フロントアップキャリブレーター / バニーホップ⑥
バニーホップ、生涯修行な雰囲気のある奥の深すぎる技術はフロントアップに全てが詰まっていると思う。
バニーホップ自体、かれこれ4年近くやり続けている(終わりはない)が、いくら運動神経のないぼくでもさすがにそろそろモアハイヤーなクラスに来ているのだと思う。 基本的な技術の話ではなくなっているかもしれないが、逆にこのあたりからの指南やもがいた記録は全体のhow toバニーホップの中でも二割もないように思う。 あったとしてもわりとさらりとやっていて、あとは、判るな? といった案配だ。
60センチを未だ明確に越えたと言える計測は行ってはいないが、恐らくこの壁はかなり分厚いのだろうと思う。 基本的なバニーホップの技術はもちろんだけど、余所で言う、こういうフロントアップは基礎からやり直せ、と言われるようなフロントアップでは絶対に60センチには辿り着かない。 せいぜい30~40センチだろう。
その40センチから60センチに手が掛かるまでにいくつもの革新的発見と学習があったとおもうけど、ここ60センチから先は手掛かりはおろか、何もない。
恐らく手脚腰頭根性筋力、全てを使わないと70センチには届かないのだろうなあと思いつつ、あーでもないこーでもないとフォームを変えてはパニックになったりスランプに陥ったりしている。
これもスランプ期の代表的症状だと思うけど、フロントが重い、上がらないというもの。
色々考えすぎていたり、根本的な手順を何か一つ二つ忘れていたり、力みすぎていたりー。
そんなフロントアップスランプを一発で解消するツールを紹介したい。
このフロントアップキャリブレーターは丁度いい長さにカットして使う。 長さ90cmくらいあれば安心してどこからでも侵入できるし、ある程度重さがあって安定する。
長さ45cm程にすればバックパックなどにも忍ばせることが出来、どこでも即座にフロントアップの角度を最適化する事が出来るようになる。
立てて使えばバニーホップやロールバックの目標にもなる。 それでいて2lのペットボトルより軽くて運ぶことが容易である。 ぼくの45cmフロントアップキャリブレーターは以前に広場に置き忘れてきてしまったのだが。
他に寸三、4センチ角や5センチ程度のものでも兎に角当たれば判るものであればいいとは思うが、後述する理由によりあまり細い物はやめた方がいいし、あまり太い角張った物はパンクの恐れや、またはぶつけて転ぶリスクがある。
要はフロントアップの際にフロントが上がり始めたところまでリヤタイヤを浮かせないで粘る練習、ということなのだけどこれが手軽で物凄く効果がある。
特にぼくのような未だ後ろが怖くて仕方がないタイプのBMXライダーにとって、まくれ練習は困難を極める。 いつしか大人になったらぼくも出来るようになるのかと問題を先送りにしているが、もし同じ様な悩みを持つバニーホッパーの方がいらっしゃればぜひこのフロントアップキャリブレーターを試してみて欲しい。
この角材ホップ、元は軽く高く跳ぶファイャークラッカーと呼ばれているものらしいのだが、フロントアップキャリブレーションを行うにおいては高さを稼ぐ必要はない。
とはいえ角材に目一杯ぶつけるのではなく最適なタイミングでフロントアップをし、ポコンと当てる感覚で行う。
はじめは全く怖くてリヤはすぐに浮いてしまうか、または全く飛ぶ様子の無いままキャリブレーターに当たってお仕舞いになるだろうが、この運痴なぼくでもバニーホップが30センチ程度跳べるようになっていた頃には2日ほどやればかなり安定して前、後ろと当てることが出来るようになった。
このキャリブレーターのいいところは少々捲りすぎても後輪がキャリブレーターに当たると上に跳ね上げられるので、そのまま捲れ転ぶ事はかなり難しくなるし、脚を炸裂させるタイミングの学習になる。 つまりかなり安心して自転車を捲り返す事が出来るようになる。
そして身体で覚えた位置角度タイミングをもって普通にバニーホップをすればあっと言う間に後輪に乗ったホップが可能になるというものだ。
まだ全く刺しが出来ていないのでバックホイールは高さが足りないが、それを手に入れるために100バニをやりたくなってきた。
今まででは100バニも調子が出てくるまでかなりの本数を使うことがよくあったが、このキャリブレーターがあれば10本程の調整でいきなり最高値の練習に取り掛かることが出来るようになりそうである。 いや、そこまで調子よくはないかもしれないが。
また長いこと100バニが空いている理由にフロントアップのスランプがあったのだけど、そういえばどうしてこの角材ホップを忘れていたのだろう。 ある時きっと、自分のフロントアップはかなり完成されていて初心クラスの練習はするに及ばないというような奢りがあったのかもしれない。そんなような気がする。
フロントアップに苦労を割り振らなくても良くなれば早いバー引きから刺し、しゃくりに意識のリソースを割り振ることが出来るようになる。
一度に二つ程までしか処理出来ないのだ。
さて死ぬまでに縦カラーコーン跳べるようになるのかな。 ただフロントアップがいい感じだと疲れはするけどテニス肘も痛まないし、どこにも重くて無理のある感じがない。 つまりバーが引ききれなかったり肘が痛んだり前着してしまったりしているときは何かが間違っているということ。 長いこと間違えていましたね… と、何ぞ理解する度に思うわけだけれど、その期間勿体なかったなあと思うより多くの正解に辿り着いた喜びがあるのでやめられない。
行う内容にもよるけど、BMXって本当に難しいと思う。 よくみんなこんな先の見えない修行を進んでやるものだと思うけれど、出来たときの喜びはハンパない。 苦労すればするほど出来る人へのリスペクトが膨れ上がり、練習する人への応援したい気持ちが湧いてくる。 この手のスポーツ特有だと思うけどこういう感覚はぼくにとても向いている。
間違い続けた練習もきっと無駄じゃない(肘とか壊れたりするが)。
このBMXの何かが前へ進んだとき、生活のテンションがよくなり、QOLが上がる。
うまく行かなかったときもずっと考え調べ比べ、ぼけ防止になる。
久し振りに会った実家の母なんぞに、あんた肩とかえらいゴツなって? と聞かれてもいや、自転車で遊んでるだけやで、とは言えず適当に誤魔化したが自転車で遊んでるだけでかなり健康な身体になる。(尚外傷捻挫骨折などは含まないものとする)
さあ、今度の日曜日は100バニやるぞ、と思うとそれに向けて段取りが進む。 本当にいい趣味だと思うけどどうして全国民やらないのか理解できない。
さて、バニホバーも改良したいし色々準備しよう。
それではみなさん、ご安全に。