場合は、このお店が他の利用客からどう評価されているかが最も大事な要素であるわけですね。

いかがでしょうか。アプリのたった1画面から法助動詞についても文法規則についても学ぶことが多くてとても楽しいですね。今回はここまでになります。それではまた次回。


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