タイヤトラブルパーティー
BMXのタイヤの空気圧ってどのくらいが適切なのだろうか。
今週アタマの日曜日、いつものように広場に乗りに行った。 空気圧は最近いつも60psi。 4barちょい。
着地時のリム打ち回避と手首頸椎足首膝あたりへの負担軽減を模索した結果、いまのぼくにはこのくらいかなということにした。
いつものように、壁当てフェイキーからロールバック、バニホを何本か跳んでみたりしては今日の身体の調子などを確認しウォーミングアップ的な感じで動いていたが、どうにも何かが気になる。
こういう勘的なものって意外とバカに出来なくて、なんかなー、なんだかなーって思いながら数本おきにホイール緩んでないかとかクランク緩んでないかとか確認したりしていたのだが、ああ、これか、いや、これがか? というモノを見つけた。
このピロピロがリヤタイヤ左側全周にわたりあちこち起きている。 なんなら剥がれてブラブラしているものもある。 このタイヤ、4月に換えたばかりなんだけどなあ。
とりあえずこのまま乗るのは気が進まないし、何らかの拍子ににバーストなんてされたらイヤだからどうにかするべし。 リュックの中の手持ちの道具にミニマムハンドポンプがあるのでとりあえず空気を抜いてピロピロを収納し、丁寧に空気を入れればまだ戦えるだろうと、その時は考えていた。
実際、空気を抜いてビードを確認してみるとピロピロ部は7カ所以上あり、完全にビードの耳が切れゴム紐と化している部分や、ビード内部のアラミド繊維が見えている
なかなかに安くないタイヤであるし、BMXのパークストリート向けとして製造されているモデルなので使い方が悪いということは考えにくい。 50センチであぐねているような跳び方で壊れるようなものとは思えないのだが、そういえば過去にもこのビードピロピロが発生した記憶がある。
当時もピロピロを収め空気を入れ直しそのまま乗ったがこの状況は当時より明らかにかなりよくない。
後輪の左側にのみ現れているということはまあロールバックなのだろう。 とはいえビードピロピロを全て収納しなおして再度練習を始めてみたらロールバックではピロピロは出てこず、バニホを始めるとそれは再現された。
そういえばこの症状、初めてではない。 去年にも確か少しピロピロしていて、その時も空気を入れ直し収納したのだった。 その時はそれで完治したように思っていたし、そんなに気になることもなかったが……。
原因を考えると前回のピロピロも去年夏だったような気がしてならない。 簡単に直ったのであまりイメージが残っていないが今回も確かに日陰が使えず直射日光下での練習となるところだった。
つまり、温度なのかもしれない。 あと薄々思っていたことだけどこのタイや、推奨空気圧が85psi~110psiとなっている。
もしかするとこれもよくなかったのかもしれない。 少し前までは50psi、3.5barで乗っていたものだが、バニホの着地の映像等を見てリム打ちパンクしそうなのでこれでも増やしたものなのだ。
ということで早速85psiを入れ乗ってみた。 着地の感触が、ボフ、からガン、に変わった。 なんというか自転車にもダメージすごそうって感触。
夏が暑いのは今のところどうしようもないので、空気圧をせめて80、いや75psiくらい入れてやってみようかなと思う。 空気圧をいきなり変えるとフロントタイヤのネジり込みとかの感触が変わって難しくなりそうなのだ。 だがまあ仕方がない。
さて、ここで終わるとタイヤトラブルパーティーのタイトル回収がならないので前後いろいろ起きたことを書いておこう。 広場でピロピロを発見し、空気を抜いて丁寧にビードを収めて携帯エアポンプをガシガシストロークさせていたらどこかで空気の抜ける音がした。
はて、いまぼくが行っているのは空気を入れる行為であり抜く行為ではなかったはずだが。
そのリヤタイヤではなさそう。 ということは、フロントタイヤを見るとエアが抜けきっている。 なぜ?
数日前にも突然空気が抜けてチューブを点検し、おそらく初期のパンク修理パッチが不良なのだと判断した。 TPUチューブのパッチ貼りは癖があるので、今はいろいろ経験を得てそこそこ信頼性のある修理が出来ていると思うが初期のパンク修理はよくなかったのかもしれない。
接着不良となった古い補修パッチをそーっと剥がし、あまりよくはないと思うが再度同じ場所に補修パッチを貼り付けた。 おそらくそれだろうと思ってフロントタイヤもチェックするとどこからも漏れるような感じはない。 とりあえず空気を少し入れてみたが漏れる様子がない。 謎に包まれたがここで頭をひねっていても仕方がないのでとりあえずフロントタイヤを組み、空気を入れ様子を見ることにした。
携帯エアポンプなのでなかなか大変ではあるが、絶望的というほどでもない。 30ストロークほどしたところで破裂音がした。 見るとおそらくリムとビードの間に残っていたのであろうTPUチューブが外側に膨らみ破裂していた。
完全に油断していた。 というか空気抜けが謎過ぎておろそかになっていたのだ。 ここまでコテンパンになるとさすがに乗れないので自転車を担いで帰り、在庫してあった予備の中華TPUチューブの新品に取り替えた。
謎の空気漏れ、ではなく抜けの原因の仮説を立ててみよう。 あの日は炎天下の40度近い日だった。 そんな日に太陽の下で元気に遊ぼうってんだから大したもんだといえるが、そういえばTPUチューブは熱にあまり強くないと聞いた。
フロントタイヤの補修パッチ跡はタイヤレバー噛みによるもので、リム側にある。
リムは黒である。
さっきまで風を受けて走り回っていた自転車が停車し、太陽光に暖められながら20分程経った頃と予想できる。
つまり、リムの熱でチューブ自体というところまではいかなかったが、補修跡が耐えられなかった。 補修パッチか、接着剤が溶けたか何かが起きたのだろう。 空気が抜ける際に気化熱的に冷やされ症状は改善してしまった。
低圧ならとりあえず空気は入ってしまう。
破裂させてしまったのでそれより高圧な状態でのチェックはできなかった。
完全に仮設だが、TPUチューブは日本の夏に向いていないのかもしれない。 特にリム側に補修パッチがあるホイールを履いたオーナー。 いやそれは黒のタイヤでも起こりうる。
とりあえず意味もなく突然空気が抜けるチューブは使っていけないので中華TPUチューブを使うこととして修理は完了し、両タイヤにたっぷり80psi程の空気を入れた。
翌朝、フロントは夕べの修理後のまま高い空気圧を保っている。 ところが修理跡のたくさんあるリヤは結構抜けている。 60psi程に。
60psi運用の頃は気にならなかったが、80psi運用だとエア漏れ速度が気になるかもしれない。 夏は。
これはリヤもTPUチューブ要交換ですかね。 タイヤもまた新品になったし、日本の夏ヤベェな? という心持ちだ。
というか現地に予備チューブも持参するべきだなあと思ったし、買ったまま思ったよりデカくて重い電動エアポンプを持ってきておけばよかったし、今後必要になるかもしれない。
60psiまで携帯エアポンプで空気を入れる時、30psiくらいまではまあ余裕で入れられる。 そこから40psiにするにはそれまでのストロークをもう一度やる感じ。 そこからさらに+20psiだと四倍はポンプを押す事になるような気がしている。
今時の電動エアポンプはぼくの持っているやつより一周り二周り小さく軽い。 性能はさほど落ちていない。 超小型のタイプで100psiまでいけるようなものも二種ほど見つけた、が、こちらは100psiでロードバイク2本分のバッテリーということで、BMXだと一本入れきるのがギリギリかもしれないので見送った。 あと尋常ではない価格でもある。
とりあえずまた中華TPUチューブと、アリエクで売っている妙に安いMAXXIS GRIFTERをポチってみた。 こちらは使えたらラッキーくらいの気持ちで。 でも台湾メーカーだから正規のモノかもしれない。
あと、リヤホイールを外すついでにリヤハブOHもした。 簡単な作業だけだけれど。
ハブのコグ側のスペーサーが割れてしまっていたもの。 補修部品は買ってあったので交換。
ベアリングは相変わらずコグ側のみゴリゴリ。 だけどハブから抜くとスムーズになる。 圧入がキツ過ぎるのだろうか? とりあえず壊れてはいないようなのでそのまま組み戻した。
あと、ペダリングをするとパキパキという音がしていたのが気になっていたが、何らかクランクが緩んで締め直したときにBBカバーの部品が挟まり込んでチェーンラインが狂っていた。 早い目に気が付けてよかった。 チェーンもスプロケもゴリゴリ削れてしまうところだった。
さてショートステムと9"に下がったバーは概ね狙い通りで調子がよい。 フロントに乗りやすく、腰を落としてもバーが高すぎる感じにはならない。 ただ、これも思った通りだがフロントアップが重い。 ほんの少し前傾しているバーを戻してもいいかもしれない。 ただバーが重いのでさらにフロントアップは遅くなり高さを稼ぐどころではなくなってしまったが、そろそろ違う跳び方もまた模索する頃合いかもしれない。